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令和4年8月15日 記者会見

更新日:

1.発言要旨

 

 冒頭発言なし

 

 

2.質疑応答

 

(問)先日、科学技術・学術政策研究所が、注目度の高い論文数で、日本が韓国にも抜かれて世界第12位にまで落としたと発表したのですけれども、こうした日本の研究力低下に対して、大臣としてはこれからどのように取り組まれるお考えなのか教えてください。

 

(答)トップ10%の論文、この数が10位から12位になったということは、日本の立ち位置というものが低下したわけですから、これはとても残念なことだと思っております。私自身も大学で教員として働いていた経験がございますけれども、研究者の研究時間が少ないということ、それから日本の大学というのは、世界の大学と比べますと、やはり外部資金を十分に活用できてないということ、だから、事業規模はどうしても小さくなってしまうということ、それから、若手研究者の方々が腰を据えて研究できるような環境が十分ではないということが原因だと思っております。

 取組ですけれども、まず研究時間が少ないということにつきましては、競争的研究費のルールを変えまして、簡素化して申請もデジタル化する、そういった取組を行っております。ただ、付け加えますと、大学の教授の人たちが、私もそうでしたが、授業をしなければいけない、それから研究も当然しなければいけない、ただそれ以外の様々な仕事、校務がございます。ですから、できたらそういった校務を担っていただける事務職員、こういった方々の増加も必要だとずっと思ってまいりました。

 それから、大学の事業規模ということですが、これは10兆円規模の大学ファンドを創設するということになっていますので、その運用益で世界トップレベルの研究大学を支援するということになっています。併せて大事なのは地方の大学です。地域の中核大学、特色ある大学。総合振興パッケージというのがございますから、これで特定分野の強みを持つ大学などを特に支援していきたいと考えております。

 それから、博士課程の後期に当たる学生の方々への経済的支援というものも重要であると思っておりますし、創発的研究支援事業にも取り組んでいるところではありますけれども、それが十分なのかどうか、ここは大臣として見ていきたいと思っております。

 とにかく、それぞれの研究者がしっかりと研究できて、日本の研究、学術研究の立ち位置というものが上がっていく、そういった方向性を目指して努力して参ります。

 

(問)大きく2点お伺いします。先週、就任会見で、セキュリティ・クリアランスを何としてでも経済安保推進法に盛り込みたいという発言をされていらっしゃいましたけれども、いつ頃、改正案を国会に提出したいとか、何かそういったスケジュール感が念頭にあれば、お教えください。

 それから、もう一点ですけれども、「宗教法人法改正案」についてツイートされていらっしゃいますけれども、閣僚になられたということで、議員立法で出せないのでお蔵入りとなってしまったとツイートされていますが、その改正案はどういった内容だったのか、差し支えない程度で構いませんので教えていただきたいのと、あと河野大臣と何らか霊感商法対策についてお話しする予定があるのかどうかを教えてください。

 

(答)まず、セキュリティ・クリアランスですけれども、これは経済安全保障推進法の審議の過程で、衆・参の附帯決議でもこの必要性が示されております。それから、私自身も党で審査に関わりましたが、「骨太の方針2022」にも示しております。今後、速やかに検討していくべき非常に重要な課題だと考えております。

 今、暫定的に法律案を、どの時期の国会に出せるかということを申し上げるタイミングではないと思いますが、私といたしましては速やかにセキュリティ・クリアランスというものを実現できるように努力してまいりたいと思っております。

 それから、宗教法人法の改正案でありますけれども、政調会長だった時期に、特に8月に入って非常に報道が多くなってきた中で、何とか党から対策を出せないかと思って頑張ったものでございます。具体的には消費者庁の取組とか、今後どうしていくかということも党の政調会長としては伺いました。またフランスのセクト規制法、よく報道されています。まだこれは適用された例もないということ、そして非常にハードルが高いといった内容でしたが、そういったものも読み込みました。そして、宗教法人法も全て細かく読み込みました。その中で、ここをこう変えれば被害者が減るのではないかという、自分なりのイメージを持った上で、自民党の文部科学部会ですね、宗教法人法の場合は、そちらで検討いただこうかと思っていた時に政調会長退任となりました。そういうわけですので、今は閣僚の立場でございますので、他省の所管に関わることについて私から明確にこうすべきだとか、ここをこう変えるべきだというようなことを申し上げるのは僭越だと考えております。ですから、河野大臣が消費者庁を見ていかれますので、その御活躍に期待したいと思っております。

 

(問)昨日の御自身のTwitterの件で、御自身の入閣について、つらい気持ちでいっぱいツイートされていましたけれども、この真意を伺えたらと思います。

 

(答)小林鷹之前大臣は大変な努力をされ、長い国会審議にも対応され、本当に立派に務めておられたと思います。私自身も大変親しい政治家でございます。留任していただきたかったなという気持ちがとてもとても大きかったということでございます。

 

(問)職員からしたら、あまり気持ちの良い内容ではないのかなとも思うのですが、この内容をTwitterで発信するということの理由といいますか、意義はどのように考えていらっしゃいますか。

 

(答)内閣府の職員の皆さんということでしょうか。しかし、就任したからには精一杯仕事をさせていただきます。ただ、その時の率直な気持ちを、Twitterと言っても、それ1個で完結しているわけではありませんので、前後のことも含めて書かせていただいたということでございます。正直な気持ちでございます。

 

(問)今の質問に関連してお尋ねします。2点ありまして、まず文言の確認ですけれども、Twitterで小林大臣の留任をお願いするということは、高市大臣としては辞退を申し出たという話でよろしいのでしょうか。

 それと、金曜日に閣僚の引き継ぎ式を急遽、取り止められましたけれども、その理由についてもお聞かせください。

 

(答)総理から入閣要請のお電話を前夜にいただきました。その時、第一声は「私の内閣で働いていただけますか。」というお話でした。実は少し前の話になりますが、安倍元総理とお話を直接した最後の機会に、恐らく夏の人事で私は更迭されるというのが春先からいっぱい出ておりましたので、そういうことで職を離れることになると思うといった話をした時に、安倍元総理の方から、「全く全ての役を外されるということはないように思うので、高市さん、岸田さんから頼まれたことは絶対に断らずに受けなければ駄目だよ、人事というのはそういうものだよ。」と、アドバイスがございました。

 だから、総理からの電話の最初は、「私の内閣で働いていただけませんか。」という御趣旨でしたので「はい、謹んで」ということで。その後、何を担当するのでしょうかと聞きましたら、経済安全保障だということでしたので、小林前大臣のことが頭をよぎりまして、それはやっぱり小林大臣が一生懸命やってこられたことなので、留任していただいた方が良いと自分は考えているということを申し上げました。その場合は、留任されるということになったら、私は入閣しなくても良いという意味でございます。政治家として、また議員立法に取り組んだり、どういう場所にいても、やりたい仕事はたくさんございますので、そういう話をしたのは事実でございます。

 それから、引き継ぎ式とか就任式、こういったことにつきましては、私もこれまで何度か大臣を務めてまいりました。総務省におきましてもそうだったのですけれども、基本的に私が相手に引き継ぐ場合、また相手から私に引き継ぎをする場合、いずれにしましても相手の方の御負担を減らしたいと思いましたので、相手の方が引き継ぎ式をしたいと希望された場合に、私は出ますということを言っておりました。ずっとそうしてまいりました。

 それから、自分自身の就任式や退任式につきましても、総務省にいた頃も、1回目は3年間ずっと続けて閣僚をいたしました。それでも、やはり退任式をやっていただくというと、職員の方々、立ちっ放しになります。事務次官が感謝の言葉を読み上げたり、いろいろなことがございますので、仕事の手を止めて立ちっ放しになってしまうということで、私は退任式も、それから職員の方々が部屋から出て拍手で見送ると、そういったことも全てこれまでお断りをしてまいりました。だから、就任式にしても退任式にしても、どうしても例えば前任者が一緒に出てほしいとか、そういう御希望がない限りは、職員の方々にとって負担が大きいのではないかと思いまして、これまでも基本的には御辞退をしてきたところでございます。

 

(問)今までのことに関連しますが、昨夜のツイートでは、今もつらい気持ちでいっぱいですというような書き込みがされているわけですけれども、大臣としては入閣したことについて、今もまだ迷いのようなものをお持ちだということなのでしょうか。

 

(答)つらい思いはまだございます。いろいろな意味でつらい思いはありますけれども、お役をいただいた限りは全力で働いてまいります。

 

(問)西村大臣は靖国神社に行かれた時に、英霊に安全と、それから安倍元総理を思いお祈りしたとコメントされていますが、今日は靖国神社に行かれまして、やっぱり安倍元総理というのが頭に浮かんだのでしょうか。私も実はおじを亡くしているので参拝してきたのですが、改めていろんな話をなさった元総理のことというのは参拝しながらどのようなことを思われたか伺いたいと思います。

 

(答)昇殿参拝をさせていただく前に、宮司様と別室でお話をしておりました。その時に、靖国神社にとっても安倍元総理はとても大切に思っていた存在であるということ、それから、遊就館に安倍元総理のコーナーを設けていただいたことを聞き、とても嬉しく、「ありがとうございます」というお話をいたしておりました。本殿に上がりまして参拝の時は、国策に殉じられた方々に尊崇の念を持って感謝の誠をささげました。そして、いつもそうですが、御遺族の方々が健康であられますようにと。それから、今、ロシアのウクライナ侵略によって双方とも犠牲者が出ています。これ以上戦争で亡くなる方が増えませんように。短い時間ですが、そういったことをお祈りいたしました。

 

(問)引き継ぎ式や訓示ですけれども、一旦朝、予定が組まれていたのをキャンセルされた形に僕らには伝わっているのですが、それはどういうことだったのでしょうか。

 

(答)それは予定が組まれていることを私が知らなかったということです。当然、私の意向を聞いてから日程が組まれると思っておりました。これまでも総務省でも御辞退をしてまいりましたので、秘書官とも車の中で、組閣の日は忙しくて、短い時間、話をした時に、どうしても前任大臣が引き継ぎ式をやるというのであればだけれどもということを申し上げたつもりだったのですが、夜、帰りがけに日程を渡されてバッグに入れて、次の日、休みの日だったのですが、ぱっと見たらそれが入っていたので、その後、秘書官に連絡をして、これは両方とも、小林前大臣の御希望がない限りはやめさせてほしい旨、連絡をいたしました。

 ただ、記者の皆様にはそれより前に予定が配られていたということで、その件についてはお詫びを申し上げます。私がばたばたしていたものですから、意思疎通ができないまま、日程が先に組まれていたということでございます。

 

(問)前回の科技大臣を務めた時もお世話になったのですけれども、その時は確か第3期の基本計画だったと思います。今、進行しているのは第6期ということで、多少、基本計画の枠組みが変わっていると思うのですが。第3期のスタートアップの時に確か大臣になられたと記憶しています。第6期に関して、何か御意見というか、まずどのように捉えていらっしゃって、いつぐらいから高市カラーを出されるのかなという期待もあるのですが、その辺も含めて、基本計画は固定されたものではなくて、必要ならば柔軟にということも考えられると思うのですけれども、何か課題があれば、お話を聞かせていただければと思います。

 

(答)前回と違っているというか、明らかに必要な進化をしたことといたしましては、スタートアップなどエコシステムの形成という視点が入ってきていると。ここはとても大事なことだと思っております。

 それから、いわゆる先端技術分野も、今や量子といった時代に入っていますので、前回の時とは私たちが目指していくものは随分違うだろうなと思っております。

 私自身、高市カラーがどこから出るかは分かりません。これまでの内閣府の皆様や前大臣の御努力、積み上げているものもありますから、それは分かりませんが、ただ私自身は量子の分野も相当こだわりがあります。量子コンピューターも将来的には国内で全て造れる、純国産。現在は日米で協力してということであろうかと思いますけれども、しかし、やはりリスク管理上、そういったものができる技術を日本は持っていると思います。どのようにその技術を持った事業所を優遇していくか、また国が応援するか、そういった形というのは自分なりに考えていきたいと思っております。

 また、これからエネルギー安全保障ということを考えますと、SMRですとか、それからその先は核融合、こういったことについても早めに国家のプロジェクトとしてしっかりとスタートする形ができていけば良いなと思っております。もちろん創薬力の強化など、日本にとって大事な課題もありますので、今どういうことを付け足していけるのかというのはこれからでございますけれども、しっかりと考えて参りたいと思っております。

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