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令和5年7月21日 記者会見

更新日:

1.発言要旨

 

 冒頭発言なし

 

 

2.質疑応答

 

(問)日本原子力研究開発機構と英国の原子力研究所のチームが、英国の高温ガス炉実証炉プログラムの基本設計事業者に採択されました。大臣としての受け止めと期待をお願いします。

 

(答)高温ガス炉につきましては、冷却材に水ではなく、化学的に安定なヘリウムを使用しており、水素爆発をしない、また、黒鉛構造材によりまして、事故時にも、自然に炉心が冷却されるといったことで安全性が高うございます。また、発電のみならず、多様な熱利用が可能ですので、水素製造などの産業利用ができるといった特長がございます。エネルギー安全保障、及びカーボンニュートラル達成の観点からも、非常に重要な革新炉の一つだと認識をしております。

 今般の国際協力プロジェクトへの日本原子力研究開発機構の参加は、我が国の高温ガス炉開発が、世界のトップレベルにあることの証左だと思っており、とても喜ばしいことでございます。

 英国との協力によって、日本が先行している高温ガス炉の研究開発で、世界をリードしていくことを期待いたしております。

 

(問)18日にBS日テレに出演されまして、先端技術の情報管理を一段と強化する必要性を訴えられたと思います。セキュリティ・クリアランス制度を来年の通常国会にも提出したいとのお話もあったと思うんですが、制度導入の意義を改めて教えていただけないでしょうか。

 

(答)先般の「深層NEWS」に出演させていただいた時に、先端技術の情報管理強化について話をいたしましたが、あくまでも6月15日に産業技術総合研究所の職員の方が不正競争防止法違反の容疑で逮捕された事案を受けての話題であったと思います。ですから、国立研究開発法人や大学などにおける研究インテグリティの問題と、セキュリティ・クリアランスは、私の中では分けて考えております。

 特に、国立研究開発法人や大学・大学院などにおきましては、マネジメント層がしっかりと不正競争防止法に該当するような情報管理ができるかどうか、また、それぞれの法人設置法に、職員は秘密を漏らしてはならない、退職後も同様である旨、及び罰則も定められておりますから、こういうことを職員に徹底していただくこと。それから、令和3年に政府で決定しました、研究インテグリティ確保のための対応方針をしっかりと遵守していただくこと。先般、改訂したチェックリストの配布もさせていただきました。まずは、こういう取組が幅広く行われる必要性が1点でございます。

 その上で、その問題とはまた別ではありますけれども、セキュリティ・クリアランス制度は絶対に必要だと、企業の皆様からも多くの声をいただいております。

 これは先般も申し上げましたけれども、外国の政府調達に日本企業が入れない、民間企業同士の取引でも日本の民間人がクリアランスを持っていないことで支障が出た、国際共同研究開発がなかなかできない、学会・カンファレンス等にクリアランスがなくては参加できない、といった問題をクリアするためにも、必要であると思います。

 それから、経済安全保障政策を進める中で、政府が保有する経済安全保障上の重要な情報を、今後、民間事業者等と共有していく必要性も高まっていくと思っております。有識者会議でまとめていただいた「中間論点整理」では、サイバー分野における脅威情報や防護策に係る情報、宇宙・サイバー分野などでの政府レベルの国際共同開発につながり得る重要技術情報といったものも、例として挙げていただきましたので、そういう情報を日本国内で政府と民間事業者が共有する場合においても信頼性の確認を行う必要があると思っております。

 

(問)18日のBS日テレの番組で、大臣はセキュリティ・クリアランスに関して、秋の臨時国会の頃には与党審査をするため、7・8月にその条文案を仕上げるように指示していると話されていたと思います。今後、臨時国会で議論が本格化すると思いますが、改めて大臣が考えるスケジュール感、また現時点で考えられている課題点などがあれば、お伺いしたいと思います。

 

(答)これまで度々申し上げてまいりましたが、セキュリティ・クリアランス制度は日本にとって非常に重要で、なおかつ急ぐべき取組だと私は考えております。そういう思いから、法律案については、秋にも与党などとの調整が始められるように検討を急いでほしいと、担当部局を叱咤激励しているのは事実でございます。

 ただ、国会への提出時期など具体的なスケジュールについては、まだ決まっておりません。「中間論点整理」も仕上がりましたので、今後、内閣法制局との議論も含めて、法制度整備に向けた検討を急いでまいりたいと思っております。

 

(問)同じ番組で、大臣は身上調査をするために組織を作る必要性について言及なさっていました。その組織の規模感や体制について、今の時点でどうお考えでしょうか。

 

(答)それもまだ決まったことではございませんけれども、現状、例えば、特定秘密保護法でも身上調査を行っておりますが、これは各省ごとに総務課や人事課といったところでやっているものでございます。

 現在の特定秘密保護法では、分野が外交・防衛・テロ・スパイの4分野に限られており、外交・テロ・スパイといった分野は国家公務員の方が対象で、防衛分野で一部の民間事業者の方が調査を受けている現状でございます。しかも、人数的にも非常に少ない人数でございます。

 これを、また別の法体系になるかと思いますが、経済安全保障上の重要情報を扱っていただく民間事業者の方にも幅広く調査対象を広げていくことになると、それなりの人員と規模感を持った組織は必要だと思っております。

 また、一度クリアランスを取っていただいた場合、その後のポータビリティ性も重視しておりますので、1つの政府機関が責任を持って調査を行う体制作りが必要だと思っております。

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