記者会見

  1. TOP
  2. 記者会見
  3. 経済安全保障担当大臣記者会見 令和4年8月~
  4. 令和4年12月20日 記者会見

令和4年12月20日 記者会見

更新日:

1.発言要旨

 

 経済安全保障担当大臣として、経済安全保障推進法の関係で御報告を申し上げます。

 本日の閣議で、「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律施行令」が閣議決定されました。

 この政令におきまして、半導体や蓄電池、肥料、抗菌薬など11の物資を「特定重要物資」に指定いたします。我が国として経済安全保障の観点から推進するサプライチェーン強靱化の取組の第一弾となります。

 そのための予算につきましては、既に令和4年度第2次補正予算において、総額1兆円以上が措置されております。

 今後、物資の所管省庁におきまして、特定重要物資ごとに「安定供給確保を図るための取組方針」を策定し、物資の特性に応じた安定供給確保のための取組を推進していくことになります。

 関係省庁と連携して、重要な物資のサプライチェーン強靱化を通じた経済安全保障の確保に努めてまいります。

 

 

2.質疑応答

 

(問)先週、CSTIの有識者懇談会が研究時間の質と量を確保するためのガイドライン案を示しました。これを実効あるものにするためには、「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」の関連施策との連動が重要だと思うのですけれども、大臣としてはどのように進めていこうとお考えでしょうか。

 

(答)大学の取組の指針となるガイドラインを示すことで、大学に対して研究時間の確保に向けた行動変容を促したいと思っております。「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」と連動させて、各大学のマネジメント層の方が個々の特色を活かして、研究時間の確保を含めた研究力強化の方針や施策を提案していただくことが実現するように、文部科学省と連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。

 

(問)少し前の話ですが、米国のリバモア国立研究所が核融合の実験で、投入した以上のエネルギーを生み出すことに成功したとの発表をしていました。その受け止めと、今、日本政府でも核融合戦略を検討中と思うのですが、参考にしたり影響が出たりする部分があれば教えてください。

 

(答)核融合というのは、現在、開発途上の技術でございます。プラズマの十分な高温と密度を長時間維持できるかという問題があって、多様なアプローチによる開発が行われております。

 米国の方での成果は承知をいたしております。レーザー方式で核融合発電の実現に更に一歩近づいたことになると思います。

 先程、多様なアプローチと申し上げましたが、日本でもトカマク型、ヘリカル型、レーザー方式、それぞれ各所で研究開発が進んでおります。

 磁場閉じ込め方式におきましても、過去、我が国の試験装置で、仮に核融合燃料を使用した場合、密度と温度から換算すると、入力エネルギーよりも出力エネルギーが大きくなると試算されるプラズマを作り出すことに成功した実績がございます。

 ですから、様々なアプローチによって、核融合発電の実現に向けて、我が国も激しい国際競争の中で世界をリードできるように、来年の春には策定予定の核融合戦略で、新興技術も含めた核融合技術群としての研究開発強化、この方向性をしっかりと盛り込んでいきたいと思っております。

 

(問)冒頭、御発言がありました、特定重要物資の指定に関してお伺いします。冒頭ありましたように、既に一部予算を確保されていますけれども、国民生活における指定の意義や今後どのような事業者に支援を進めていくかなど、改めて御所感をお願いいたします。

 

(答)経済安全保障推進法に基づいて、特定重要物資がまず指定されたことは、国民の皆様の生存や生活、経済活動を守るために、我が国にとって重要な物資のサプライチェーンの強靱化を進める取組の第一歩となったと思っております。

 これから安定供給確保に向けて、所管省庁において特定重要物資ごとに「安定供給確保を図るための取組方針」を策定していただくことになっています。各省で順次、今後「取組方針」が公表されることになります。そして、所管大臣が安定供給確保支援法人又は独立行政法人を指定して、民間事業者が作成する供給確保計画を認定して、安定供給確保支援法人又は独立行政法人が認定を受けた民間事業者の取組を支援することで、安定供給確保が図られることになると考えております。速やかに、この取組を進めてまいりたいと思っております。

 

(問)2点ありまして、まず1点目が特定重要物資の関係で、特定重要物資の指定は国会審議を挟まないということで、恣意的な運用にならないかと危惧する声もあります。今後、指定の効果の検証を求められるところですけど、今後、政府としてどのような対応が必要になると思われますでしょうか。

 2点目ですけれども、重要物資の一つである「クラウド」について伺います。現在国内では、外資、特に米国企業の「クラウド」に依存している状況があります。ただ、米国企業から「クラウド」の供給が途絶えるという可能性がそもそも高いかどうかとの分析もあります。「クラウド」を選定した意義やお考えを伺います。

 

(答)まず、選定過程でございますけれども、経済安全保障推進法は国会の審議を経て成立したものでございます。この法律の第7条に基づいて、特定重要物資は政令で指定するということが定められております。

 候補となります物資につきましても、この秋、ずいぶん御苦労いただいたのですが、所管各省庁におきまして、サプライチェーン調査を実施していただきました。重要性や外部依存性など、この法律や基本指針で定めた要件を満たす、国民生活や経済活動にとって真に重要なものに絞り込んでいただきました。その上で、有識者会議で有識者の皆様の御意見を伺い、さらにパブリックコメント制度を活用して広く関係者の御意見も伺いました。しっかりとしたプロセスを経ているものと思っております。

 「クラウド」でございますけれども、今、企業の基幹システムや行政サービスなど、重要情報を扱う領域でも利用が広がっております。国民生活や経済活動にとっての重要性も高まっております。国内事業者のシェアは、御承知のとおり低下いたしております。

 今後、高いセキュリティが求められる、要は自国で管理すべき領域においても、「クラウド」の事業基盤を喪失してしまって、その供給を完全に外部に依存する恐れが高まっていると、私共は認識いたしております。特に行政や重要インフラ分野の重要なデータを、自律的に管理可能な基盤クラウドの開発基盤を国内に確保することが何よりも重要だと考えております。

 2021年時点でございますが、「クラウドプログラム」の海外依存度が約7割となっておりますので、国内でしっかり対応していくべきものだと考えます。

 

(問)話題変わりまして、政府の宇宙空間に関する安保戦略についてお伺いします。

 一部の報道で、今月閣議決定した国家安保戦略を踏まえた上で、宇宙開発戦略本部を開いて、岸田総理の方で宇宙安保構想の策定を関係閣僚に指示し、また、宇宙安保構想を来年夏までに取りまとめる方針とあります。高市大臣は宇宙開発戦略本部の副本部長でもありますが、構想策定のスケジュール感を踏まえた事実関係や、副本部長としてどのような構想を取りまとめたいかお考えを教えてください。

 

(答)先週、金曜日に閣議決定されました国家安全保障戦略に書かれておりますとおり、宇宙の安全保障の分野における課題と政策を具体化させる政府の構想を作る、それを踏まえて宇宙基本計画を改訂することになりました。

 ただ、構想の策定主体、宇宙基本計画の改訂の内容や進め方の方向性、取りまとめの時期については、まだ今後検討していくものと思っています。

 宇宙開発戦略本部は例年12月に開催しているのですが、現時点ではまだ日程調整中となります。いずれにしましても、今、宇宙において、例えば中国やロシアによる衛星破壊実験の脅威もあったり、衛星数やデブリも増加していますので、宇宙空間の混雑化といったリスクもございます。

 様々な課題がある中で、国家安全保障戦略は、「宇宙からの安全保障」、つまり地球上における課題に対して宇宙からアプローチすること、それから「宇宙における安全保障」、つまり宇宙空間における課題に対して地球、あるいは宇宙からアプローチするという、2つの課題解決の方向性が書かれております。また、宇宙産業の支援と育成も非常に重要だと考えておりますので、私も積極的に議論に参画してまいりたいと思っております。

前のページへ戻る

  • 自民党
  • 自民党奈良県連
  • リンク集