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令和5年8月25日 記者会見

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1.発言要旨

 

 冒頭発言なし

 

 

2.質疑応答

 

(問)韓国の研究チームが常温超伝導体を発見したと発表して、関連株が値上がりするなど経済にも影響を与えましたが、先日のNature誌で、世界中の研究者が、それを否定するような研究結果を発表しました。

 この一連の偽科学、間違った科学情報が発信されて、経済に影響を与えるような状況に対する大臣の受け止めと、日本で同じようなことが起こらないようにするために、どういう取り組みをしたらよいかについて教えてください。

 

(答)韓国における事案におきましては、プレプリント(査読前論文)として公表された研究結果に、市場が反応したものでございます。その後、検証によって結果的に否定されることになったと聞いております。

 プレプリントにつきましては、研究者が自らの研究成果を自由に、かつ広く公開・共有することができて、多様な知へのアクセスを可能とする重要なものではあると思っております。他方、必ずしも十分な検証が行われていないものがあることについては、留意が必要でございます。

 日本におきましても、こうしたプレプリントの性格に十分に留意いただきながら、必要に応じて学術的に検証を重ねたものを利用することで、科学技術の健全な発展に活用していただきたいと考えております。

 

(問)インドの無人月面探査機「チャンドラヤーン3号」が、月面着陸に成功しました。これは日本よりも早い成功で、世界で4番目なります。一方で、27日には日本のJAXAも、月着陸実証機(SLIM)が打ち上げられます。このインドの成功に関する受け止めと、あと日本のSLIMへの期待を教えてください。

 

(答)インドが世界で4番目に月面着陸に成功されたことに、心より敬意を表したいと存じます。

 我が国はインドの宇宙機関(ISRO)と協力をして、月極域の水の存在量や、資源としての利用可能性の確認を目的とする「月極域探査共同ミッション(LUPEX)」を進めております。ですので、この計画では、インドの月着陸機に、JAXAの月面探査機を載せて、2024年度に「H3ロケット」で打ち上げることが予定されております。今回のチャンドラヤーン3号の成果を活用することが、このLUPEXの成功に繋がっていくことを期待いたしております。

 SLIMでございますが、いよいよ27日に「H-ⅡAロケット」での打ち上げが迫っております。SLIMが成功しましたら、我が国としての初めての月面着陸となり、探査技術の高度化や探査の高頻度化に繋がることが期待されます。

 また、SLIMによって得られる技術やデータを活用して、我が国として今後の宇宙探査に貢献できると考えております。楽しみにいたします。

 

(問)内閣府で、「大学の評価疲れ申請疲れに関するアンケート」が現在行われていると思います。これについて、このアンケート自体が負担だという声が研究者から挙がっていると話をお聞きました。これの受け止めと、このアンケートを受けてどのような政策に生かしていきたいか、お聞かせ願えればと思います。

 

(答)御社の記事で拝読をいたしました。

 このアンケート調査につきましては、科学技術・イノベーション推進事務局が今年の3月に取りまとめました「研究に専念する時間の確保」の議論の一環として、「大学の評価疲れ申請疲れ」の具体的な状況を把握して、その改善に向けたエビデンスを取得するために実施いたしております。

 このアンケートの実施に当たりましては、できる限り現場の負担にならないように工夫もされたと聞いております。例えば、アンケートへの回答はあくまでも任意としており、また、御意見のある項目のみの一部回答も可能としております。一部の回答は選択式で、記述は不要など、工夫はいたしております。5月31日に調査への協力依頼をいたしまして、9月1日締切でございます。一定の期間も取っております。

 エビデンスをもって政策を構築する意味では、この調査の実施に、御理解・御協力をいただけたらと思います。研究者の評価疲れの軽減は、研究時間の確保に向けて喫緊の課題でございますので、可能な限り多くの方々の具体的な事例、御意見を収集することが必要だと考えております。何卒、御理解をお願い申し上げます。

 

(問)本日、官邸で開催された「総合的な防衛体制の強化に資する研究開発及び公共インフラ整備に関する関係閣僚会議」についてお伺いします。

 大臣も本日御出席されたかと思いますが、防衛力強化に資する民生技術として9分野が提示されたと承知しておりますが、今日の会議でこれが決定されたとの認識でよろしいでしょうか。また、9分野は今回は例示であって、分野の数は今後増える可能性があるのか、御認識をお伺いします。

 

(答)本日、私も出席をいたしておりましたが、議長が内閣官房長官でございますので、私から会議の詳細についてお答えができません。官房長官にお問い合わせをお願いいたします。

 

(問)経済安全保障推進法の基幹インフラの関連でお伺いします。

 現在、事前審査の対象となっているのが、電気・ガスなどの14業種となっておりますが、ここに港湾を追加するかどうかについてお伺いいたします。今月の会見で大臣から、国土交通省、また他省庁と連携した上で検討するというお話でしたが、検討状況について伺えればと思います。

 また、健康・医療戦略担当大臣として、そこに医療を追加するというお考えはありますでしょうか。サイバー攻撃、医療機関にもありますけれども、その辺の追加するとした場合の背景についてお伺いできればと思います。

 

(答)港湾につきましては、先般も申し上げましたが、日本の貿易量の99.5%が海上輸送でございますので、物流確保の観点からは重要な役割を果たしております。今後も機能が安定的に提供されるように、サイバー攻撃対策の強化は進めなければなりません。

 また、医療につきましても、国民の皆様の生命、また健康を守る医療機関がサイバー攻撃によって、その機能を失わなないように対策を取ることは重要だと考えております。

 法改正が必要になることではございますが、その分野を追加できるように検討をしてほしいと、事務方に伝えております。

 今の状況でございますが、これらの事業を所管する国土交通省と、厚生労働省において、システムの実態、サイバー攻撃があった場合の影響の程度を精査していただいているところでございます。そのため、具体的にいつまでに検討が終わるかについては、今は私から申し上げられませんが、その両省、それからNISCともしっかりと連携しながら検討していきたいと考えております。

 

(問)セキュリティ・クリアランスの件でお尋ねします。

 ラジオ番組の中で、法案提出の時期について来年の通常国会という御発言があったということと、また罰則についても10年程度ということが目安として示されたと思います。現在の法案の準備状況と現在の見通しについてお聞かせください。

 

(答)これまで度々申し上げてきておりますが、セキュリティ・クリアランスは我が国にとって非常に重要であり、なおかつ急ぐべき取組だと考えております。

 制度設計の詳細につきましては、今、中間論点整理も踏まえて鋭意検討を進めております。各省との協議も行っております。正式に具体的なスケジュールが決まっているわけではございませんが、私としては通常国会への提出を目指して、作業を急いでまいりたいということは、番組でも申し上げたとおりでございます。

 罰則についても、これまでも発言をいたしておりますが、他の法制度とのバランスが重要だと思います。他国の事例を見ましても、やはり重要な情報に関する漏えいについては、厳罰で臨むのが通例になっております。

 日本国内の法律で考えますと、例えば、企業の方々に一番なじみがあるのは不正競争防止法だと思います。これも営業秘密の漏えいは、10年以下の懲役になっておりますので、他法とのバランスも考えながらの検討でございます。

 

(問)NTT法の改正の動きが始まっているかと思いますが、NTTはIOWNをはじめとする重要先端技術や、通信インフラという重要なものを担っている会社だと思います。経済安全保障の観点から見たときに、どのような御関心があるか、議論をどのように進めていくのが望ましいとお考えなのか、お聞かせください。

 

(答)NTTグループは、情報通信分野において、我が国の国際競争力を強化し得る最先端の研究開発を担っている組織だと認識いたしております。ですので、経済安全保障の観点では、我が国の経済行動の自律性、技術の優位性・不可欠性の確保が、引き続き担保されるようにNTTグループの在り方が検討されることが重要だと考えております。

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