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令和6年3月29日 記者会見

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1.発言要旨

 

冒頭発言なし

 

 

2.質疑応答

 

(問)来週から新年度が始まりますが、新たな年度を迎えるに当たって取り組むべき政策課題について、改めて教えてください。

 

(答)まず、経済安全保障の分野では、今国会におきまして重要経済安保情報保護活用法案、それから経済安全保障推進法改正法案、この2本について御審議をいただいていますので、御賛同いただけますように、一生懸命説明を尽くしてまいりたいと思っております。

 次に、科学技術の分野でございますけれども、AI・量子・フュージョンエネルギーなどの先端科学技術を戦略的に推進していく、それから知の基盤と人材育成を強化していく、イノベーション・エコシステムの形成などに取り組んでいくことが大事だと思っております。「統合イノベーション戦略2024」を策定しなければなりませんので、この検討を進めてまいりたいと思っております。

 それから、宇宙政策の分野になりますけれども、昨日、28日に、「宇宙技術戦略」が策定されました。今後10年間で総額1兆円規模の支援を行うことを目指す「宇宙戦略基金」も活用しながら、我が国の宇宙活動の自立性を確保する、それから世界的に激化している宇宙開発競争にも負けない飛躍的成長につなげていくために戦略を実行に移していく、それが新年度だと思っております。

 さらに、知的財産・クールジャパン戦略の分野では、今年6月頃に「知的財産推進計画2024」を策定しなければなりませんので、AIと知的財産をめぐる課題への対応などについても検討を進めてまいりたいと思っております。さらに、これも今年6月頃を目標に、「クールジャパン戦略」の策定を目指してまいります。

 主な分野はそういったことになりますけれども、所掌が幅広くございますので、しっかり目配りしながら一つ一つ一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。

 

(問)JAXAのSLIMが2度目の「越夜」に成功しました。またお目覚めした形でSLIMに注目が集まっていますけれども、大臣の受け止めを教えてください。

 

(答)日本時間でいうと3月27日の夜、2度目の夜を越えて、日照を経て、通信の再確立と航法カメラによる月面の撮影に成功したということでございます。

 つまり、月面の過酷な環境に耐え、2度目の「越夜」に成功したということで、設計上想定されていなかったぐらいの成果でございますので、大変な驚きとともに、SLIMの頑張りを誇らしく思います。

 そして、丈夫な機体を作ってくださったJAXAやメーカーの皆様、そして粘り強く運用を続けてくださっている皆様に深く敬意を表させていただきます。

 明日、30日早朝までが月面の「昼」ということで、通信や撮影のトライは続けられると伺っております。とても嬉しくて、今後、我が国の探査の進展につながる成果が得られることを期待いたしております。

 

(問)昨日、「宇宙技術戦略」が策定されたところ、国会のやり取りの中でもありましたが、これからの取組が重要になるものかと思います。予算を継続して確保する、適宜内容をアップデートするといった長期的な取組だと思いますが、今後政府としてどういうふうに取り組んでいくのか、改めてお考えをお聞かせください。

 

(答)昨日、宇宙政策委員会で我が国初の「宇宙技術戦略」を策定して、後藤委員長から私に手交いただきました。

 この戦略は、我が国の宇宙活動の自立性を確保するとともに、関連技術で世界をリードしていくために重要なものになっております。それから、ミッションへの実装や商業化へのタイミングについても示されていることで、これは予見性を高めて民間投資の拡大にもつながりますから、大いに意義のあることだと思っております。

 予算ですけれども、先ほど申し上げた10年間で総額1兆円規模の支援を行うことを目指す「宇宙戦略基金」を含めて、関係省庁や関係機関が今後の予算要求や執行において参照していただけるものになっております。

 宇宙政策担当大臣としては、関係省庁や関係機関とともに「宇宙技術戦略」を力強く実行に移していくことと、それから今回の戦略を取りまとめるに当たって、スタートアップも含めて産業界やアカデミアの皆様にも御協力をいただいておりますので、産学官による取組をさらに加速していくことで、宇宙政策の司令塔として職責を果たしてまいりたいと思っております。

 

(問)3月26日に、若田光一宇宙飛行士がJAXAを退職することが発表されました。今日この後、会見を開かれるということですけれども、若田さんのこれまでの御功績などを踏まえて、大臣の所感をお聞かせください。

 

(答)若田光一宇宙飛行士が今年度をもってJAXAを退職されるということで、かなり寂しいですが、長年の御活躍に深く敬意を表させていただきます。

 若田宇宙飛行士は、1992年に宇宙飛行士候補者となられて、1996年に初の宇宙飛行を実施されて以来、日本人最多の計5回、最長の504.8日間宇宙で活動をされて、日本人初のISSの船長もお務めになりました。地上でも長年にわたってISSの運用や研究活動、講演などの教育・広報活動、またJAXA理事としてJAXAの運営などに従事してこられました。

 とりわけ、若田飛行士はロボットアーム操作のスペシャリストでいらっしゃいます。世界的なスペシャリストでございますので、ISSの建設にも大きく寄与されました。

 それから昨年、5度目の宇宙滞在中に、御自身としては初の船外活動にも挑戦をされて成功を収められたということで、これは大変な業績だと思っております。

 多岐にわたる御活躍をいただきましたので、我が国の宇宙開発利用への多大な貢献はもちろんのことですが、子供たちの宇宙への憧れや好奇心も喚起していただき、また国民の皆様が宇宙開発利用に御理解を深めていただくことにも大いに貢献していただいたと感じております。

 昨年帰還される前に若田飛行士が、「和の心 友と挑んだ宇宙(そら)の日々 故郷(こきょう)の草の 香り懐かし」と詠まれました。「和の心」を持って、ISS参加各国とも協力してチームをまとめて、宇宙開発を牽引してくださったことは、まさに我が国の誇りだと思います。これからの宇宙飛行士の方々の模範にもなる姿だと思っております。

 今後、どのような場所で活躍されるのかは私はまだ知りませんけれども、お元気でますます御活躍いただきたいと思っております。

 

(問)セキュリティ・クリアランス法案で、内閣委員会の議論を踏まえて2点確認をしたいことがあります。

 1つは、不利益な取扱いを受けたときの通報窓口について、火曜日の会見では、「個人的な意見として設けたほうがいい」というお話をされたと思います。内閣委員会でのやり取りでは少し前進したのかなという印象を受けたのですが、最新の検討状況を教えていただきたいです。

 あと、国会で情報監視審査会の議論があったと思います。仮定の話になって恐縮ですが、仮に国会法なりで国会側の対応が進んだとして、特定秘密保護法にある19条の国会報告を今の法案に盛り込むことにより、法案全体の構成にとって何か支障が出てくるのか、また盛り込む作業をこの国会中にやると政府にとって物理的に不可能な事情がないか、という点を確認できればと思います。

 

(答)まず、法律案の中に適合事業者が、従業者の方の適性評価の結果や、またその従業者の方が適性評価に同意せずに実施されなかったことの通知について、この従業者の方への不利益な取扱いを含む目的外利用の禁止を規定いたしております。私が申し上げました相談窓口でございますが、これはこの実効性を担保するものとして考えております。適合事業者の従業者の方が、適合事業者から禁止行為に該当する不利益な取扱いを受けたと考えた場合に相談できる窓口を、各行政機関に設けていただくことを考えております。

 それからもう一つは、お勤めになっている会社が適合事業者で、契約先である行政機関に相談することに抵抗がある方もおいでかと想定しましたので、この制度所管であります内閣府にも相談窓口を設けることが必要だと考えております。

 しかしながら、これは法律案をお認めいただいた後に、有識者の御意見も伺い、パブリックコメントも実施して、そして閣議決定をする運用基準に明記するという方向で検討してまいりたいと思っております。

 それから、国会の対応ですが、この法律案の9条におきまして、国会に重要経済安保情報を提供する規定がございます。ですから、「重要経済安保情報を国会に出すことはない」というわけではないものでございます。

 9条1項1号ですが、国会に重要経済安保情報を提供するに当たり、国会において重要経済安保情報を利用し、また知る者の範囲を制限すること、国会における審査・調査以外の業務にその情報が利用されないようにすること、その他の「国会において定める措置…を講じ」と規定しております。

 国会において取っていただく情報保護措置の内容は、国会において御議論をいただくことになると思っております。何か国会に出す、国会法の改正をすることになって、不都合があるかといったら、全く不都合はございません。何か物理的な問題もないと承知いたしております。ただ、国会法に係ることでございますので、政府のほうから打ち出すのではなくて、国会においてお決めいただいたらそれに従う形になると思っております。

 

(問)再生可能エネルギーに関する内閣府のタスクフォースについてお伺いします。

 再エネの規制見直しを目指す内閣府のタスクフォースに、中国国営企業のロゴマークが入った資料が提出された問題がありました。これについて、一昨日、資料を提出した民間の構成員の方がタスクフォースからの辞任を発表されまして、その会見の中で民間構成員に就任した経緯について、河野デジタル大臣からの推薦があったというような話もありました。改めて経済安全保障上重要な政策に係る部分のタスクフォースにこういった人選があったこと、並びに一連の報道があるまで、御本人が辞任されるまで対応がなかったことについて、経済安全保障を管轄されている大臣としてどのように受け止めていらっしゃるか、お伺いできますでしょうか。

 

(答)そのタスクフォースの当該構成員の方が辞任されたことは承知しております。ただ、構成員になられた経緯については、私は承知いたしておりません。官房長官の記者会見で、内閣府の事務方が提案した案を河野大臣が了承されたと聞いているという話で、私もそれ以上、直接その経緯を聞いたわけではございませんし、再生可能エネルギーのタスクフォースになりますと、私の所管外ですので、任命のプロセスについてコメントはできません。

 ただし、前回の記者会見でも申し上げましたとおり、エネルギーは非常に日本にとって重要なものでございます。エネルギーだけではなく重要な技術もたくさんございますので、そういった日本の安全保障に関わる分野について政策を決めることに大きな影響を及ぼす、そういった組織の構成員を選ぶときには、十分に考えて選んでいくのが各府省庁共通でやらなければいけないことなのではないかと考えております。

 

(問)セキュリティ・クリアランス制度について御質問させてください。

 昨日の内閣委員会の参考人質疑で、日弁連の齋藤副会長が「イギリスとフランスではコンフィデンシャル級のカテゴリーの情報は廃止している」「アメリカでも廃止が提言されている」とおっしゃっていました。この点について、これまでの政府の有識者会議や、適宜行われているブリーフィング等で説明が今までなかったように思うのですが、政府として把握している事実関係についてお聞かせください。また、この点、制度創設の意義に関わるところだとも思います。この点についての大臣の受け止めをお伺いいたします。

 

(答)私の問題意識としましては、G7の日本以外の国及びオーストラリアにつきましても法制度をできる限り調べさせていただいて、その上で日本の特定秘密保護法で保護されている外交、防衛、特定有害活動の防止、テロリズムの防止の4分野以外にも、経済や技術、そしてインフラなど、国によって制度は違いますけれども、日本の現行法制ではカバーできない重要な情報について、それを取り扱う場合にセキュリティ・クリアランス制度があるということで、これは同レベルの情報保全措置が日本においても行われている状況にすることによって、同盟国、同志国との情報交換も円滑になり、ひいては民間事業者の方々のビジネスチャンスの拡大にもつながるというのが法律案を検討し始めたスタートラインでございます。

 国によって本当に制度はばらばらです。根拠となる法律であったり、それから対象分野でアメリカ以上に幅広く読める規定をしている国もありますし、それからトップシークレット、シークレット、コンフィデンシャルと3段階の国もあれば、トップシークレット、シークレットだけの国もございます。様々ございますけれども、ただ日本で経済・技術に深く関わる分野について、きっちりと信頼性を確認した方に扱っていただく、そういった形の情報保全制度を新たにつくらなければ、様々な国際共同研究などにも支障が出てくる、これは事実だと思っております。

 ちなみに、イギリスにおきましても、先般、副首相とお会いいたしましたが、それまで各国、経済安全保障担当大臣という形のカウンターパートになる大臣がいなかったものですから、情報収集などにも大変苦労いたしていましたけれども、昨年から副首相が経済安全保障全般を見ることになったということで、大変それは私にとって嬉しいニュースでございました。

 ですから、各国様々運用は違えども、対象分野は日本より幅広い。クリアランスそのものをどの範囲の方々に付与するかについても、どこまでをシークレットとしていて、どこまでをコンフィデンシャルとしているか、ここもまた国によって違いますので、そこは私はあまり気にしておりません。まず、諸外国に信頼していただき通用する制度をつくるとことが大事だと考えております。

 

(問)関連でもう少しお伺いしたいのですが、今回の法案の趣旨はコンフィデンシャル級の経済安保上の重要安保情報を保護するという目的でつくられましたけれども、どこまでがシークレットで、どこまでがコンフィデンシャルか、国によって違うことはあまり気にされないということですと、この法案をつくる意義が多少損じられるのではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。

 

(答)それはないと思います。例えば、現在の特定秘密保護法などで相手国から、これはシークレット級ですと提供された情報であったら、やはりシークレット級として扱わなければならない、それは国によって判断が違います。トップシークレットですと提供された情報であったら、そのように扱わなければならないわけでございます。経済・技術面の情報でも諸外国から、これは直接的に防衛装備品に関わるトップシークレット級ですということでしたら、当然にこれは特定秘密保護法のほうで対応をしなければなりません。それらは相手のあることでございますので、相手のランクづけに応じて対応していくことになるかと思います。

 

(問)最初の質問に戻ってしまうのですが、イギリスとフランスでコンフィデンシャル級を廃止していることについて、政府はいつ把握したのか。また、その点、例えば記者会見などの場で説明することも必要な情報かもしれませんが、この点についてはいかがでしょうか。

 

(答)最終取りまとめをするまでに有識者会議に提出した資料の中に、今おっしゃったことは入っております。最終取りまとめは、今年の1月でございました。そこまでに去年の2月からずっと検討してきた有識者会議の資料の中に、諸外国における情報保全制度の比較、セキュリティ・クリアランス制度ということで表がついておりますので、これらの情報について全部見比べた上で検討を進めていただき、今回の法律案に至ったということでございます。

 多分、去年の3月頃です。

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