企業のサプライチェーンにおける人権尊重
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4月4日付け日本経済新聞の1面で、政府が公共調達から企業のサプライチェーン上で強制労働などの人権侵害に加担しないよう求める方針である旨の報道がされていました。
政府は、昨年9月13日、企業における人権尊重の取組みを後押しする為、国際スタンダードに沿った形で、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を策定しました。
このガイドラインにつきましては、経済産業省、JETRO、中小企業庁が、グローバル企業、中小企業、地方に向けた各種のセミナーをこれまで合計13回開催するとともに、420に及ぶ業界団体への周知、各種の講演や経済紙等への寄稿も実施しています。
4月3日には、関係府省庁会議において、公共調達の入札説明書や契約書等に入札希望者/契約者が「ガイドラインを踏まえて人権尊重に取り組むよう努める」旨の記載の導入を進めることが決定されました。
この決定は、努力義務として規定の導入を進めるということであって、ガイドラインを踏まえて人権尊重に取り組むことを義務づけるものではありませんが、政府が率先して人権尊重の姿勢を示すものであり、ガイドラインの活用が進み、企業の人権尊重の取組を後押しし、我が国の国際競争力強化につながることを期待しています。
また、今後、国際協調に関する議論など、国内外の動向を踏まえながら、「人権デュー・ディリジェンス」に関する将来的な法律の策定可能性も含めて、関係省庁において更なる政策対応について検討されるべきだと考えます。