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  3. 衆議院議員9期目:経済安全保障担当大臣・内閣府特命担当大臣としての実績 【令和4年8月10日~令和6年6月23日現在】

日本のために働いた記録

衆議院議員9期目:経済安全保障担当大臣・内閣府特命担当大臣としての実績
【令和4年8月10日~令和6年6月23日現在】NEW

【経済安全保障】

1.『経済安全保障推進法』(2022年5月12日成立)に基づく「サプライチェーンの強靱化」に関する制度

 

(経緯)

  • 2022年9月30日 『特定重要物資の安定的な供給の確保に関する基本指針』閣議決定
  • 2022年12月23日 半導体、蓄電池、肥料、抗菌薬など11物資を「特定重要物資」に指定する『経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律施行令(政令)』を施行
  • 2024年2月2日 先端電子部品やウランを「特定重要物資」に指定・追加する『政令』を施行
  • 2024年6月23日現在 計88件の「供給確保計画」を認定

 

(概要)

  • グローバリゼーションの進展を背景とした供給網の多様化が進む中で、各国で供給ショックに対する脆弱性が増大している。国民の生命、生活や経済上重要な物資を他国に依存した場合、他国に由来する供給不足時に、我が国に重大な影響が生じる恐れがある。
  • 『経済安全保障推進法』は、国民の生存や国民生活・経済活動にとって重要であるなどの4つの要件を満たす物資を「特定重要物資」に指定し、サプライチェーンの強靱化を図る制度を設けている。
  • 2022年12月23日、抗菌薬、肥料、永久磁石、工作機械・産業用ロボット、航空機の部品、半導体、蓄電池、クラウドプログラム、可燃性天然ガス、重要鉱物、船舶の部品の11物資を「特定重要物資」に指定する『経済安全保障推進法の施行令(政令)』を施行した。(これら物資の安定供給確保の所要経費として、2022年12月2日に成立した「令和4年度第2次補正予算」で、計1兆358億円が措置された。)
  • 2024年2月2日、サプライチェーンの更なる強靱化のため、先端電子部品(コンデンサー、高周波フィルタ(ろ波器))を「特定重要物資」に追加指定するとともに、既に指定されている重要鉱物にウランを追加する『政令』を施行した。
  • 2023年4月14日以降、12分野における安定供給確保のための計画(供給確保計画)が、計88件認定されている(2024年6月23日時点。直近の認定は2024年6月7日)。
  • また、サプライチェーン強靭化のための所要経費として、「令和5年度補正予算」で計9,172億円、「令和6年度予算」で計2,300億円が、それぞれ措置された。(これまでに措置したサプライチェーン強靭化予算の総額は、2兆1,830億円)

 

 

2.『経済安全保障推進法』に基づく「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」の推進

 

(経緯)

  • 2022年9月16日 「経済安全保障推進会議・統合イノベーション戦略推進会議合同会議」において『研究開発ビジョン(第一次)』を決定し、支援対象として27の重要技術を選定
  • 2022年9月30日 『特定重要技術の研究開発の促進及びその成果の適切な活用に関する基本指針』を閣議決定
  • 2023年2月8日 「経済安全保障重要技術育成プログラムに係るプログラム会議(第4回)」において、今後の『研究開発ビジョン』の策定に向けた議論のキックオフ
  • 2023年3月27日 プログラムとして最初の採択公表(NEDO・3件)
  • 2023年8月28日 「経済安全保障推進会議・統合イノベーション戦略推進会議合同会議」において『研究開発ビジョン(第二次)』を決定し、支援対象として新たに23の重要技術を追加
  • 2023年12月8日 『研究開発ビジョン(第二次)』に基づく最初の公募開始(NEDO・4件)
  • 2024年4月5日 研究開発ビジョン(第二次)に基づく最初の採択公表(NEDO・1件)

 

(概要)

  • 科学技術・イノベーションが国家間の覇権争いの中核を占める中、先端的な重要技術の研究開発やその成果活用が我が国の国民生活や経済活動にとって重要であるのみならず、中長期的に我が国が国際社会で確固たる地位を確保し続ける上で必要不可欠。先端的な重要技術については、諸外国と伍する形で研究開発を進めることが求められている。
  • このため、『経済安全保障推進法』は、将来の国民生活や経済活動の維持にとって重要なものとなり得る先端的な技術を「特定重要技術」に指定し、国が資金を確保して研究開発や成果の活用に向けて強力な支援を行う制度を設けている。
  • 2022年9月に決定した「K Program」の支援対象となる重要技術を示す『研究開発ビジョン(第一次)』に基づき、具体的な研究開発構想を作成し、2023年3月には、プログラムとして最初の3事業(宇宙・海洋領域)を採択した。2023年7月には、これら3事業について、『経済安全保障推進法』に基づく「指定基金協議会」を開催した。
  • 2023年2月より、次の研究開発ビジョン策定に向けた議論を開始し、2023年8月28日の「経済安全保障推進会議・統合イノベーション戦略推進会議合同会議」において『研究開発ビジョン(第二次)』を決定し、支援対象として新たに23の重要技術を追加した。
  • 今後も、「指定基金協議会」(2024年6月23日時点で計11件設置)を通じた国による伴走支援の実施を含め、着実に研究開発を推進していく。
  • なお、「K Program」のための経費として、令和3年度補正予算と令和4年度第2次補正予算において、計5,000億円を確保している。

 

 

3.『経済安全保障推進法』に基づく「基幹インフラ役務の安定提供確保」に関する制度の運用

 

(経緯)

【制度運用に向けた準備】

  • 2023年4月28日 『特定妨害行為の防止による特定社会基盤役務の安定的な提供の確保に関する基本指針』を閣議決定
  • 2023年8月1日 『経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律施行令の一部を改正する政令』を閣議決定
  • 2023年11月1日 法の一部施行(特定社会基盤事業等、特定社会基盤事業者の指定基準、特定重要設備)
  • 2023年11月16日 特定社会基盤事業者の指定(計210者、2024年2月25日に1者を追加指定)
  • 2023年11月17日 法の施行(重要維持管理等、届出事項)
  • 2024年5月17日 制度運用開始

 

【対象事業の追加】

  • 2024年2月27日 特定社会基盤事業に一般港湾運送事業を追加する『経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案』閣議決定
  • 2024年5月10日 『経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律』成立
  • 2024年5月17日 『経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律』公布

 

(概要)

【制度運用に向けた準備】

  • 基幹インフラ事業を規律するいわゆる『業法』は、外部から行われる妨害行為を未然に防止することを目的としておらず、設備導入、維持管理の委託といった通常の事業活動に起因するリスクに対して、十分な対応がとれない恐れがある。
  • 『経済安全保障推進法』において、一定のインフラ事業者が設備の導入や維持管理の委託等を行う前に、政府が当該設備の導入等に伴うリスクを事前に審査し、リスクが大きければ低減・排除するべく、事業者に勧告・命令することができる仕組みを創設した。
  • この制度は規制措置となるため、国家及び国民の安全と自由な経済活動のバランスに留意し、規制対象を真に必要なものに限定するとともに、事業者からの意見の実態等を十分に踏まえて制度を整備し、運用していくことが重要である。
  • 2023年4月28日には『基本指針』を閣議決定し、「制度の基本的な考え方」「特定社会基盤事業者の指定基準」「特定重要設備を定めるに当たっての考え方」「届出事項や審査の考慮要素」などを示した。
  • 2023年8月1日には、『経済安全保障推進法の施行令の一部を改正する政令』を閣議決定し、制度の対象として指定可能な事業者の事業の範囲として、『経済安全保障推進法』で定めた、電気、ガス、水道などの14事業のうち、役務の安定的な提供に支障が生じた場合に、国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものを、「特定社会基盤事業」として定めた。
  • 2023年8月9日には、特定社会基盤事業者の指定基準や特定重要設備等を具体的に定める『省令』を、関係省庁において公布した。
  • 2023年11月1日には、特定社会基盤事業等を定める『政令』及び特定社会基盤事業者の指定基準や特定重要設備を具体的に定める『省令』が施行された。
  • 2023年11月16日には、関係省庁において、特定社会基盤事業者を指定したほか、特定社会基盤事業者の届出事項等に関する『省令』が公布された。
  • 2023年11月17日には、関係省庁において、指定された特定社会基盤事業者が告示され、特定社会基盤事業者の届出事項等に関する『省令』が施行された。
  • その後、技術的な解説の作成・公表を随時実施するなど、制度の周知・広報を積極的に行い、2024年5月17日、特定社会基盤事業者の指定から6か月間の経過措置期間を経て、制度の運用を開始した。

 

【対象事業への一般港湾運送事業の追加】

  • 2023年7月に発生した名古屋港コンテナターミナルにおけるサイバー攻撃によるシステム障害を受け検討を行った結果、2024年2月27日、「一般港湾運送事業」を特定社会基盤事業に追加するための『経済安全保障推進法』の一部改正法案を閣議決定の上国会に提出し、同年5月10日に成立、17日に公布された。

 

 

4.『経済安全保障推進法』に基づく「特許出願の非公開」の制度の運用

 

(経緯)

  • 2023年4月28日 『特許出願の非公開に関する基本指針』を閣議決定
  • 2023年8月1日 『経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律施行令の一部を改正する政令』を閣議決定
  • 2023年12月18日 内閣府令(保全審査手続、適正管理措置等)・共同府省令(一次審査手続、外国出願事前確認手続等)を公布するとともに、制度の内容を解説するガイドラインやQ&A(制度・損失補償)公表
  • 2024年5月1日 制度運用開始

 

(概要)

  • 我が国の特許制度は、特許出願人に対して一定期間独占権を付与して発明の保護を図りつつ、特許出願された発明を一律に公開して、第三者による改良技術の開発促進、重複する研究開発の排除などにより発明の利用を図り、もって産業の発達に寄与することを基本としている。
  • 他方、従来、安全保障上拡散すべきでない発明であってもその内容が公開されるため、拡散を懸念する発明者は特許出願を諦めざるを得ない状況にあった。諸外国では多くの国が安全保障上の理由で特許出願を非公開とする制度を有している。
  • このため、『経済安全保障推進法』において、特許制度の基本的な枠組を維持しつつ、公にすることにより国家及び国民の安全を損なう事態を生ずる恐れが大きい発明が記載されている特許出願につき、出願公開等の手続を留保するとともに、その間、必要な情報保全措置を講じる制度を整備した。
  • 保全指定をすると、産業の発達に様々な影響が生じ得るため、我が国の安全保障上極めて機微な発明であることを前提としつつ、経済活動やイノベーションへの影響も踏まえて、安全保障を確保するため合理的に必要と認められる限度において行わなければならない。また、特許出願人が手続を円滑に行うことができるように配慮することも必要である。
  • 2023年4月28日には『基本指針』を閣議決定し、「非公開の対象となる発明の考え方」「保全審査の手続における留意点」などを示した。
  • 2023年8月1日には、『経済安全保障推進法の施行令の一部を改正する政令』を閣議決定し、保全審査の対象となる、国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明が含まれ得る技術の分野を、「特定技術分野」として定めるとともに、非公開とした場合に産業の発達に及ぼす影響が大きいと認められる技術の分野、及びそのような技術の分野であっても審査に付すべき発明の要件(「付加要件」)を定めた。
  • 2023年12月18日には、内閣府令を公布し、保全審査において特許出願人の意見を聴取する旨や、保全対象発明の適正管理措置として、組織的・人的・物理的・技術的な情報管理に関する措置の具体的内容等を定めるとともに、内閣府・経済産業省の共同府省令を公布し、第一次審査や外国出願事前確認における特許庁に対する手続等を定めた。
  • また、制度そのものや発明を非公開とされた場合に生じる損失の補償について解説したQ&A、保全対象発明の適正管理措置の具体的な内容について解説するガイドラインもあわせて公表した。
  • その後、説明会を随時実施するなど、制度の周知・広報を積極的に行い、2024年5月1日、制度の運用を開始した。

 

 

5.「経済安全保障版セキュリティ・クリアランス制度」の創設に向けた取組

 

(経緯)

  • 2022年12月16日 『国家安全保障戦略』を閣議決定
  • 2023年2月14日 「第4回経済安全保障推進会議」の開催
  • 2023年2月22日 「第1回経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度等に関する有識者会議」を開催。6月6日に中間論点整理を取りまとめ。1月17日に最終とりまとめ案を公表。(第2回:3月14日、第3回:3月27日、第4回:4月7日、第5回:4月25日、第6回:5月29日、第7回:10月11日、第8回:11月20日、第9回:12月20日、第10回:2024年1月17日)
  • 2024年2月27日 『重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案』閣議決定
  • 2024年5月10日 『重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律』成立
  • 2024年5月17日 『重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律』公布

 

(概要)

  • 安全保障の概念が防衛や外交という伝統的な領域から経済・技術の分野に拡大している。安全保障のための情報能力の強化が一層重要となる中で、経済安全保障分野においても、「セキュリティ・クリアランス」を含む情報保全の更なる強化を図る必要がある。
  • 「セキュリティ・クリアランス」とは、国家における情報保全措置の一環として、政府が保有する安全保障上重要な情報として指定された情報に対して、アクセスする必要がある者のうち、情報を漏らすおそれがないという信頼性を確認した者の中で取り扱うとする制度。
  • 経済界からも、同盟国・同志国の政府調達などにおいて、国際的に通用する「セキュリティ・クリアランス制度」の創設について要望が寄せられた(経団連、経済同友会、各企業等)。
  • 日本企業が海外でのビジネスチャンスを拡大していく上でも、「セキュリティ・クリアランス制度」は有用である。
  • 従来のセキュリティ・クリアランス制度である『特定秘密保護法』では、経済安全保障に関する情報が必ずしも明示的に保全の対象になっていないこと、また、いわゆるトップシークレット、シークレットに次ぐ、コンフィデンシャル相当の情報類型がカバーされていないといった課題が指摘されていた。
  • 2023年2月14日の「第4回経済安全保障推進会議」において、岸田総理から、「経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度のニーズや論点等を専門的な見地から検討する有識者会議を立ち上げ、今後1年程度をめどに、可能な限り速やかに検討作業を進めること」との指示があった。
  • 2023年2月22日に「経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度等に関する有識者会議」を設置し、第1回会合を開催。5月まで月1~2回のペースで、民間企業からニーズや要望等を直接ヒアリングするなど、制度の方向性について検討を重ね、6月6日に『中間論点整理』がとりまとめられた。
  • 2023年10月に有識者会議を再開し、『中間論点整理』をベースに制度の具体的な方向性について議論し、2024年1月19日には有識者会議の委員の検討の最終的な結果をとりまとめた『最終とりまとめ』を公表した。
  • 『最終とりまとめ』も踏まえ検討を進め、2024年2月27日、『重要経済安保情報保護活用法案』を閣議決定し、国会に提出した。衆参両院合計で44時間以上の審議を経て、同年5月10日、同法が成立し、17日に公布された。これにより、「経済安全保障版セキュリティ・クリアランス制度」の創設が国会で認められた。
  • 『重要経済安保情報保護活用法』を実施に移すための『政令』及び『統一的な運用を図るための基準(運用基準)』の案などを有識者に議論いただく場として、2024年6月10日、『重要経済安保情報保護活用諮問会議』を開催することを決定した。6月下旬には第1回の会議を開催し、検討を進めていく予定。
  • これらのルールの策定や、制度の実施体制の整備により、実効的な運用を確保し、諸外国に通用する制度としていく。

 

 

6.「安全・安心に関するシンクタンク」の本格的な設立準備

 

(経緯)

  • 2022年11月29日 「安全・安心に関するシンクタンク設立準備検討会」を開催(計5回開催)
  • 2023年4月7日 「安全・安心に関するシンクタンクの基本設計」を取りまとめ
  • 2023年12月13日 「安全・安心シンクタンク運営ボード」を開催(2024年6月までに計4回開催)

 

(概要)

  • 科学技術・イノベーションは、激化する国家間の覇権争いの中核を占め、安全・安心な社会の構築の観点から、サイバー空間におけるセキュリティの確保、新たな生物学的な脅威への対応、宇宙・海洋分野等の安全・安心への脅威への対応、また、これらの領域を横断するリスク・脅威・危機への対応としても、国家の命運を握る生命線となりつつある。
  • 我が国においては、安全・安心の実現のための重要な諸課題に対応し、科学技術の多義性を踏まえつつ、総合的な安全保障の基盤となる科学技術力を強化する観点から、これまで、脅威等に対応する技術を「知る」、技術を「育てる」、育てた技術を社会実装し「生かす」、技術の流出を防ぎ「守る」ための様々な取組みを行ってきた。
  • このうち「知る」については、第6期科学技術・イノベーション基本計画等に基づき、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局において、「安全・安心に関するシンクタンク」の本格的な設立準備を進めている。
  • 安全・安心に関するシンクタンクは、国民生活、社会経済に対する脅威の動向の監視・観測・予測・分析、国内外の研究開発動向把握や人文・社会科学の知見も踏まえた課題分析を行うことを目的としている。
  • これまでの取り組みとしては、多角的に立ち上げるべきシンクタンク像を明確化するため、2022年11月から2023年3月にかけて、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局において、外部有識者による「安全・安心に関するシンクタンク設立準備検討会」を開催し、2023年4月には、「安全・安心に関するシンクタンクの基本設計」を取りまとめた。
  • 2023年度以降、この基本設計に基づいて、本格的なシンクタンク設立準備を進めているところ、高度な調査・分析人材の育成とネットワーク化や先行的な調査研究といった、シンクタンクのコア機能として必要な取組等については、委託事業を活用しながら継続的かつ発展的に実施している。
  • こうした設立準備作業について、進捗を確認するとともに、外部有識者から必要な助言をいただくため、2023年12月から「安全・安心シンクタンク運営ボード」を開催している。
  • 今後も引き続き、外部有識者の知見も活用しながら、シンクタンクの最適な組織形態の在り方等について具体化に向けた検討を更に深めるとともに、調査・分析手法の確立や人材の確保・育成、調査研究ネットワークの構築等の取組を着実に進めていく。

【宇宙政策】

1.我が国の宇宙政策の統括

~『宇宙基本計画』の改定と『宇宙基本計画工程表』の改訂~

 

(経緯)

  • 2022年12月23日 『宇宙基本計画工程表』の改訂(宇宙開発戦略本部決定)
  • 2023年6月13日 『宇宙基本計画』の改定(閣議決定)
  • 2023年11月29日 第212回国会において、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)設置法を改正し、「宇宙戦略基金」を創設
  • 2023年12月22日 『宇宙基本計画工程表』の改訂(宇宙開発戦略本部決定)
  • 2024年5月31日 『宇宙基本計画工程表改訂に向けた重点事項』の決定(宇宙開発戦略本部決定)

 

(概要)

  • 宇宙開発利用を巡る国際競争が激化し、経済社会や安全保障における宇宙システムの役割が大きくなっている中で、我が国の宇宙活動の自立性を維持・強化し、宇宙先進国の一角として我が国は世界をリードしていかなければならない状況である。
  • 2022年12月23日に岸田総理を本部長とする宇宙開発戦略本部(高市早苗宇宙政策担当大臣は、副本部長として議事を進行)において、政府全体の宇宙政策の方針を定める『宇宙基本計画』の着実な実行に向けた具体的な取組を示す『宇宙基本計画工程表』の改訂を行った。
  • この改訂では、とりわけ、「災害対応などに活用できる衛星を実装するとともに、我が国の新たな基幹ロケットH3ロケットで海外のロケットの打上げ需要にも応える」、「宇宙の安全で持続的な利用を進める上で、大きな課題となっている宇宙デブリへの対応を加速し、世界をリードする」、「スタートアップが我が国の宇宙活動の担い手に成長するための支援を行う」、といった方針を打ち出した。
  • こうした状況も踏まえて、今後20年を見据えた10年間の宇宙政策の基本方針を示す、新たな『宇宙基本計画』を策定し、2023年6月13日に閣議決定した。
  • 新たな『宇宙基本計画』におけるポイントは次の通り。
 

①宇宙利用の将来像を新たに示すとともに、その実現に向けた取組を定める。

 

②新たに策定する『宇宙技術戦略』に基づき、技術開発を強化する。

 

③「国際市場で勝ち残る意思・技術・事業モデルを有する企業」を戦略的に育成し、支援する。

 

④宇宙開発の中核機関であるJAXAの役割と機能を強化する。

  • 『宇宙基本計画』に示したように、JAXAの役割と機能を強化するため、JAXA法を改正し、JAXAに「宇宙戦略基金」を創設した。この基金によって、スタートアップを含む民間企業や大学などが主体的に行う、技術開発や商業化を支援する。令和5年度に補正予算(第1号)で3,000億円を計上した。早期に1兆円規規模を目指す。
  • さらに、『宇宙基本計画』の着実な実行に向けた具体的な取組を示す『宇宙基本計画工程表』の改訂を行い、2023年12月22日に、岸田総理を本部長とする宇宙開発戦略本部(高市早苗宇宙政策担当大臣は、副本部長として議事を進行)において決定した。
  • この改訂では、とりわけ、「今年度中にH3ロケット試験機2号機を打上げ、我が国の宇宙活動の自立性確保と、国内外の需要獲得を通じた産業基盤の強化に繋げること」、「「宇宙技術戦略」を今年度中に策定し、「宇宙戦略基金」も活用し、スタートアップを含む企業や大学による宇宙開発を強力に支援すること、合わせて政府による衛星リモートセンシングデータの活用を進めること」、「宇宙安全保障に関する議論を実施する多国間枠組みである「連合宇宙作戦イニシアチブ」への参加が実現したこと」や、国際的な月面探査計画である「アルテミス計画」を着実に推進すること」、「宇宙デブリへの対策として、宇宙デブリ除去実証衛星の打ち上げや、国際的なルール形成に向けて取り組むこと」といった方針を打ち出した。
  • ・また、この『宇宙基本計画工程表』は、宇宙を巡る国内外の動向などを踏まえ、定期的に見直し、改訂を加えていく必要があることから、2024年5月31日には、次回改訂に向けた重要な検討事項として『宇宙基本計画工程表改訂に向けた重点事項』をと取りまとめ、宇宙開発戦略本部において決定した。

 

 

2.宇宙安全保障の推進~日本初の『宇宙安全保障構想』の策定など~

 

(経緯)

  • 2022年12月16日 『国家安全保障戦略』の改訂(閣議決定)
  • 2022年12月23日 『宇宙基本計画工程表』の改訂(宇宙開発戦略本部決定)
  • 2023年6月13日 日本初の『宇宙安全保障構想』の策定(宇宙開発戦略本部決定)
  • 2023年6月13日 『宇宙基本計画』の改定(閣議決定)
  • 2023年10月17日 「宇宙システムの安定性強化に関する官民協議会」の設置
  • 2023年12月22日 『宇宙基本計画工程表』の改訂(宇宙開発戦略本部決定)
  • 2024年1月30日 「令和5年度宇宙システム全体の機能保証強化のための机上演習」の実施

 

(概要)

  • 我が国を取り巻く安全保障環境は、複雑さと厳しさを増している。加えて、宇宙空間、サイバー空間、電磁波領域などにおいて、自由なアクセスやその活用を妨げるリスクが深刻化しており、我が国の安全保障上の関心対象は地理的・空間的に拡大しつつある。
  • 我が国の安全保障上の関心対象の広がりに伴い、高い情報収集・情報通信能力を有する宇宙システムの重要性が急速に高まっている。
  • 2022年12月に閣議決定された新たな『国家安全保障戦略』では、「宇宙」が大きくクローズアップされ、我が国を全方位でシームレスに守るための取組の一つとして、「宇宙の安全保障の分野での対応能力強化」が掲げられている。また、同戦略では、宇宙の安全保障分野の課題と政策を具体化させる政府の構想を取りまとめることとされている。
  • 2022年12月23日の「宇宙開発戦略本部」においては、岸田総理より、「新たな国家安全保障戦略の策定を受け、来年(2023年)夏を目途に、宇宙の安全保障構想を策定します。さらに、民生分野を含め、最新の宇宙開発動向を踏まえ、3年ぶりに、宇宙基本計画を改定します。高市宇宙政策担当大臣を中心に、浜田防衛大臣を始め関係大臣が連携し、具体的に進めてください。」との指示があった。
  • 2023年6月13日には、策定作業を進めてきた日本初の『宇宙安全保障構想』が、宇宙開発戦略本部で決定された。この構想は、宇宙安全保障上の目標とその達成のための3つのアプローチを、今後10年の取組として示した。これらは同日に閣議決定した『宇宙基本計画』の個別事業に反映されている。3つのアプローチは、以下のとおり。
 

①安全保障のための宇宙システム利用の抜本的拡大(「宇宙からの安全保障」)

 

②宇宙空間の安全かつ安定的な利用の確保(宇宙における安全保障)

 

③これらを実現するための、宇宙産業の支援と育成による、安全保障と宇宙産業の発展の好循環の実現

  • 宇宙安全保障構想の実現のための各種施策は、宇宙基本計画及び同工程表に反映され、府省横断的に取り組んでいる。
  • 具体的な進捗例として、2023年10月に、宇宙に関する不測の事態が生じた場合における情報収集や初動対応等に関する官民一体となった対応要領の強化を実現するための情報共有の枠組みである「宇宙システムの安定性強化に関する官民協議会」を設置した。官民協議会は、関係府省庁に加え、宇宙システム関連事業者や重要インフラ関連団体などから構成される。
  • 官民相互の連携や情報共有を促進し、官民一体となった総合的な対処体制を構築することで、宇宙空間の安全かつ安定的な利用を一層進めるべくしっかりとこの取組を進めていく。
  • また、その一環として、本年1月30日、官民の連携要領の向上を目的とした「令和5年度宇宙システム全体の機能保証強化のための机上演習」を実施し、官民協議会の構成員を中心とする官民の組織が参加してその有効性の検証を行った。
  • このほか、宇宙安全保障に関する議論を実施する多国間枠組みである連合宇宙作戦イニシアチブ(CSpO)について、防衛省が中心となって調整を進め、昨年12月に参加が実現した。
  • 今後も、国と国民の皆様の安全を守るべく、宇宙安全保障に関わる取組を、関係省庁と連携しつつ、しっかりと進めていく。

 

 

3.宇宙関係予算の拡充と宇宙戦略基金の創設 

 

(経緯)

  • 2023年2月3日 『令和5年度予算案』における「宇宙関係予算」の公表
  • 2023年8月4日 「宇宙関係予算に関する関係府省連絡会」の開催
  • 2023年9月14日 『令和6年度予算概算要求』における「宇宙関係予算」の公表
  • 2023年11月 『令和5年度補正予算(第1号)』における「宇宙関係予算」の公表
  • 2024年3月28日 『令和6年度当初予算』成立
  • 2024年4月26日 宇宙戦略基金「基本方針」・「実施方針」策定

 

(概要)

  • ・政府全体の宇宙関係予算の総額について、令和4年度補正予算と、令和5年度予算とを合わせて、6,119億円となった。これは、前年度を約900億円上回る大幅な伸びである。関係各省庁でも積極的な予算措置がなされたものと考える。
  • 予算計上された主な事項は次の通り。
 
  • 小型SAR衛星コンステレーションのデータ利用実証等を実施するため、「宇宙開発利用推進費」約131億円(内閣府)
 
  • 準天頂衛星システムの着実な整備に約250億円(内閣府)
 
  • 情報収集衛星の開発・運用に約800億円(内閣情報調査室)
 
  • 宇宙領域把握(SDA)の強化に約286億円(防衛省)
 
  • 宇宙作戦指揮統制システム等の整備に約342億円(防衛省)
 
  • 宇宙作戦指揮統制システム等の整備に約342億円(防衛省)
 
  • H3ロケットの開発・高度化に約257億円、イプシロンSロケットの開発に約60億円(文部科学省)
 
  • 月で有人活動などを行う「アルテミス計画」に向けた研究開発等に約405億円、世界初となる火星の衛星からのサンプルリターンを目指す火星衛星探査計画(MMX)に約103億円(文部科学省)
  • また、令和5年度補正予算と、令和6年度予算とを合わせて、8,945億円となった。前年度を約2,800億円上回っており、昨年に引き続き大幅な伸びとなっている。
  • 予算計上された主な事項は次の通り。
 
  • 小型SAR衛星コンステレーションのデータ利用実証等を実施するため、「宇宙開発利用推進費」約120億円(内閣府)
 
  • 準天頂衛星システムの着実な整備に約240億円(内閣府)
 
  • 情報収集衛星の開発・運用に約897億円(内閣情報調査室)
 
  • 次期静止気象衛星の整備に約214億円(国土交通省)H3ロケットの開発
 
  • 高度化に約263億円、イプシロンSロケットの開発に約97億円(文部科学省)
 
  • 月で有人活動などを行う「アルテミス計画」に向けた研究開発等に約261億円、世界初となる火星の衛星からのサンプルリターンを目指す火星衛星探査計画(MMX)に約50億円(文部科学省)
 
  • 宇宙は、今後成長が期待され、ますます重要性が高まる分野であり、我が国の宇宙活動の自立性を維持し強化するために、令和6年度は必要十分な予算が確保できたと考える。
 
  • また、昨年11月には、スタートアップを含む民間企業や大学などが主体的に行う、技術開発や商業化を支援するべく、宇宙戦略基金を新たに創設しており、令和5年度補正予算(第1号)には、当面の事業開始に必要な経費として、3,000億円を計上している。今後、速やかに総額1兆円規模の支援を行うことを目指す。
 
  • 宇宙戦略基金の着実な執行に向けては、本年4月に、事業全体の制度設計を示した「基本方針」を策定したほか、総務省、文部科学省、経済産業省と連携し、技術開発テーマの目標と内容を示した「実施方針」を策定した。
  • 宇宙は、今後成長が期待され、ますます重要性が高まる分野であり、我が国の宇宙活動の自立性を維持し強化するために、必要十分な予算が確保できたと考える。

 

 

4.宇宙分野の国際協力の推進

 

(経緯)

  • 2022年11月18日 日本が国際宇宙ステーション(ISS)延長に参加表明
  • 2022年12月16日 ISSの若田光一宇宙飛行士と交信
  • 2023年2月6日 ビル・ネルソン米国NASA長官との会談
  • 2023年3月8日 第8回「宇宙空間の安定的利用の確保に関する国際シンポジウム」(NSPSシンポジウム)冒頭スピーチ(動画送付)
  • 2023年5月19日 若田光一宇宙飛行士・古川聡宇宙飛行士による表敬訪問
  • 2023年5月12-14日 「G7科学技術大臣会合」の議長として、「スペースデブリ対策」の議論を提起し、『G7科学技術大臣コミュニケ』に盛り込むことに成功
  • 2023年5月21日 『G7広島首脳コミュニケ』にも「スペースデブリ対策」が盛り込まれる
  • 2023年5月26日 バティスト・フランス国立宇宙研究センター(CNES)総裁との会談
  • 2023年8月7日  諏訪理宇宙飛行士候補者・米田あゆ宇宙飛行士候補者による表敬訪問
  • 2023年10月12日 スワーハ・サウジアラビア宇宙庁長官との会談
  • 2023年11月9日 パリク米国国家宇宙会議事務局長との会談
  • 2023年12月11日 ウルソ・イタリア企業メイドインイタリー大臣との会談
  • 2023年12月11日 ISSの古川聡宇宙飛行士と交信
  • 2024年3月15日 G7ヴェローナ・トレント産業・技術・デジタル大臣会合の閣僚声明に、スペースデブリ対策を盛り込む
  • 2024年3月26日 「第2回宇宙交通管理に関する関係省庁等タスクフォース大臣会合」の開催
  • 2024年6月11日 日・ルクセンブルク宇宙協力覚書への署名
  • 2024年6月13日 古川宇宙飛行士、岡田前H3ロケットプロジェクトマネージャー、坂井SLIMプロジェクトマネージャーの表敬訪問
  • 2024年6月15日 『G7プーリア首脳コミュニケ』にスペースデブリ対策を盛り込む

 

(概要)

  • 国際宇宙協力を推進し、宇宙の持続的利用等に貢献することにより、宇宙分野の我が国のプレゼンス向上に繋げていくことが重要。
  • 2022年11月、我が国は米国との間で、月周回有人拠点Gatewayの実施取決めに署名するとともに、国際宇宙ステーション(ISS)の2030年までの運用延長への参加を表明した。ゲートウェイは月そしてその先での持続的な探査活動を目指すアルテミス計画の基盤となるとともに、ISS計画に必要な技術の獲得・実証の場となる。
  • 2022年12月、ISSに滞在中の若田光一宇宙飛行士と、総理官邸において岸田総理などとともに交信を行い、スペースデブリ、ISSの運用効率化や宇宙飛行士の使命といった話題についての対話を世界に配信した。
  • 2023年2月には、ネルソンNASA長官と対面で意見交換を実施。ネルソン長官からは、日米の宇宙協力関係は強固で、ISSやゲートウェイでの協力を含め、今後の日米宇宙協力を進めたい旨の発言を得た。高市早苗大臣からの「スペースデブリ対策の重要性」に係る提起に対しても、ネルソン長官から賛同を得た。2022年秋以降、日米宇宙協力に関しては、非常に大きな前進があったと評価している。
  • 2023年3月、宇宙空間の安定的利用の確保をテーマとする国際シンポジウム「NSPSシンポジウム」では、冒頭スピーチで、「デブリ除去」や「軌道上サービス」の商業化に関する日本の取組状況を世界各国からの参加者に発信した。この分野での議論や国際連携の深まりは、将来的な宇宙の持続可能性を確保し、日本の国益、安全保障、産業育成に欠かせないものである。
  • 2023年5月19日には、地球に帰還した若田光一宇宙飛行士と、2023年8月のISSへの出発を控える古川聡宇宙飛行士の表敬訪問を受け、貴重な体験談や決意を伺い、宇宙の開発利用について意見交換を行った。
  • 2023年5月12日から14日に開催された「G7科学技術大臣会合」では議長を務め、「宇宙の、持続的で安全な利用」の為に、各国が「スペースデブリ(宇宙ゴミ)対策」に取り組むべきことを提起した。その結果、『G7科学技術大臣会合コミュニケ』(2023年5月13日)及び『G7広島首脳コミュニケ』(2023年5月20日)において、「スペースデブリ」について、「発生抑制に向けた国連宇宙空間平和利用委員会で採択された国際ガイドラインの実施の喫緊性と必要性」、「発生抑制と既存のスペースデブリの削減のための更なる解決策や技術の開発の取組」を盛り込むことができた。
  • 2023年5月、来訪されたバティスト・フランス国立宇宙研究センター(CNES)総裁との会談。日仏間で、スペースデブリ対策、宇宙輸送及び宇宙科学・探査といった様々な分野での宇宙協力を引き続き進めていくことを確認。
  • 2023年11月、来訪されたパリク米国国家宇宙会議事務局長との会談。アルテミス計画について、日本が2020年代後半の日本人宇宙飛行士の月面着陸を目指しており、有人与圧ローバの開発をはじめ、積極的に貢献したい旨伝達。また、デブリを増やさない取組と減らす取組の双方を国際ルールとし、またビジネスにしていくために協力していくことを確認。
  • 2023年10月、来訪されたスワーハ・サウジアラビア宇宙庁長官と会談。高市大臣からは、同年7月の岸田総理のサウジアラビア訪問の際に日本とサウジアラビアとの間で宇宙協力を進めることで一致したことを受け、今後、両国の政府間や宇宙機関間での宇宙協力を具体化していくことや、デブリ対策の重要性について確認。
  • 2023年12月、来訪されたウルソ・イタリア企業メイド・イン・イタリー大臣と会談。同年1月の岸田総理とメローニ首相との日・伊首脳会談で、日・伊関係の戦略的パートナーシップへの格上げについて合意されたことを受け、宇宙分野でも両国の産業対話が活発に行われている旨に言及。また、デブリ対策のための技術開発を強く奨励する旨のメッセージを発出できた同年のG7仙台科学技術大臣会合やG7広島サミットに続き、2024年にイタリアが議長国を務めるG7においても、デブリ対策やその運用のための国際ルール作りにおいてイタリアと協力していきたい旨を述べ、ウルソ大臣の賛同を得た。
  • 今後も、我が国の企業が有する世界最先端のデブリ対策技術を活かして、宇宙の安全な利活用の為に国際連携を進めるとともに、日本の経済成長に繋げていきたい。
  • 2023年12月11日、総理官邸において、岸田総理らとともに、ISS滞在中の古川聡宇宙飛行士と交信を行い、今後の国際宇宙探査に関する対話を世界に発信した。
  • 2024年3月14日~15日の「G7産業・技術・デジタル大臣会合」では、閣僚声明に「2023年G7仙台科学技術大臣コミュニケ及びG7広島首脳コミュニケに沿って、我々は、方法や道具の研究と開発、能力構築、 軌道上デブリの発生抑制・削減や宇宙状況把握に関するグローバルな調整を通じたものを含む、宇宙活動の長期的な持続可能性の確保のための更なる努力を強く奨励する」との文言を盛り込んだ。
  • 2024年3月26日、第2回宇宙交通管理に関する関係省庁等タスクフォース大臣会合を開催し、「軌道利用のルール作りに関する中長期的な取組方針」を改訂した。今後、この取組方針に沿って、宇宙交通管理に関する日本の実践的な取組を蓄積するとともに、NSPS シンポジウム等、様々な機会を捉えて、宇宙交通管理のルール作りに係る日本の実践的な取組を国際社会に積極的に発信していく。
  • 2024年6月11日、ギヨーム・ルクセンブルク皇太子訪日に際し、これまでの日・ルクセンブルク間での宇宙資源活動等の分野での協力を踏まえ、「日本国外務省及び内閣府とルクセンブルク大公国外務欧州・防衛・協力・対外通商省及び経済省との間の平和目的の宇宙活動分野の協力に関する協力覚書」に署名した。
  • 2024年6月13日、地球に帰還された古川聡宇宙飛行士、2024年2月に打ち上げ成功したH3ロケットの開発に携わった岡田前プロジェクトマネージャー、世界初のピンポイント着陸に成功した小型月着陸実証機(SLIM)の開発に携わった坂井プロジェクトマネージャーの表敬を受け、今後の宇宙開発利用に向けての意見交換を行った。
  • 2024年6月15日、『G7プーリア首脳コミュニケ』にて、スペースデブリについて、「我々は、国連宇宙空間平和利用委員会で採択された国際ガイドラインの実施を喫緊で必要なものとして強く支持する。我々は、軌道上デブリの低減と改善に関する技術の更なる研究開発、及び宇宙の持続可能性に関する基準や規制の策定を含む、スペースデブリの低減と改善のための更なる解決策を進展させる各国の取組を歓迎する。」との文言を盛り込んだ。

 

 

5.宇宙活動の発展を支えるための環境整備

 

(経緯)

  • 2022年11月4日 我が国のスタートアップであるispace社の月面資源開発計画を『宇宙資源法』に基づく第1号案件として許可。
  • 2022年12月12日 ispace社の月着陸船の打上げ成功
  • 2023年2月3日 「2023 国際宇宙産業展 ISIEX」に出席(基調講演と視察)
  • 2023年4月26日  ispace社の月着陸船の月面軟着陸の失敗(全体10マイルストーンの中、8マイルストーンまでは成功)
  • 2023年5月12日~14日 「G7科学技術大臣会合」では、議長として、G7として初めて「スペースデブリ対策」に係る議論を提起し、大臣コミュニケに盛り込まれた
  • 2023年7月4日  「SPACETIDE 2023」で講演
  • 2023年7月7日   「経団連宇宙開発利用委員会総会」で講演
  • 2023年8月2日   「第2回月面ビジネスカンファレンス」でスピーチ
  • 2023年11月15日 「S-Booster2023最終選抜会」でスピーチ
  • 2023年11月 「宇宙戦略基金」の創設
  • 2024年1月20日 小型月着陸実証機SLIMのピンポイント月面着陸成功
  • 2024年2月17日 H3ロケット試験機2号機の打上げ成功
  • 2024年3月12日 「第6回宇宙開発利用大賞」表彰式典
  • 2024年3月26日 「第3回衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース大臣会合」の開催、「衛星データ利用に関する今後の取組方針」の改訂
  • 2024年3月26日 「第2回宇宙交通管理に関する関係府省等タスクフォース大臣会合」の開催、「安全で持続的な宇宙空間を実現するための手引書 ~スペースデブリを増やさないために~」の策定
  • 2024年3月28日 「宇宙技術戦略」の策定

 

(概要)

  • 成長分野である宇宙産業に、多くの民間企業が参入することが重要である。
  • 2022年11月、日本の民間事業者ispace(アイスペース)社による月面の資源開発計画を許可した。『宇宙資源法』に基づく第1号案件である。『宇宙資源法』は、許可された計画に沿って採取された宇宙資源について、民間事業者が所有権を取得することを認めること等によって、月面などにおける民間事業者の活動を促進するものである。民間事業者による資源利用の実績を積み上げることで、国際社会をリードしていきたい。
  • ispace社は、民間企業として世界初となる月面への軟着陸を試みたものの、当初の計画全てを達成することはできなかったことは大変残念である。しかし、このような果敢な挑戦は、我が国の宇宙産業への参入や投資の促進など、宇宙産業の発展を促す好循環を生み出すきっかけになり、大変意義深いものである。ispace社は、既に今回の経験を糧に、挑戦を続けることを表明している。
  • 2023年2月には、「2023 国際宇宙産業展 ISIEX」に参加し、我が国の宇宙政策について発信するとともに、スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去や月面探査分野で世界をリードする技術を有する日本の民間事業者アストロスケール社を激励した。アストロスケール社は、スペースデブリ除去サービスに取り組む世界初の企業である。
  • 同志国との連携を図り、スペースデブリ対策を含む宇宙交通管理に関する国際的な規範・ルール作りに取り組む。これが整備されれば、日本企業のスペースデブリ回収技術は世界的な需要を呼び、大きなビジネスチャンスになり得ると考えている。
  • 2023年5月12日~14日に開催された「G7科学技術大臣会合」では、議長として、G7として初めて「スペースデブリ対策」の議論を提起し、『G7科学技術大臣コミュニケ』に盛り込まれるとともに、その後の『G7広島首脳コミュニケ』にも盛り込まれた。 G7科学技術大臣会合を機に、スペースデブリ除去技術を有する日本企業への関心が高まり、G7諸国で商機が生まれつつある。
  • 2023年7月には、アジア・オセアニア地域最大級の宇宙ビジネス会議である「SPACETIDE(スペースタイド)2023」や「経団連宇宙開発利用委員会総会」で講演。2023年8月には、月面産業ビジョン協議会主催「第2回月面ビジネスカンファレンス」でスピーチを行った。さらに2023年11月には、内閣府が主催する、宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト「S-Booster2023」最終選抜会において、スピーチを行った。様々な機会に、我が国の宇宙産業を牽引する企業の皆様や宇宙政策に取り組む政治家をはじめ、国内外の有識者や宇宙関係のビジネスリーダーに、『宇宙基本計画』を含む我が国の宇宙政策について発信している。
  • 2023年11月、臨時国会においてJAXA法を改正し、JAXAに「宇宙戦略基金」を創設した。この基金によって、スタートアップを含む民間企業や大学などが主体的に行う、技術開発や商業化を支援する。令和5年度に補正予算(第1号)で3,000億円を計上した。早期に1兆円規規模を目指す。
  • 2024年1月20日、JAXAの小型月着陸実証機SLIMが、世界で初めて、月面へのピンポイント着陸に成功した。この技術は、今後の探査計画に不可欠なものであり、アルテミス計画への技術的貢献等を通じて、日本のプレゼンスの向上につなげていく。
  • 2024年2月17日、H3ロケット試験機2号機の打ち上げに成功した。H3ロケットは、我が国の宇宙活動の自立性確保と国際競争力強化のために極めて重要な、新たな基幹ロケットであり、打上げ成功は、我が国の宇宙政策の最重要課題であるロケット打上げ能力の抜本的強化に向けた、大きな飛躍となった。
  • 我が国の宇宙開発利用の更なる進展や、国民の認識と理解の醸成を図るべく、「第6回宇宙開発利用大賞」を実施した。86件の応募のうち、特に宇宙開発利用の推進に多大な貢献をした優れた成功事例を13件選出し、本年3月、岸田総理にも御出席をいただき開催した表彰式において、表彰を行った。
  • 衛星リモートセンシングデータの実装加速に向けては、国内企業が提供する衛星データの活用拡大が重要である。本年3月、関係大臣のご出席のもと、「第3回衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース大臣会合」を開催し、「衛星データ利用に関する今後の取組方針」を改訂した。令和6年度からの3年間を「民間衛星の活用拡大期間」として、政府や自治体、民間等による衛星データの利用を促進する方針を決めた。
  • スペースデブリなどの宇宙物体の増加に伴う軌道上の混雑化により、衛星同士や、衛星とスペースデブリとの衝突などのリスクが増大している。宇宙空間の安全で持続的な利用を実現するため、対策が必要。本年3月、関係大臣の御出席の下、「第2回宇宙交通管理に関する関係府省等タスクフォース大臣会合」を開催し、「安全で持続的な宇宙空間を実現するための手引書 ~スペースデブリを増やさないために~」を策定した。民間企業や大学等の関係者にも周知し、人工衛星やロケットなどの開発・製造・運用に当たって活用を促している。
  • 国際的な宇宙関連の技術動向を踏まえつつ、我が国として推進すべき技術やその方向性、開発のロードマップを示すべく、本年3月、「宇宙技術戦略」を策定した。今後、宇宙戦略基金を含め、関係府省による宇宙関係予算の執行に当たり、参照していく。

【重要土地等調査法】

「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」(重要土地等調査法)の執行

 

(経緯)

  • 2022年9月16日 関係『政令』『基本方針』を閣議決定
  • 2022年9月20日 『重要土地等調査法』の全面施行
  • 2022年12月27日 「第1回区域指定」(注視区域29か所、特別注視区域29か所)の官報公示
  • 2023年2月1日 「第1回区域指定」の施行
  • 2023年7月12日 「第2回区域指定」(注視区域121か所、特別注視区域40か所)の官報公示
  • 2023年8月15日 「第2回区域指定」の施行
  • 2023年12月11日 「第3回区域指定」(注視区域134か所、特別注視区域46か所)の官報公示
  • 2024年1月15日 「第3回区域指定」の施行
  • 2024年4月12日 「第4回区域指定」(注視区域151か所、特別注視区域33か所)の官報公示
  • 2024年5月15日 「第4回区域指定」の施行

 

(概要)

  • 安全保障を巡る環境が厳しさを増している中、我が国の土地や建物を利用した、防衛関係施設や国境離島等の機能を阻害する行為が行われるリスクが高まっている。
  • このような機能阻害行為は様々な態様が考えられるとともに、技術の進歩などにより複雑化・巧妙化することがあり得るため、『重要土地等調査法』に基づく措置を講じることが我が国の安全保障の確保のために必要不可欠。
  • 『重要土地等調査法』は、重要施設周辺及び国境離島等における土地・建物の利用状況の調査と利用規制を行うことを定めており、土地や建物の利用状況を把握する対象となる区域を「注視区域」及び「特別注視区域」に指定し、指定後に区域内にある土地・建物の所有・利用状況の実態把握を行うこととしている。
  • 2024年5月までに施行された計4回の区域指定(注視区域435か所、特別注視区域138か所の計583か所)をもって、必要な区域指定は一旦終えたところであり、それぞれの区域において、利用状況の調査を進め、実態把握を行い、機能阻害行為を防止するべく万全を期していく。
  • 土地・建物の利用状況は常に変わり得るため、調査は一度行えば完了する性質のものではない。非常に大変な作業であるが、法執行を着実に進めていく。
  • また、建設中の防衛施設や原子力関係施設の完成、既存の施設の機能や敷地の変更のほか、安全保障環境や法の施行状況などに応じて、区域指定の見直しや追加を行うことがあり得るため、不断の検討を行うことが必要。

【科学技術政策】

1.日本初の『フュージョンエネルギー・イノベーション戦略』の策定

 

(経緯)

  • 2022年9月12日 イノベーション政策強化推進のための有識者会議「核融合戦略」を設置
  • 2022年9月~2023年2月 有識者会議を開催
  • 2023年4月14日 日本初の『フュージョンエネルギー・イノベーション戦略』を決定(統合イノベーション戦略推進会議決定)
  • 2023年12月26日 戦略に基づき、小型化・高度化等の独創的な新興技術を支援するため、総合科学技術・イノベーション会議で新しいムーンショット目標を決定。
  • 2024年3月29日 戦略に基づき、有識者会議を開催し、有識者会議の下に「フュージョンエネルギーの実現に向けた安全確保の基本的な考え方検討タスクフォース」を開催することを決定
  • 戦略に基づき、関連産業の発展に向けて、2024年3月29日、一般社団法人フュージョンエネルギー産業協議会(通称:J-Fusion)を設立し、5月21日に設立総会、設立記念会を開催。
  • 2024年5月 第1回安全確保検討タスクフォースを開催し、検討を開始

 

(概要)

  • 核融合とは、重水素と三重水素が融合してヘリウムに変わる際に放出されるエネルギーであり、太陽や星を輝かせるエネルギー。地球温暖化の原因となる二酸化炭素を発生させず、高レベル放射性廃棄物も発生させない、環境保全性の高い「次世代クリーンエネルギー」として期待されている。
  • 近年、主要国は、政府主導で独自の取組を推進するとともに、核融合ベンチャー企業への投資も拡大するなど、国際競争が加速している。
  • 我が国ではITER計画等、核融合に関する研究開発を長年続けており、最先端の核融合機器製作に対応できる優れた技術が蓄積されている。発電炉の実現には時間を要するものの、スピンアウトによる新産業創出に期待がもてる。
   
  • 超伝導技術 → 医療用MRI
   
  • 超伝導コイル製作技術 → 海洋調査船や宇宙船の外壁等の精密加工
  
  • リチウム、ベリリウム回収技術 → リチウム電池のリサイクルやレアメタル回収
  • 我が国が有する技術的優位性を確保しつつ、核融合エネルギーの実用化に向けた取組を加速し、我が国の産業競争力を強化するため、日本初となる核融合の国家戦略の策定を目指して、2022年9月12日に統合イノベーション戦略推進会議の下にイノベーション政策強化推進のための有識者会議「核融合戦略」を設置。
  • フュージョンエネルギーを新たな産業として捉え、産業協議会の設立や、スタートアップやアカデミアによる開発の支援強化、安全規制に関する議論、人材育成等の取組などを進める『フュージョンエネルギー・イノベーション戦略』を策定し、2023年4月14日に政府として決定。
  • これまでは核融合と呼んできたが、欧米は学術分野では「nuclear fusion」、エネルギー分野では「fusion」を使用しており、ウランやプルトニウムを用いる核分裂と全く異なる核融合の特性も踏まえ、国外への発信も考えた結果「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」という名称にした。
  • 同戦略の発表後、フュージョンエネルギー分野で高い技術力を誇る日本企業に対する投資が急増して資金調達が容易になった他、国際的なプロジェクトへの参加も進んでいる。
  • 戦略に基づき、フュージョンエネルギー産業協議会(通称:J-Fusion)を設立し、フュージョンエネルギーの産業化に向けた取り組みを加速。
  • 2024年度中の安全確保の基本的な考え方の策定を目指し、2024年5月に「フュージョンエネルギーの実現に向けた安全確保の基本的な考え方検討タスクフォース」の第1回と第2回の会議を有識者会議の下に開催。

 

 

 2.『量子未来産業創出戦略』の策定と推進

 

(経緯)

  • 2022年10月~2023年3月 有識者会議「量子技術イノベーション会議」を開催
  • 2023年3月27日 理化学研究所にて、国産量子コンピュータ初号機が稼働
  • 2023年4月14日 『量子未来産業創出戦略』を策定(統合イノベーション戦略推進会議決定)
  • 2023年5月14日 「G7科学技術大臣会合」の公式サイドイベントとして、ハイレベル会合「量子技術が切り拓く未来」を開催
  • 2023年5月31日 第15回「量子技術イノベーション会議」を開催(量子技術イノベーション拠点に東海国立大学機構を追加)
  • 2023年10月5日 富士通が、理化学研究所の支援を得て、国内民間企業として初となる量子コンピュータを開発、公開
  • 2023年12月20日 大阪大学に設置した超伝導量子コンピュータ国産3号機のクラウドサービスを開始
  • 2024年5月10日 スーパーコンピュータ「富岳」と量子コンピュータ「叡」の連携利用を実証

 

(概要)

  • 量子技術は、将来の産業や社会を大きく変革させる革新技術であり、経済安全保障の観点においても、我が国が保有しておくべき重要な最先端技術である。
  • 量子産業をめぐる国際競争の激化など外部環境が変化する中で、我が国の優位性を獲得し、将来の社会実装や量子産業の強化を実現すべく、2022年4月に策定された『量子未来社会ビジョン』に掲げた2030年の状況「国内の量子技術の利用者を1,000万人」、「量子技術による生産額を約50兆円規模」、「量子ユニコーンベンチャー企業を創出」などを実現するための道筋や、量子技術の実用化・産業化に向けたを検討のため、有識者会議の下に、産学官の有識者で構成する量子技術の実用化推進ワーキンググループを設置した。
  • 重点的・優先的に取り組むべき課題を整理し、それぞれに対する基本対応方針を、(1)ユースケース作り支援、(2)利用環境整備、(3)事業リスク対応、(4)ベンチャー・新事業創出、(5)産業人材育成の別に討議し、分野別の取組方針を2023年3月22日、有識者会議にて『量子来産業創出戦略(案)』として取りまとめた。
  • 『量子技術イノベーション戦略』の推進の成果として、2023年3月27日には、理化学研究所において、国産量子コンピュータ初号機が稼働・公開された。
  • 2023年4月14日、量子技術の実用化・産業化に向けた方針や実行計画を示した戦略として、『量子未来産業創出戦略』を統合イノベーション戦略推進会議で決定した。
  • 「G7科学技術大臣会合」の公式サイドイベントとして、ハイレベル会合「量子技術が切り拓く未来」を開催。米国、ヨーロッパ、カナダ、日本の産業団体Q-STARと、最新の活動状況、各国の量子技術に関する取組とその重要性を共有した。
  • 各国での国家戦略の策定、国際連携の活発化など、我が国を取り巻く状況の大きな変化を受け、『量子産業創出戦略』における国際連携に関する取組をさらに強化するため、2024年4月9日に有識者会議が『量子産業の創出・発展に向けた推進方策』を統合イノベーション戦略推進会議に報告した。

 

 

3.AIに関する対応の強化

 

(経緯)

  • 2023年4月13日 高市早苗大臣から大臣秘書官室を通じて担当部局に対して、生成AIに関して、研究開発のみならず、安全保障など多様な観点からの議論が可能な体制の構築に向けた検討を指示(同趣旨を高市早苗大臣から松野官房長官にも要請)
  • 2023年4月24日 「第1回AI戦略チーム」会合の開催
  • 2023年5月11日 新たに「AI戦略会議」を設置し、開催(2024年1月までに7度開催)
  • 2023年5月26日 『AIに関する暫定的な論点整理』の取り纏め
  • 2023年9月8日 AI戦略会議(第5回)開催。冒頭高市大臣より、R6年度概算要求としてAI関連予算が1,600億円を超えて、前年度に比べて4割増となった旨発言
  • 2023年10月17日 「CEATEC2023」にて「AIがもたらす社会変革」と題して講演
  • 2023年11月22日 経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)において、「人工知能(AI)が浸透するデータ駆動型の経済社会に必要なAIセキュリティ技術の確立」の公募開始
  • 2023年12月21日 AI戦略会議(第7回)開催。冒頭高市大臣より、R5年度補正予算が成立してAI関連予算として約3,000億円が確保された旨発言
  • 2024年1月29日 経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)において、「偽情報分析に係る技術の開発」の公募開始
  • 2024年2月14日 内閣府をはじめとする関係省庁、関係機関の協力の下、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)に、AIセーフティ・インスティテュートを設置
  • ・2024年5月22日 AI戦略会議(第9回)を開催。重要分野(金融、運輸、医療等)におけるガイドラインの履行確保のあり方等の基礎的な調査を踏まえて取りまとめた「AI制度に関する考え方」について会議で了承。

 

(概要)

  • 昨今の生成AIを巡る技術革新は、生産性の向上や労働力不足の解消など様々なメリットをもたらす一方、偽情報の拡散をはじめ様々なリスクも存在する。
  • こうした生成AIに関する多岐にわたる課題へ対応するため、2023年5月に、有識者で構成されるAI戦略会議を設置し、「AIに関する暫定的な論点整理」を取りまとめ、AIのリスクへの対応や利用促進、開発力強化に取り組んできた。
  • 他方、急速に発展する生成AIは、国際社会にとっても重要な課題であり、2023年5月のG7広島サミットにおいて、広島AIプロセスを立ち上げ、日本がG7議長国として、国際的な議論をリードし、2023年12月に、安心、安全で信頼できるAIの実現に向けた「広島AIプロセス包括的政策枠組み」の合意を支援してきた。
  • また、経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)では、2023年11月に「人工知能(AI)が浸透するデータ駆動型の経済社会に必要なAIセキュリティ技術の確立」の公募を開始したことに加えて、第二次研究開発ビジョンに基づく「偽情報分析に係る技術の開発」についても2024年1月に公募を開始した。
  • 2024年5月のAI戦略会議で了承された「AI制度に関する考え方」や国際的な動向等を踏まえながら、関係省庁と連携して、制度の在り方について検討を行っている。

 

 

4.スタートアップ支援

 

(経緯)

  • 2022年10月28日 『物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策』における措置として、「SBIR制度の抜本拡充」を行った
  • 2023年2月15日 高市早苗大臣から「第5回日本オープンイノベーション大賞」表彰式において、内閣総理大臣賞と科学技術政策担当大臣賞を授与
  • 2023年6月9日 「令和5年度特定新技術補助金等の支出の目標等に関する方針について」「指定補助金等の交付等に関する指針について」を閣議決定
  • 2024年2月14日 高市早苗大臣から「第6回日本オープンイノベーション大賞」表彰式において、内閣総理大臣賞と科学技術政策担当大臣賞を授与
  • 2024年6月4日 「令和6年度特定新技術補助金等の支出の目標等に関する方針について」「指定補助金等の交付等に関する指針について」を閣議決定

 

(概要)

  • 内閣府では、2019年に『Beyond Limits. Unlock Our Potential.~世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点戦略~』を策定し、都市や大学を巻き込み、起業家教育やアクセラレータ機能を抜本的に強化すること等を通じて、起業家がこれまでの制約を超越し (Beyond Limits) 、日本の潜在能力を開放する(Unlock Our Potential) 、スタートアップ・エコシステムの拠点を形成を推進している。
  • 2021年4月の改正法施行により、日本版SBIR制度を抜本改正し、内閣府を司令塔とした予算支出目標を設定し、研究開発初期段階から政府調達・民生利用まで、各省庁連携で一貫支援して、イノベーション促進、ユニコーン創出を目指している。
  • 2022年10月28日に閣議決定した『総合経済対策』においても、SBIRの抜本拡充が位置付けられており、支援対象に新たに「先端技術分野の実証フェーズ」を追加し、スタートアップ等による先端技術分野の技術実証の成果の社会実装を推進することを決定し、令和4年度第2次補正予算2,060億円を措置した。
  • さらに、我が国のオープンイノベーションをさらに推進するために、組織の壁を越えて知識や技術、経営資源を組み合わせるような今後のロールモデルとして期待される先導性や独創性の高い取組を表彰する「日本オープンイノベーション大賞」といった取組も行い、有望なスタートアップを表彰している。
  • このような取組を通じ、社会のニーズを原動力として課題の解決に挑むスタートアップを次々と生み出し、企業、大学、公的研究機関等が多様性を確保しつつ相互に連携して価値を共創する新たな産業基盤が構築された社会を目指していく。

 

 

5.大学の研究力強化

~10兆円ファンド、地域大学パッケージ改定、PEAKS~

 

(経緯)

  • 2022年11月8日 CSTI本会議で、『国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進に関する基本的な方針』『国際卓越研究大学研究等体制強化助成の実施に関する方針』について持ち回り審議。
  • 2022年12月23日 「国際卓越研究大学」の対象大学の公募を開始。(文科省)、「大学支援フォーラムPEAKS」全体会合を開催。
  • 2023年2月8日 『地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ』を改定(CSTI本会議決定)
  • 2023年3月31日 「国際卓越研究大学」の公募締切。10大学(早稲田、東京科学(仮称)、名古屋、京都、東京、東京理科、筑波、九州、東北、大阪)が申請。
  • 2023年4月21日 「第1回国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)」を開催
  • 2023年5月16日 「第2回国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)」を開催
  • 2023年6月2日、9日、16日、23日 「第3回国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)」を開催(10大学に対し面接審査を実施)
  • 2023年7月18日、19日、21日 「第4回国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)」を開催(3大学の現地視察を実施)
  • 2023年9月1日 国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)として総括審議を行った結果、一定の条件を満たした場合に認定するという留保を付して、東北大学について、国際卓越研究大学の認定候補に決定。
  • 2023年12月13日 「国立大学法人法の一部を改正する法律」の成立(文科省)
  • 2024年2月14日 「第6回国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)」を開催(東北大学の体制強化計画についてヒアリング・審議)
  • 2024年2月20日 『地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ』を改定(CSTI本会議決定)
  • 2024年3月1日 「大学支援フォーラムPEAKS」全体会合開催
  • 2024年5月24日 「第7回国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)」を開催(東北大学の体制強化計画についてヒアリング・審議)
  • 2024年6月3日 CSTI本会議にて『国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進に関する基本的な方針のを改訂』について審議。
  • 2024年6月14日 国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)審査結果が公表され、東北大学について、国際卓越研究大学の認定及び体制強化計画の認可の水準を満たし得るものとの結論。

 

(概要)

  • 多様性や卓越性を持った「知」を創出し続ける世界最高水準の研究力を取り戻すためには、我が国の基礎研究や学術研究の中核を担う大学の変革が必要である。
  • 政府では、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学を「国際卓越研究大学」として認定し、当該大学が作成する体制強化計画に対して、「大学ファンド(10兆円ファンド)」による助成を実施することとしている。2022年11月には、その基本方針及び助成の実施方針について、「総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)」で審議。2024年6月には、基本方針の改訂についても審議を行った。また、審査においても、文部科学省に協力。(アドバイザリーボードにCSTI有識者議員が4名参加。)
  • 2023年9月に東北大学が国際卓越研究大学の認定候補大学に決定した。その後アドバイザリーボードにて体制強化計画の磨き上げを行い、2024年6月に審査結果が公表され、国際卓越研究大学の認定及び体制強化計画の認可の水準を満たし得るものとの結論を得た。今後、文部科学大臣による認定を経て、支援開始は2024年度中を予定している。
  • 意欲ある多様な大学が、それぞれの強みや特色を十分に発揮して社会変革を牽引し、我が国の大学全体の研究力の向上を図るため、2022年2月に『地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ』を策定。2023年2月には、『地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ』を改定。更なる支援の拡充に向けた「量的拡大」と、目指すべき大学像の明確化や各府省の事業間の連携強化等「質的拡充」を図り、2024年2月には、新たな政府予算案の反映や対象事業の追加、参考事例の修正を行う等、同パッケージの改定を行った。
  • 今後、大学ファンドと総合振興パッケージを「車の両輪」として同時に推進することで、我が国全体の研究力の底上げが期待される。
  • この他、2022年12月、2024年3月には、イノベーション創出につながる好事例の共有や次世代の経営層の育成等を目的として産業界、大学等、政府関係者から成るフォーラム「大学支援フォーラムPEAKS」の全体会合(年次総会)を開催。2022年12月には主催者を代表して挨拶。

 

 

6.『統合イノベーション戦略2023』の策定

 

(経緯)

  • 2023年2月8日 『統合イノベーション戦略2023』に向けた方向性を提示
  • 2023年6月9日 『統合イノベーション戦略2023』の閣議決定

 

(概要)

  • 2023年2月のCSTI本会議では、国内外の情勢に鑑み、「科学技術・イノベーション」への期待が高まっていることを踏まえ、「3つの基軸」を政策の中心に取組を強化していくという『統合イノベーション戦略2023』の方針を、高市早苗大臣から示した。
  • 2023年6月9日には、『統合イノベーション戦略2023』を閣議決定した。
  • 『統合イノベーション戦略2023』では、国内外の情勢に鑑み、「科学技術・イノベーション」への期待が高まっていることを踏まえ、次の「3つの基軸」に沿って実効性のある政策を強力に推進することとしている。
 

①量子など先端技術の社会実装・実用化の加速や、将来のクリーンエネルギーとして期待されるフュージョンエネルギーに関する産業を興す上で必要となる新たな戦略の策定(※策定済)や生成AIを契機とした対応強化、経済安全保障強化に向けたKProgramの推進をはじめとする「先端科学技術の戦略的な推進」

 

②国際卓越大学と地域中核大学支援の両輪による研究力強化や、博士課程学生など高度人材育成と活躍促進、G7を契機としたパートナー国との連携強化や、国際頭脳循環形成、学術ジャーナルを巡る対応強化をはじめとする「知の基盤と人材育成の強化」

 

③ディープテックをはじめとするスタートアップの徹底支援やグローバル・スタートアップ・キャンパス構想実現に向けた本格始動をはじめとする「イノベーション・エコシステムの形成」

  • また、これらの基軸を支えるべく急速な情勢変化に機動的に対応し国家的重要課題を達成する為に、優れた人材の流動性促進を図りつつ、我が国の政策展開の基盤である国立研究開発法人や資金配分機関の強化等を推進することとしている。
  • これら取組の具現化を図り、「国家的重要基盤を支え、社会課題を成長のエンジンに転換する科学技術・イノベーション」を実現していく。

 

 

7.『統合イノベーション戦略2024』の策定

 

(経緯)

  • 2024年2月20日 『統合イノベーション戦略2024』に向けた方向性を提示
  • 2024年6月4日  『統合イノベーション戦略2024』の閣議決定

 

(概要)

  • 2024年2月20日のCSTI本会議では、グローバルな視点で研究力や産業競争力、経済安全保障への対応を一層強化していくことが重要であるとの観点から、国際社会との連携を強化していくことや、テクノロジーの社会実装を加速させていくことが必要であるという『統合イノベーション戦略2024』の方針を高市早苗大臣から示した。
  • 2024年6月4日には、『統合イノベーション戦略2024』を閣議決定した。
  • 『統合イノベーション戦略2024』では、次の「3つの強化方策」を打ち出すとともに、従来からの「3つの基軸」についても引き続き着実に推進することとしている。
 

①コア技術の開発や他の戦略分野との融合による研究開発、国内産業基盤の確立、スタートアップ等によるイノベーション促進、産学官を挙げた人材の育成・確保の推進をはじめとする「重要技術に関する統合的な戦略」

 

②国際的なルールメイキングの主導・参画や、経済安全保障政策との連携強化、グローバルな視点でのリソースの積極活用、戦略的な協働をはじめとする「グローバルな視点での連携強化」

 

③AIのイノベーションとAIによるイノベーション、AIの安全・安心の確保、国際的な連携・協調の推進をはじめとする「AI分野の競争力強化と安全・安心の確保」

  • 従来からの「3つの基軸」については、AI、フュージョンエネルギー、量子、バイオ、マテリアル等の重要分野を始め、経済安全保障等に係る取組、研究開発・社会実装を戦略的に推進するとともに、大学ファンドや地域中核大学、先端大型施設等を通じた研究力の強化、研究者・博士人材支援や教育の充実を推進することとしている。さらに、研究開発型スタートアップの支援や、都市・地域・大学等の連携、人材・技術・資金の好循環促進により、イノベーション・エコシステムの形成を推進することとしている。

 

 

8.省庁横断的に、研究開発から社会実装までを強力に推進

~SIP・BRIDGE~

 

(経緯)

  • 2022年10月 SIP第2期自動運転の「SIP-adus Workshop 2022」に高市早苗大臣の動画メッセージを送り、各国等の代表者や専門家の参加への歓迎と、自動運転の研究開発に関する協力に対する謝意のほか、SIP自動運転で行った研究開発、技術の標準化、国際連携等について発言
  • 2022年12月  CSTI本会議で『SIP第3期』及び『BRIDGE』に関する制度改正を実施
  • 2023年1月27日 大臣記者会見で、「SIP第3期14課題」及び「BRIDGE令和5年度重点課題」の決定を発表
  • 2023年2月8日 CSTI本会議において「SIP第3期の14課題の決定」について報告
  • 2023年3月16日 ガバニングボードで「プログラムディレクター(PD)」及び「研究計画」を決定
  • 2023年3月17日 大臣記者会見で「PD及び研究計画の決定」を発表
  • 2023年4月21日 高市早苗大臣からSIP第3期PDに辞令を交付
  • 2023年6月27日 BRIDGE令和5年度6月配分施策33件の決定を発表

 

(概要)

  • 『SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)』は、内閣府が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより、PDを中心に産学連携を図り、基礎研究から実用化・事業化、すなわち出口までを見据えて一気通貫で研究開発を推進するために2014年度に創設した国家プロジェクトである。
  • SIP第2期(2018~2022年度)では、自動運転、光・量子、防災・減災、AIホスピタル等、我が国が抱える社会課題の解決や産業競争力の強化のための12課題を実施し、成果の社会実装を推進。
  • SIP第3期(2023~2027年度)では、技術開発のみならず、事業、制度、社会的受容性、人材の5つの視点から、関係省庁の取組と連携しながら、プログラムを立ち上げ。新たな試みとして5つの視点からの成熟度レベル(XRL)を導入し、社会情勢の変化や研究開発の進捗を踏まえ、アジャイルにプログラムを運用する。
  • 令和5年度から、『PRISM』を見直した『BRIDGE(橋渡しプログラム)』を立ち上げ、CSTIの司令塔機能を生かし、各省庁施策のイノベーション化に向けた重点課題を設定し、DX化などの政策転換やスタートアップ事業創出などの各省庁の取組を加速。重点課題はCSTIガバニングボードにおいて、毎年度定めることとしている。

 

 

9.科学技術関係予算(R4補正予算、R5当初予算、R5補正予算、R6当初予算)の拡充

 

(経緯)

  • 令和4年度補正予算(2022年11月8日閣議決定、2022年12月2日成立)
  • 令和5年度予算(2022年12月23日閣議決定、2023年3月28日成立)
  • 令和5年度補正予算(2023年11月10日閣議決定、2023年11月29日成立)
  • 令和6年度予算(2023年12月22日閣議決定、2024年3月28日成立)

 

(概要)

  • 米中をはじめ諸外国において科学技術・イノベーションへの投資が大きく伸びている中、し烈な国家間競争を勝ち抜くため、官民が連携・協力して科学技術・イノベーションへの大胆な投資を行うことは、極めて重要。『第6期科学技術・イノベーション基本計画』においては、5年間の研究開発投資について、政府全体で約30兆円、官民合わせた総額は約120兆円という、前回の基本計画を大幅に上回る規模の目標を定めている。
  • 2022年10月28日に閣議決定した『総合経済対策』では、「科学技術・イノベーション(重要技術の育成、国際共同研究強化等)」が重要な柱として位置づけられた。
  • 補正予算全体の規模では、令和4年度第2次補正予算(2022年11月8日閣議決定、2022年12月2日成立)が約29.0兆円と、令和3年度第1次補正予算の約31.6兆円よりも小さい中で、科学技術関係予算については、令和3年度第1次補正予算の約3.6兆円(全体の約11.4%)を約1兆円上回る約4.6兆円(全体の約15.9%)の計上を実現。
  • 2022年11月22日に開催された経済財政諮問会議では、科学技術政策担当大臣として、「初の国産量子コンピュータの稼働」や「核融合発電の実現に向けた取組の加速」のほか、「K Program等に関する今後の科学技術・イノベーション政策の方向性」についてプレゼンを行い、科学技術関係予算の拡充を訴えた。
  • 令和5年度予算(2022年12月23日閣議決定、2023年3月28日成立))においても、量子コンピュータ・スーパーコンピュータの組み合わせによる研究DX基盤の高度化に向けた予算を新たに計上するなど、科学技術関係予算の拡充(前年度比397億円増:約1%増)を実現。
  • 2023年4月26日に開催された経済財政諮問会議では、科学技術政策担当大臣として、
  • 科学技術を質・量ともに高めるためには、補正予算による大型の予算措置も重要だが、当初予算を計画的に措置し、その中で最大限の効果を出していくこと必要があると、科学技術関係予算の安定的な計上を訴えた。
  • 2023年11月2日に閣議決定した『総合経済対策』では、「科学技術・イノベーション(ムーンショット型等の研究開発(核融合追加、生成AI等)」が重要な柱として位置づけられた。
  • 令和5年度補正予算(2023年11月10日閣議決定、2023年11月29日成立)では、令和4年度第2次補正予算(2022年11月8日閣議決定、2022年12月2日成立)における約4.6兆円計上に続き、科学技術関係予算の確保に注力。特に我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指すムーンショット型研究開発制度に新目標のフュージョンエネルギーを追加するなど2,144億円の追加計上を実現。
  • 令和6年度予算(2023年12月22日閣議決定、2024年3月28日)においても、世界最高水準の大型研究施設の整備や生成AIをはじめとするAI開発力の強化に向けた事業の実施に必要な額を計上したことなどによって、『第6期科学技術・イノベーション基本計画』における5年間の研究開発投資(政府全体)約30兆円の目標を前倒しで達成するなど、科学技術関係予算の拡充に注力。

 

 

10.『バイオ戦略』の推進

 

(経緯)

  • 2022年12月 「地域バイオコミュニティ」の認定
  • 2024年6月 「バイオエコノミー戦略」の策定

 

(概要)

  • 『バイオ戦略』は、「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現すること」を目標に、持続可能性、循環型社会、健康(ウェルネス)をキーワードに、産業界、大学、自治体等の参画も得て推進しているイノベーション戦略(統合イノベーション戦略推進会議決定)。
  • 「統合イノベーション戦略推進会議」の司令塔機能を強化するため、この枠組みの下、「バイオ戦略タスクフォース」及び「バイオ戦略有識者会議」を設置している。
  • 『バイオ戦略』に基づき、2030年に総額92兆円規模のバイオ関連市場を創出すべく、関係府省が「バイオ製造」、「一次生産等」、「健康・医療」等のバイオ関連市場の拡大に向けた取組を推進している。
  • さらに、内閣府では、バイオ関連市場の拡大に向けて、国内外から人材・投資を呼び込み、各市場領域における製品・サービスの提供体制を強化し、世界市場に進出するための方策として、「バイオコミュニティの形成」を進めている。
  • これまで、グローバルバイオコミュニティ2拠点(東京圏、関西圏)、地域バイオコミュニティ6拠点(北海道、鶴岡、長岡、広島、福岡、沖縄)を審査に基づき認定した。認定バイオコミュニティ間のみならず、一般社団法人日本経済団体連合会バイオエコノミー委員会や一般財団法人バイオインダストリー協会などの国内のバイオ産業関係団体との広範な連携が進んでいる。
  • 「バイオエコノミー」については、我が国産業界の注目も高まりつつあり、日本経済団体連合会(経団連)からの依頼に基づき、科学技術担当大臣として、同会の機関紙(2023年5月号)にバイオ戦略の推進について寄稿し、バイオ戦略への理解の促進に努めた。
  • 海外(米・英・欧・中)におけるバイオ分野における戦略の策定・見直しや、バイオ分野における技術動向や施策の進展(2022年度補正予算により「バイオものづくり」などが措置(総額約1兆円))を踏まえ、バイオ戦略の見直しに係る検討を実施。
  • 2024年6月に、統合イノベーション戦略推進会議にて、「バイオエコノミー戦略」として決定。

 

【バイオエコノミー戦略の主なポイント】

  • 主に下記の点を見直し、2030年にバイオエコノミー市場規模:100兆円を目指す。
  ①バイオものづくり・バイオ由来製品分野: 技術的な進展により、素材・プラスチックに留まらない幅広い製品の生産が可能になっていることを踏まえ、従来の製品市場領域を統合・拡大するとともに、基盤技術や革新的技術開発に加え、バイオ由来製品の市場化に向けた取組を強化。
  ②一次生産等(農林水産)分野: スマート農業、みどりの食料システム戦略に加え、産業界の関心が高いフードテックの取組を強化。スギ花粉の発生源対策の観点も含めて木材活用大型建築の拡大に向けた取組等を強化。
  ③バイオ医薬品・再生医療等、ヘルスケア分野: 次世代医療につながる革新的な研究開発・融合研究・製造拠点整備の推進や、創薬ベンチャー育成の取組などの強化。ヘルスケアについては、同分野への参入を促す基盤として、データ連携の推進などの取組を強化。
  ④基盤的施策: 若手研究者の研究環境改善、データベースの整備、バイオインフォマティクス人材育成、バイオコミュニティ等の産学官金が連携した取組を強化。

 

 

11.国際的な科学技術協力の強化

 

(経緯)

  • 2022年9月29日 メッサ伊国大学・研究大臣との会談
  • 2022年10月1日 「第19回国際科学技術関係大臣会合」を主宰
  • 2022年10月1日 ガブリエル欧州委員(イノベーション・研究・文化・教育・青少年担当)との会談
  • 2022年10月25日 G7科学技術大臣会合を、2023年5月12日から14日に開催すること、及び正式名称を「G7仙台科学技術大臣会合」とすることを発表
  • 2022年11月7日 パケ駐日EU大使との会談
  • 2022年12月13日 フリーマン英国ビジネス・エネルギー・産業戦略閣外大臣との会談
  • 2022年12月16日 プラバカ-米国大統領府科学技術政策局長との会談(オンライン)
  • 2023年5月12日~14日 「G7仙台科学技術大臣会合」で議長を務める
  • 2023年5月16日 「日米科学技術協力合同高級委員会」を開催
  • 2023年10月1日 「第20回国際科学技術関係大臣会合」を主宰

 

(概要)

  • 気候変動、感染症、スペースデブリの増加など、グローバルな課題解決のためには、科学技術の適切な活用とともに、国際的に連携して取り組むことが不可欠である。
  • 2022年10月には、「第19回国際科学技術関係大臣会合」を、対面とオンラインのハイブリッドにより主宰し、約50カ国の科学技術大臣等の参加を得て、ポストコロナ社会における広範な研究開発の取組、科学的知識や知見の共有、これらを踏まえた国際連携の推進等について活発な議論を行った。
  • 2023年5月12日~14日に開催された「G7科学技術大臣会合」では、議長を務めた。会合では、「信頼に基づく、オープンで発展性のある研究エコシステムの実現」をメインテーマとし、「科学研究の自由と包摂性の尊重とオープン・サイエンスの推進」、「研究セキュリティとインテグリティの取組による信頼ある科学研究の促進」、「地球規模課題解決に向けた科学技術国際協力」について議論を行い、G7各国及びEUとの間で、今後の科学技術政策に関する方向性の共通認識を得た。そして本会合の成果文書として、『G7科学技術大臣の共同声明』を発出した。
  • G7各国の科学技術大臣と、今後の我が国の科学技術政策等に資する意見交換(加、英、独、伊、仏)を実施した。東日本大震災の被災地で開催された唯一のG7関係閣僚会合として、各国代表団に震災遺構や東北大学災害科学国際研究所を視察していただいた。
  • 2023年10月には、「第20回国際科学技術関係大臣会合」を対面で主宰し、20カ国以上の科学技術大臣等の参加を得て、「オープンサイエンス」及び「国際頭脳循環」の推進に向けて活発な議論を行った。

 

 

12.原子力の平和利用

 

(経緯)

  • 2022年9月26日 「IAEA総会」で、日本国政府を代表して一般討論演説(ビデオ演説)
  • 2022年10月31日 「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合」で、主催国として開会挨拶(上坂充原子力委員会委員長による代読)
  • 2023年2月20日 『原子力利用に関する基本的考え方』の原子力委員会決定
  • 2023年2月28日 『原子力利用に関する基本的考え方』の閣議尊重決定
  • 2023年5月31日 『原子力基本法』の改正を含む『脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律』が成立
  • 2023年7月27日『原子力白書(令和4年度版)』の原子力委員会決定
  • 2023年7月28日 『原子力白書(令和4年度版)』の閣議配布
  • 2023年9月25日 「IAEA総会」で、日本国政府を代表して、一般討論演説、IAEAグロッシー事務局長、米国フルービー国家核安全保障庁長官やフランスジャック原子力・代替エネルギー長官との会談、政府代表主催レセプション等でのご挨拶を実施
  • 2023年11月28日 「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合」で、主催国として開会挨拶(上坂充原子力委員会委員長による代読)

 

(概要)

  • 2017年7月に初めて策定した『原子力利用に関する基本的考え方』は、原子力を取り巻く環境変化などを踏まえて、5年を目途に見直し・改定されることとなっており、今後の原子力政策について政府としての長期的な方向性を示す羅針盤となるものである。
  • エネルギー安定供給不安やカーボンニュートラルに向けた動きの拡大などの原子力を取り巻く現状と環境変化を踏まえ、原子力委員会において、およそ1年間にわたり有識者や関係省庁からヒアリング・議論を行い、2023年2月20日には、『原子力利用に関する基本的考え方』を改定し(原子力委員会決定)、2023年2月28日には、閣議で尊重する旨が決定した。
  • 『原子力利用に関する基本的考え方』も踏まえ、エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立に向けた、『原子力基本法』の改正を含む『脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律』が、2023年5月31日に成立した。
  • 我が国の原子力利用に関する現状及び取組の全体像について、国民の皆様に対する説明責任を果たしていく為に、2023年7月27日に、原子力委員会において『令和4年度版原子力白書』を取り纏め、2023年7月28日に閣議配布を行った。
  • グローバル化の中での原子力の平和利用においては、国内外での連携や協力は不可欠であり、我が国では途上国や先進国との間で二国間、多国間の協力を推進するとともに、国際機関の活動にも積極的に関与し、原子力の平和的利用の促進に取り組んでいる。
  • 2023年9月、第67回国際原子力機関(IAEA)総会へ出席。総会では日本国政府を代表して、一般討論演説を行い、北朝鮮やイランの非核化を含む核不拡散問題や、ウクライナの原子力施設の安全確保に向けたIAEAの取組への支援等について我が国のスタンスを発信した。特に、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水については、IAEAのレビュー結果として、関連する国際安全基準に合致しており、人及び環境に対し無視できるほどの放射線影響となることが結論として示されたことを紹介しつつ、放出を開始して以降、IAEAがモニタリング結果を透明性高く迅速に確認・公表していることに感謝し、我が国として「最後の一滴」の海洋放出が終わるまで、安全性を確保し続けること等を発言。中国からは科学的根拠に基づかない発言があったが、それに対し、我が国の立場を明確に述べつつ反論を行った。

 

 

13.研究インテグリティの確保と徹底

 

(経緯)

  • 2023年6月15日 国立研究開発法人産業技術総合研究所の中国籍職員が『不正競争防止法』違反の容疑で逮捕
  • 2023年6月20日 閣僚懇談会において、高市早苗大臣から関係閣僚に対して、所管する大学や研究機関における研究インテグリティの確保の徹底を依頼
  • 2023年6月20日 高市早苗大臣名で『研究インテグリティの取組の徹底について』の通知を、各省の国立研究開発法人担当局長宛に発出
  • 2023年6月29日 『研究インテグリティの確保のためのリスクマネジメント』(事務連絡)を発出
  • 2023年6月29日 「第16回国立研究開発法人協議会総会」において、内閣府職員から国立研究開発法人の理事長等に対して、研究インテグリティの確保と情報管理の徹底を依頼
  • 2023年7月5日 中国籍職員が起訴され、同日付けで懲戒解雇処分されるととともに、国立研究開発法人産業技術総合研究所HPにおいて再発防止策をプレスリリース
  • 2023年8月以降 政府との連携の下、国立研究開発法人協議会が設置した「研究インテグリティタスクフォース」をプラットフォームとして、国立研究開発法人産業技術総合研究所の再発防止策の横展開を含めた国立研究開発法人全体の研究インテグリティの確保・徹底を図るための議論を開始
  • 2023年12月27日 研究機関等の研究インテグリティフォローアップ調査結果を公表
  • 2024年2月22日 大学の研究インテグリティフォローアップ調査結果を公表
  • 2024年3月29日 研究セキュリティ・インテグリティの確保を含む国研の機能強化を図るため「国立研究開発法人の機能強化に向けた取組について」(関係府省申合せ)を策定・公表

 

(概要)

  • 産総研の中国籍職員逮捕事案を受け、2023年6月20日の閣僚懇談会において、大学や研究機関が『研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクに対する研究インテグリティの確保に係る対応方針について』(令和3年4月27日統合イノベーション戦略推進会議決定)に示された適切なリスクマネジメントを確実に行うことの必要性に言及。各閣僚が所管する大学や研究機関における研究インテグリティの確保の徹底を依頼した。
  • 2023年6月20日に、高市早苗大臣名で文部科学省高等教育局長及び国立研究開発法人所管省の担当局長宛に『研究インテグリティの取組の徹底について』の通知を発出した。技術流出事案の発生防止へ向けて、所管する大学や研究機関における研究インテグリティの確保を改めて徹底するよう依頼した。
  • 大臣名の通知を受け、2023年6月29日には、文部科学省高等教育局長および研究開発法人所管府省担当局長宛に、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官名で『研究インテグリティの確保のためのリスクマネジメントについて』の事務連絡を発出した。適切なリスクマネジメントを実施する為に、
 

①大学や研究機関が所属する研究者・職員から報告を受けた研究活動の透明性の確保に係る情報について、技術流出等のリスクのレベルに応じて、別途入手可能な情報等との比較など必要な確認を行う仕組み

 

②大学や研究機関がリスクを懸念する場合に、情報を把握し、対処する仕組み

  が重要であることを通知した。

  • 2023年6月29日に、大学や研究機関向けの『研究の国際化、オープン化に伴う新たなリスクに対するチェックリスト(雛形)』を改定した。
  • 2023年6月29日には、「国立研究開発法人協議会総会」において、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局より「研究インテグリティの確保」及び「国立研究開発法人の情報管理の徹底」を依頼した。
  • 2023年8月以降は、政府との連携の下、国立研究開発法人協議会が設置した「研究インテグリティタスクフォース」をプラットフォームとして、国立研究開発法人産業技術総合研究所の再発防止策の横展開を含めた国立研究開発法人全体の研究インテグリティの確保・徹底を図る為の議論が開始された。
  • 2023年12月27日に、国立研究開発法人を含む研究機関等を対象とした研究インテグリティフォローアップ調査結果を公表した。

 

 

14.『学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針』の策定

 

(経緯)

  • 2023年5月12日~14日 『G7科学技術大臣の共同声明』
  • 2023年10月30日 『公的資金による学術論文等のオープンアクセスの実現に向けた基本的な考え方』(総合科学技術・イノベーション会議 有識者議員)
  • 2024年2月16日 『学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針』(統合イノベーション戦略推進会議決定)

 

(概要)

  • 公的資金による論文や研究データ等の研究成果は国民に広く還元されるべきものであるが、その流通はグローバルな学術出版社等(学術プラットフォーマー)の市場支配の下に置かれ、学術ジャーナルの購読料などが高騰している。
  • 我が国の競争力を強化するためには、幅広い発信を通じて、研究成果が国民に還元され、様々な分野で活用されることが重要である。
  • 2023年5月12日~14日に開催され、高市大臣が議長を務めた「G7仙台科学技術大臣会合」の成果文書として発出した『G7科学技術大臣の共同声明』では、学術論文等の即時オープンアクセスの支援を含むオープン・サイエンスの推進が盛り込まれた。
  • 2023年5月20日に発出された『G7広島首脳コミュニケ』においても「オープン・サイエンスを推進する」ことが盛り込まれた。
  • 2023年6月9日に閣議決定した『統合イノベーション戦略2023』において、「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた国の方針を策定する」こととした。
  • 2023年6月16日に閣議決定した『経済財政運営と改革の基本方針2023』及び『新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版』において、学術プラットフォーマーへの対応等が明記された。
  • 2023年10月30日には国の方針に盛り込むべき事項として、総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員が、『公的資金による学術論文等のオープンアクセスの実現に向けた基本的な考え方』を取りまとめた。
  • 2023年11月29日に成立した令和5年度補正予算では、「オープンアクセス加速化事業」として100億円を確保した(文部科学省)。
  • 2024年2月16日に統合イノベーション戦略推進会議において、『学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針』を国の方針として決定した。

【知的財産戦略】

1.『大学知財ガバナンスガイドライン』(大学知財GGL)の策定

 

(経緯)

  • 2022年11月4日 「大学知財ガバナンスに関する検討会」設置
  • 2023年3月29日 『大学知財ガバナンスガイドライン(大学知財GGL)』を公表

 

(概要)

  • 『知的財産推進計画2022』に基づき、国際卓越研究大学に対する大学ファンドの支援や地域中核・特色ある研究大学において、研究成果の価値化・知財化が重要であることを踏まえ、大学において創出される知財がスタートアップにおける事業化につながるよう、スタートアップへの知財移転に係る新株予約権による適正な対価取得の在り方、事業化を見据えた質の高い権利を取得するための特許出願プロセスマネジメント、企業との共同研究成果の取扱いに関するルール等を内容とする『大学知財ガバナンスガイドライン』を策定し、全国の大学で浸透する仕組みを検討した。
  • 2022年11月より「大学知財ガバナンスに関する検討会」にて検討を行い、文部科学省及び経済産業省とともに『大学知財ガバナンスガイドライン(大学知財GGL)』を2023年3月に策定・公表した。『大学知財GGL』は、大学が有する多くのミッションの中でも、大学の知財の社会実装機会の最大化及び資金の好循環を達成しようとする場合に必要となる大学における知財マネジメント及び知財ガバナンスに関する考え方を示すものであり、『産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン(産学官連携GL)』の附属資料として、『産学官連携GL』と一体として大学において活用されることが期待される。
  • 『産学官連携GL』を踏まえた体制等の整備を要件としている「国際卓越研究大学制度」との連携や、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」との連携を通じ、『大学知財GGL』を全国の対象大学に浸透させる取組を進めている。
  • 2023年4月より、『大学知財GGL』を全国の対象大学に浸透させ、大学の知財ガバナンスの向上を図るため、産学連携関連の様々な学会やイベント、大学の産学連携関係者や知財関係者が集まる会議体、産業界の産学連携関係者や知財関係者が集まる会議体等で『大学知財GGL』についての講演やパネルディスカッション等を実施した(約20回)。
  • 2024年1月より、学術研究懇談会(RU11)及び地域中核・特色ある研究大学強化促進事業 2023年度採択校を含む全国の大学(全26校)との意見交換を実施するとともに、産業界や法曹界の知財関連団体や一部の企業との意見交換を進め、『大学知財GGL』の浸透状況の確認、『大学知財GGL』策定による効果の確認等を行った。その結果、多くの大学が『大学知財GGL』を参考に知財ガバナンスの見直しに着手し、項目ごとに具体的な効果が出始めていることが分かった。大学の研究成果に係る知財の社会実装機会の最大化及び資金の好循環の実現に向けて『大学知財GGL』が一定の効果を上げつつある。

 

 

2.『知的財産推進計画2023』及び『知的財産推進計画2024』の策定

 

(経緯)

  • 2023年1月20日 「第1回構想委員会」の開催
  • 2023年3月3日 「第2回構想委員会」の開催
  • 2023年4月24日 「第3回構想委員会」の開催
  • 2023年5月23日 「第4回構想委員会」の開催
  • 2023年6月9日 『知的財産推進計画2023』の決定(知的財産戦略本部決定)
  • 2023年11月30日 「第1回構想委員会」の開催
  • 2024年2月14日 「第2回構想委員会」の開催
  • 2024年4月26日 「第3回構想委員会」の開催
  • 2024年5月24日 「第4回構想委員会」の開催
  • 2024年6月4日  『知的財産推進計画2024』の決定(知的財産戦略本部決定)

 

 

(概要)

【知的財産推進計画2023】

  • 気候変動などの地球規模問題が深刻化する中、科学技術・イノベーションは、持続的な経済成長を実現する原動力であり、我が国の成長戦略の柱である。
  • 『知的財産推進計画2023』(2023年6月9日知的財産戦略本部決定)では、科学技術・イノベーションに関わる多様なプレイヤーが知的財産の利用価値を最大限に引き出す社会に向けて、今後、知財戦略を推進する際に重要となる政策課題と施策を、
  ①「スタートアップ・大学の知財エコシステムの強化」、
  ②「多様なプレイヤーが対等に参画できるオープンイノベーションに対応した知財の活用」
  ③「急速に発展する生成AI時代における知財の在り方」
  ④「知財・無形資産の投資・活用促進メカニズムの強化」
  ⑤「標準の戦略的活用の推進」
  ⑥「デジタル社会の実現に向けたデータ流通・利活用環境の整備」
  ⑦「デジタル時代のコンテンツ戦略」
  ⑧「中小企業/地方(地域)/農林水産業分野の知財活用強化」
  ⑨「知財活用を支える制度・運用・人材基盤の強化」
  ⑩「クールジャパン戦略の本格稼働と進化」

  の重点10施策に整理するとともに、施策の着実な実行に向けて、工程表を示した。

 

【知的財産推進計画2024】

  • 『知的財産推進計画2024』の策定に向けて、2023年11月30日に「第1回構想委員会」を開催し、生成AIの懸念・リスク等への対応等を論点として検討を開始した。
  • 我が国がイノベーション創出を牽引するために、国内のイノベーション投資の促進、知財・無形資産への投資による価値創造、技術流出の防止、標準の戦略的活用の推進、産学連携による社会実装の促進など、知的財産の創造、保護及び活用施策全般にわたり施策の見直しが必要ではないかという問題意識の下、今一度、「知的創造サイクル」という原点に立ち戻り、このサイクルを支える高度知財人材の戦略的な育成・活躍という「人材」の視点も入れ、「知的財産の創造」(第1章)、「知的財産の保護」(第2章)、「知的財産の活用」(第3章)、「高度知財人材の戦略的な育成・活躍」(第4章)の視点ごとに整理を行った。
  • また、第5章において、今般、策定した「新たなクールジャパン戦略」の概要を記載し、海外へのビジネス展開、デジタル・ビジネスへの対応等を内容とするコンテンツ戦略のほか、インバウンド誘致、農林水産物・食品の輸出、地域の魅力発信等の横断的な取組について整理した。

 

 

 

3.『知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドライン(知財・無形資産ガバナンスガイドライン)Ver.2.0』の策定

 

(経緯)

  • 2022年9月7日、10月7日、11月2日、11月22日、12月5日、12月19日 「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」を開催
  • 2023年1月17日、1月31日、2月14日、3月24日 「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」を開催
  • 2023年3月27日 『知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドラインVer.2.0』を公表
  • 2023年8月4日、2024年3月22日 「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」を開催

 

(概要)

  • コーポレートガバナンス・コード改訂を受け、企業がどのような形で知財・無形資産の投資・活用戦略の開示やガバナンスの構築に取り組めば、投資家や金融機関から適切に評価されるかについて分かりやすく示すために、『知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドライン(知財・無形資産ガバナンスガイドライン)』を策定している。
  • 本ガイドラインVer.1.0の公表(2022年1月)以降、企業は知財・無形資産の投資・活用戦略やその開示、ガバナンスについて前向きに取り組み始めているが、取組を進める中で投資家・金融機関からの評価につながらない点など様々な意見が出ていた。
  • また、知財・無形資産の投資・活用戦略への理解を投資家・金融機関に促す上では課題も多く、日本企業の特許出願件数は米国に次いで世界3位であるにもかかわらず、従来から問題視されているPBR1倍割れの企業が多い状況が続いていた。
  • こうした状況を踏まえ、Ver.1.0で提示した5つの原則、7つのアクションを堅持しつつ、企業と投資家・金融機関の思考構造のギャップを埋め、投資家に期待される役割を整理し、企業による知財・無形資産にかかる取組・開示が企業価値として顕在化する環境整備のため、本ガイドラインVer.2.0を公表した。企業と投資家との間の対話や情報開示の質を高めるためのコミュニケーション・フレームワークを提示している。
  • 本ガイドラインは、企業と投資家との間の対話や情報開示の質を高めるための基本的な枠組みを提示した経済産業省の『価値協創ガイダンス2.0』と併せて活用して頂くことにより、企業の情報開示や投資家等との対話の質を高めるための「共通言語」として効果的に機能することが期待される。
  • 国際会計基準の策定を担う IFRS財団では、2022 年 11 月に国際的なサステナビリティ基準を設定するため、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設立した。ISSBは 2023 年5月に、情報要請「アジェンダの優先度に関する協議」を公表し、2024 年からの2年間において優先すべき活動に関して意見を募集した。この意見募集に対し、検討会では、知財・無形資産への投資・活用がサステナビリティ課題の解決に必要不可欠である点などを主張するため、本ガイドラインを基にした意見書を提出した。
  • 今後は、国内外の動向を注視しながら、本 ガイドラインの普及を更に進めることにより、企業と投資家が建設的な対話を重ね、企業価値の創造と投資資金の獲得という好循環を実現することが重要である。

 

 

4.メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題等に関する論点の整理

 

(経緯)

  • 2022年11月21日 「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題への対応に関する官民連携会議」を設置
  • (2022年11月21日~2023年5月16日の間、親会議と分科会を、合計9回開催)
  • 2023年3月16日 『論点整理』素案の議論
  • 2023年4月21日 『論点整理』パブリックコメント開始
  • 2023年5月23日 『論点整理』を公表
  • 2024年2月13日 『論点整理』の主なポイントを公表

 

(概要)

  • コロナ禍に加速したデジタルシフトの流れとも相まって、様々な領域でのメタバースの活用が拡大している。
  • 一方で、メタバースの発展は、仮想空間上で「保有」されるデジタルオブジェクトやその取引行為、その他アバターを介して行う様々な行為等について、それらの法的位置付けや、その場を提供する事業者の法的責任など、メタバース空間内外での権利関係等をめぐり、新たな課題を生じさせるところともなっている。
  • これを受け、「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題への対応に関する官民連携会議」において、
 

①現実空間と仮想空間を交錯する知財利用、仮想オブジェクトのデザイン等に関する権利の取扱い(仮想空間における知財利用、権利者の権利保護等)

 

②アバターの肖像等に関する取扱い(なりすまし、盗用等)

 

③仮想オブジェクトやアバターに対する行為、アバター間の行為をめぐるルールの形成、規制措置等の取扱い(迷惑行為等)

  の3つを主要な課題として検討し、これらに対する現時点での論点整理を行い、基本的な法的考え方を整理するとともに、これをもとにプラットフォーマーや関係事業者、ユーザー、権利者等において留意すべき事項や、それぞれが講じ得る有効な対応方策について、「論点整理」として公表した。(「論点整理」については、周知資料(「論点整理のポイント」)も作成・公表。)

 

 

5.『新たなクールジャパン戦略』の策定

 

(経緯)

  • 2023年11月30日 「第1回構想委員会」の開催
  • 2023年12月22日 「第1回コンテンツ戦略ワーキンググループ・Create Japanワーキンググループ合同会議」開催
  • 2024年1月23日 「第2回コンテンツ戦略ワーキンググループ」の開催
  • 2024年2月1日 「第3回コンテンツ戦略ワーキンググループ」の開催
  • 2024年2月2日 「第2回Create Japanワーキンググループ」の開催
  • 2024年2月14日 「第2回構想委員会」の開催
  • 2024年2月28日 「第4回コンテンツ戦略ワーキンググループ」の開催
  • 2024年2月29日 「第3回Create Japanワーキンググループ」の開催
  • 2024年3月1日 「クールジャパン官民連携プラットフォーム意見交換会」の開催
  • 2024年4月9日 「第5回コンテンツ戦略ワーキンググループ・第4回Create Japanワーキンググループ合同会議」の開催
  • 2024年4月26日 「第3回構想委員会」の開催
  • 2024年5月24日 「第4回構想委員会」の開催
  • 2024年6月4日 『新たなクールジャパン戦略』の決定(知的財産戦略本部決定)

 

(概要)

  • 2019年9月の『クールジャパン戦略』の策定から、4年以上が経過し、アフターコロナを迎えるなど、クールジャパンを取り巻く国内外の情勢の変化を踏まえて、2024年6月4日に『新たなクールジャパン戦略』を策定した。
  • 戦略の策定に当たり、
 

①4回にわたる「構想委員会」と9回にわたる「ワーキンググループ」の開催

 

②新たな戦略に盛り込むべき政策事項等の意見募集

 

③クールジャパンの担い手との意見交換

 

などの取組を通じて、幅広い関係者から意見を聴くとともに、専門的な見地も含めた検討を踏まえて整理を行った。

  • 今回、クールジャパン戦略全体の目標として、
 

①クールジャパン関連産業を「基幹産業」として位置付け、海外展開を2033年までに50兆円以上に拡大すること

 

②各国・地域における「日本が大好き」という日本ファンの割合を2033年までに10ポイント増加させること

  との数値目標を定めた。
  • また、コンテンツについては、コンテンツ産業の構造改革を進めるとともに、クリエイターへの支援をはじめ、人材育成を強化していくこととし、インバウンド、食については、高付加価値化、マーケットの多様化を進めることとした。

 

 

6.AI時代の知的財産権検討会

 

(経緯)

  • 2023年10月4日 「第1回AI時代の知的財産権検討会」を開催
  ※  同年10 月5日から11 月5日にかけて、生成AIと知財をめぐる懸念・リスクへの対応やAI技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方について、意見募集を実施
  ※  第2回(2023年10月18日)及び第3回(同年11月7日)では、 権利者団体、産業界、特許庁からヒアリングを実施
  • 2023年12月11日  「第4回AI時代の知的財産権検討会」にて、コンテンツ産業や文化庁からヒアリングを実施するとともに、『論点整理(案)』について議論し、公表
  • 2024年1月26日 「第5回AI時代の知的財産検討会」にて、「残された課題」として、声や作風・労力の保護について、議論
  • 2024年3月21日 「第6回AI時代の知的財産権検討会」にて、経済産業省及び文化庁からヒアリングを実施するとともに、「中間とりまとめ骨子案」について、議論し、公表
  • 2024年4月22日 「第7回AI時代の知的財産権検討会」にて、「中間とりまとめ案」について、議論し、公表
  • 2024年5月28日 『AI時代の知的財産権検討会 中間とりまとめ』を公表

 

(概要)

  •  AIには、デジタル化・デジタル技術の活用を加速させ、我が国全体の生産性向上のみならず、様々な社会課題解決に資する可能性がある。他方、生成AIについては、様々なリスクの存在も懸念されており、そこには機密情報の漏洩等のリスクのほか、知的財産権侵害のリスクも含まれる。
  • このため、2023年10月に「AI時代の知的財産権検討会」を開催し、著作権を含む知的財産権全体と生成AIとの関係についての整理と、必要な方策等の検討を行い、その検討結果について、2024年5月に「中間とりまとめ」として公表した。
  • 「中間とりまとめ」では、AI技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方についての整理を行ったほか、リスクへの対応については、法・技術・契約の各手段を組み合わせて対応することの必要性を確認するとともに、「AI技術の進歩の促進」と「知的財産権の適切な保護」が両立するエコシステムの実現に向けて、AI開発者、AI提供者、AI利用者及び権利者等の各主体に期待される取組の例を示している。

【健康・医療戦略】

1.「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」(次世代医療基盤法)の改正

 

(経緯)

  • 2023年3月3日 『次世代医療基盤法改正案』を閣議決定・国会提出
  • 2023年4月7日 衆議院内閣委員会において提案理由説明
  • 2023年4月12日 衆議院内閣委員会において法案審議・可決
  • 2023年4月13日 衆議院本会議において法案審議・可決
  • 2023年5月9日 参議院内閣委員会において提案理由説明
  • 2023年5月16日 参議院内閣委員会において法案審議・可決
  • 2023年5月17日 参議院本会議において法案審議・可決
  • 2023年5月26日 改正法の公布

 

(概要)

  • 『次世代医療基盤法』(平成29年5月公布・平成30年5月施行)は、健診結果やカルテ等の医療情報を匿名加工し、医療分野の研究開発での活用を促進する法律であり、国民・患者の権利利益の保護に十分配慮しつつ、医療情報の利活用の更なる促進を実現しようとするもの。
  • 法施行から5年が経過し、約300万人分のデータが集まり、37件の研究に利用されるなど、徐々に研究利用が進んでいるが、データが匿名加工により大きく修正されるため研究に使いにくいことなどが指摘されていた。
  • このため、幅広い立場の有識者のご意見を聴きながら検討を進め、
  ①現行法の匿名加工医療情報では難しい希少な症例についてのデータ提供や同一対象群に関する継続的・発展的なデータ提供等を可能にするため、仮名加工医療情報の活用を図る仕組みの創設
  ②レセプト等の全国データベース(NDB)等、既存の公的データベースと匿名加工医療情報との連結解析の可能化
  等を実現するため改正法案を国会に提出した。
  • 2023年5月17日に改正法が成立し、2023年5月26日に公布した。
  • 本法改正により、個人の権利利益をしっかりと守りつつ、より有用な医療データを提供することが可能となる。薬事承認審査にも活用できる医療データや、診断支援AIの開発などにも役立つ画像データなども扱えるようになり、我が国の医療研究の発展に資するものと考える。
  • 現在、法施行(公布の日から1年を超えない範囲で、政令で定める日)までに、改正に伴う「事業者の認定基準」や「実際の仮名加工医療情報の提供に係る運用の詳細」について、下位法令等で定めるべく、具体的な検討を速やかに進めている。

 

 

2.令和6年度医療分野の研究開発関連予算の取りまとめ

 

(経緯)

  • 2023年8月25日 「第35回健康・医療戦略推進会議」において、議長として、各省から概算要求内容について報告を受ける
  • 2023年8月31日 「健康・医療戦略推進本部」において概算要求を取りまとめ、財政当局へ提出
  • 2023年12月22日 令和6年度予算案を閣議決定
  • 2024年1月26日 令和6年度予算案を国会提出
  • 2024年3月28日 令和6年度予算成立

 

(概要)

  • 医療分野の研究開発関連予算については、「健康・医療戦略推進本部(本部長:内閣総理大臣、副本部長:内閣官房長官及び健康・医療戦略担当大臣)」の下、政府としての配分の方針の決定・総合調整を行い、これを受けて、関係各府省において研究開発事業を推進している。
  • 概算要求に当たっては、「健康・医療戦略推進会議(議長:高市早苗健康・医療戦略担当大臣)」において各府省から要求内容に関する報告を受け、政府としての方針を確認した上で行っている。
  • 令和6年度の概算要求に当たっては、2023年8月25日に開催した「健康・医療戦略推進会議」において、特に認知症への対応として脳神経疾患に対応する研究開発を着実に進めていくとともに、我が国の強みを生かしたゲノム創薬や革新的な医薬品の創出について一層積極的に取り組むよう要請した。また、国民に届けられる研究成果が得られるよう、各省が連携し、一体となってかつスピード感を持って医療分野の研究開発を進めるよう指示した。
  • 「健康・医療戦略推進会議」を踏まえた概算要求を行い、令和6年度予算として前年度とほぼ同額となる2,049億円を確保。(令和5年度1次補正予算では679億円を確保。)
  • 今後とも研究成果を得られるよう、府省間の連携を意識しながらスピード感を持って医療分野の研究開発を推進していく。

 

 

3.『ワクチン開発・生産体制強化戦略』に基づく各事業の推進

 

(経緯)

  • 2022年8月26日 「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」における研究拠点を採択
  • 2022年10月~ 重点感染症に対するワクチンに関する研究(8課題)、ワクチン開発のための新規モダリティに関する研究(24課題)の開始

 

(概要)

  • 『ワクチン開発・生産体制強化戦略(2021年6月1日閣議決定)』に基づき、2022年3月に日本医療研究開発機構(AMED)内に設置された先進的研究開発戦略センター(SCARDA)の発足以降、今後の感染症危機に備えた国産のワクチン開発・生産体制が着々と強化されている。
  • 2024年1月時点におけるSCARDAの活動としては、
 

・重点感染症(コロナウイルス感染症、デング熱等)に対するワクチンの開発に関する研究(採択課題8件)、

 

・ワクチン開発のための新規モダリティに関する研究(採択課題24件)、

 

・フラッグシップ拠点(東京大学)をはじめとするワクチン開発のための世界トップレベルの研究開発拠点の形成、

 

が挙げられる。

  • 国内でワクチンを開発・生産できる体制を確立しておくことは、医療に関わる経済安全保障の点からも極めて重要であり、新型コロナワクチンの生産体制整備(厚生労働省)、デュアルユースのワクチン製造拠点の整備(経済産業省)などの関係府省の事業とも連携の上、取り組んでいく。

 

 

4.『アジア・アフリカ健康構想』『グローバルヘルス戦略』の推進

 

(経緯)

  • 2022年8月23日 「TICAD8公式サイドイベント」を主催
  • 2023年5月15日 「日印ヘルスケア合同委員会」を開催

 

(概要)

  • 我が国は、健康・医療分野のサービス・製品の国際展開を進めることにより、アジア、アフリカにおける健康長寿社会の実現に貢献するとともに、海外の成長市場を取り込み産業活性化に資することを目指して、『アジア健康構想』『アフリカ健康構想』を提唱している。
  • 『健康構想』の下、アジア6か国(インド、フィリピン、ベトナム、インドネシア、ラオス、タイ)、アフリカ6か国(ウガンダ、セネガル、ザンビア、ガーナ、タンザニア、ケニア)との間で署名した『協力覚書』に基づき、2国間の政府対話を行うほか、デジタル医療、高齢者医療・介護、非感染性疾患、公衆衛生、栄養、人材育成等の分野で具体的な協力事業を進めている。
  • 2022年8月23日には、「第8回アフリカ開発会議(TICAD8)」の公式サイドイベントとして高市早苗大臣主催でオンライン会合を開催し、大臣とチュニジア、ガーナ、ケニアの閣僚等がアフリカの保健課題解決に向けた取組を話し合うとともに、アフリカにおける日本企業の活動を紹介した。
  • 2023年5月15日には、高市早苗大臣が「第2回日印ヘルスケア合同委員会」を開催し、インド保健大臣と二国間協力の進捗確認、今後の取組についての協議を行った。
  • また、日本の企業や医療機関の活動を現地のキーパーソンに発信するため、セミナー開催や官民ミッション派遣を行った。
  • 新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって改めて重要性が認識されたグローバルヘルス(国際保健)の取組については、2022年5月に『グローバルヘルス戦略』を決定し、「公衆衛生危機に対する予防・備え・対応の強化」「より強靭・公平・持続可能なユニバーサルヘルスカバレッジ達成」を目標として、関係省庁と連携し、関係国際機関との連携強化等の取り組みを進めている。
  • 2023年5月のG7においては、保健分野の国際連携に向けて、日本から提案したグローバルヘルス分野におけるインパクト投資推進のイニシアティブが承認され、2023年9月から活動を開始している。

 

 

5.「第6回日本医療研究開発大賞」の実施

 

(経緯)

  • 2023年8月23日 第6回日本医療研究開発大賞表彰式を主催

 

(概要)

  • 医療分野の研究開発推進の功績を称えることにより、国民の関心と理解を深めるとともに、研究者等のインセンティブを高めるための賞。健康・医療戦略(閣議決定)等の下、2017(H29)年度より実施しており、これまでに6回実施。
  • 内閣総理大臣賞や健康・医療戦略担当大臣賞のほか、文部科学大臣賞、厚生労働大臣賞、経済産業大臣賞、AMED理事長賞、スタートアップ賞(第6回より新設)がある。
  • 第6回の内閣総理大臣賞は第一三共株式会社(DXd-ADC技術(革新的抗体薬物複合体技術)の開発による新規がん治療薬の創製)。また、健康・医療戦略担当大臣賞は塩野義製薬株式会社・株式会社AdvanSentinel・北島正章北海道大学大学院准教授(新型コロナに対する下水疫学調査の実装)、スタートアップ賞はChordia Therapeutics株式会社(RNA制御ストレスを標的とした抗がん薬の開発)。
  • 2023年8月23日に官邸で開催した第6回日本医療研究開発大賞表彰式には、岸田総理、高市大臣等の政務や各賞の受賞者が参加。高市大臣から、健康・医療戦略担当大臣賞及びスタートアップ賞の受賞者に対して表彰状の授与を行った。

 

 

6.認知症施策の推進

 

(経緯)

  • 2023年8月25日 認知症・脳神経疾患研究開発イニシアティブのとりまとめ
  • 2023年9月27日 第1回 認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議
  • 2023年10月12日 第2回 認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議
  • 2023年11月13日 第3回 認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議
  • 2023年12月25日 第4回 認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議
  • 2024年1月26日 第1回 認知症施策推進本部

 

(概要)

  • 令和6年度予算の概算要求に当たって、認知症に関する研究開発をより一層推進するため、創薬加速化、脳科学応用、将来技術からなる「認知症・脳神経疾患研究開発イニシアティブ」をとりまとめた。
  • 令和5年通常国会で成立した「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(令和5年法律第65号)の施行に先立ち、認知症の本人、家族、有識者の声に耳を傾け、政策に反映するため、認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議が総理を議長として開催された。高市大臣は副議長として、第2回から第4回まで司会を務め(第1回はIAEA総会への出席で海外出張中であったため欠席)、意見のとりまとめに尽力した。このとりまとめの内容について、第1回認知症施策推進本部において報告した。

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