JICによるJSR株式会社買収
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6月24日、産業革新投資機構(JIC)が中心となって、JSR株式会社を非公開化し、構造改革や業界再編を進めていく体制を整備することになりました。
個別の投資判断はJICが行うものですが、本件は、半導体材料の中核を担う企業を中心に構造改革や事業再編を進め、我が国の半導体材料分野の国際競争力の向上と半導体のサプライチェーン強じん化に資する政策的意義の高い案件であると考えています。
JICが買収する場合、「JSRは国有化・国策会社になるのでは」という疑問のお声もございますが、一般論として申し上げれば、JICは、産業競争力強化法に基づく官民ファンドであり、既存企業による産業や組織の枠を超えた事業再編など政策的意義の高い案件に投資を行い、一定の期間内にそのような事業再編や成長投資等を行った上で、再上場等により保有株式を売却することで、対象会社の成長と我が国の産業競争力の強化に貢献することが主な役割です。
一定の期間内に保有株式を売却すること等を前提としており、いわゆる「国有化」や「国策会社」とするような投資とは異なります。
なお、松野官房長官も、6月27日の記者会見で、本件について、「今後の産業競争力の核となる先端半導体の開発、生産能力の鍵となる半導体材料について、その中核を担う企業を中心に構造改革や事業再編を進め、半導体材料分野の国際競争力を高めるものであり、我が国の産業競争力強化に向けて極めて重要な取組であると理解しています。」と述べておられます。