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令和5年9月29日 記者会見

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1.発言要旨

 

 科学技術政策担当大臣として報告を申し上げます。

 明後日、10月1日(日)に京都で開催される、第20回国際科学技術関係大臣会合に出席するため、出張いたします。大臣会合では私が議長を務め、20カ国以上の科学技術大臣などと意見交換を行う予定でございます。

 なお、今回は2019年以来の完全対面で開催いたします。大臣会合のテーマは、「オープンサイエンス」と、研究セキュリティ・インテグリティを含む「国際頭脳循環」の2つでございます。今回の大臣会合での議論を通じまして、科学技術・イノベーション分野における国際連携を進めてまいりたいと存じます。

 

 

2.質疑応答

 

(問)来週、いよいよノーベル賞ウイークが始まり、日本人の受賞も幾つか予想されていますが、大臣としてはどのような期待をされているのか、教えてください。

 

(答)人類への貢献を称えるノーベル賞でございますので、我が国の研究者が受賞されることは、日本の研究者にとっても大きな励みになります。国民にとっても誇りになります。

 近年、自然科学分野におきまして日本のノーベル賞受賞者が出ていることは、大変喜ばしいことでございます。今年も、日本の大学や研究機関の研究者の方々、また海外で活躍されている日本の研究者の方々が受賞されますようにと祈りつつ、大いに期待をいたしております。

 

(問)高市大臣、IAEA総会に出席されました。この総会を振り返ってどのような成果が得られたのかという点と、中国からは原発処理水の海洋放出を批判するような発言があり、日本からは主張をされたということですが、何故そのような主張をしたのかという点、教えていただけますでしょうか。

 

(答)まず成果でございますが、IAEA総会では、一般討論演説を通じまして、我が国の原子力政策の立場を加盟国に明確に示すことができたと思っております。

 特にALPS処理水に関しましては、演説で強調しましたとおり、IAEA包括報告書の内容を紹介するとともに、グロッシー事務局長およびIAEAの取組に対して感謝と敬意を表しました。

 また、IAEAとの連携、および既に協力関係にございます米国、フランスとの協力の維持・強化についても、確認することができました。

 反論でございますが、総会での演説の順番が、確か中国が6番目、日本が10番目でございました。直前、中国の演説の英訳版がレシーバーで流れていたのを聞きますと、科学的根拠に全く基づかない主張を行っておられたことから、我が国の立場を改めて加盟国に明確に示す必要があるだろうという判断から、反論いたしました。

 

(問)NTT法を巡って、自民党や総務省の有識者会議での議論が活発になってきています。大臣は以前の会見で、この問題を巡っては、懸念国による株買占めや研究成果の漏えいを防ぐといった経済安保の観点を踏まえた議論が必要だというようなことをおっしゃっていました。

 改めて、NTT法を巡る議論の現状を大臣がどう捉えられているのか、NTT法の見直しや株売却の是非も含めて伺いたいと思います。

 

(答)まだ党における議論などを注視していく段階だと思っております。けれども、経済安全保障上の論点はしっかりと踏まえて議論を進めていただくことを期待いたしております。

 NTT法の改正そのものに反対するものでは決してございません。特に、重要な研究成果の公開義務は外していかないと、我が国にとって重要かつ機微な技術が海外に流出してしまうといったことがあるかと思います。

 株式の売却については、今後どのような議論になっていくのか現段階では分かりませんけれども、以前に申し上げましたのは、外為法の縛りはあるにしましても、直前に帰化されたり、いろんな形で日本人である方の買占めのバックに他国政府の影響力があるような事態も想定し得るのではないかと考えておりました。引き続き、議論を注視してまいりたいと思います。

 

(問)H3ロケット1号機の失敗について、今週にJAXAから「実績ある部品に安心してしまい、検査が不十分になっていた」との報告書がございました。実績のある部品に対して検査が不十分だったことは、イプシロン6号機の時も言われていたと思いますが、大臣の受け止めを伺えますでしょうか。

 

(答)JAXAからは、H3ロケット打上げ失敗原因の調査状況について、これまでに絞り込んだ故障シナリオに対して、背後要因、つまりなぜそのような故障が生じたかに関する背後にある要因を洗い出したこと、その背後要因を踏まえて、今後のロケット開発に反映するべき対策の方向性を抽出したことなどが報告されたと聞いております。

 その背後要因の1つとして、これまでのロケット打上げにおいて、同一部品を問題なく使い続けてきた実績を重視したことに起因して、部品の信頼性に対する確認不足があったことが報告されたということでございます。

 特に「安心」という表現は使っておられないだろうと思います。JAXAとして部品の使用実績に対して安心や慢心があったとは決して思いませんけれども、H3ロケットは、我が国の自立性確保と国際競争力強化に不可欠な基幹ロケットでございますので、今後、ロケット部品の信頼性強化の対策を確実に進めていただきながら、次の打上げに向けてしっかりと準備を進めていただきたいと思っております。

 

(問)先ほどのIAEAの演説の関係で細かいところですが、中国の演説を先に英語で聞かれて、それで反論されたというお話がありましたが、最後の大臣の御発言の部分、かなり力が入っているように感じました。中国の演説を踏まえて、その場で考えられたのでしょうか。

 

(答)リスク管理上、万が一、一般討論演説の場で中国がこれに触れた場合には何か言わなければいけないと考えておりましたけれども、国連総会の代表演説などでも触れられなかったと聞いておりましたので、少しびっくりいたしました。

 その中で、中国のおっしゃりようがかなり酷かったと私は思いました。「核汚染水の処理」という表現、それから「関係国の人々の強い反対があるにもかかわらず、日本が海洋放出に乗り出そうとしていることが国際社会に広く懸念を抱かせている」というような表現でございました。

 私の感触では、IAEA加盟国の中で明確にこれに対して反対、批判をしているのは中国だけだと。一部懸念を表明された国が1カ国あったことは、シリアでしたか、承知しておりますが、平場で批判をされたのは中国1カ国だけでございますので、私としましては、演説時間に限りがあって、持ち時間が決まっていますので、そう長くは差し込めませんでしたが、それまでの演説で順を追ってIAEA包括報告書の話もし、日本の取組の説明もしておりますから、中国のおっしゃった部分に対して、「先ほど中国から科学的根拠に基づかない発言がありました。我が国の立場は先ほど述べたとおりであり、繰り返すことはしません」と申し上げた上で、「IAEAに加盟しながら事実に基づかない発信や突出した輸入規制を取っているのは中国のみです。日本としては、引き続き科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信を中国に対して求めていきます」と付け加えさせていただきました。少しだけ発言時間をオーバーしてしまいましたが。

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