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2015年11月17日 記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 おはようございます。
 今朝、官邸では、閣議と閣僚懇のみでございました。

【選挙権年齢引下げに係る啓発及び副教材の配送】

 まず最初に、選挙権年齢の18歳への引下げに伴いまして、総務省としては、若者に対する周知啓発が特に重要と考えておりまして、今後取り組んでいく主な内容について、御報告をいたします。
 12月5日の東京会場を皮切りとして、全国の9都道府県で、シンポジウムを開催します。
 若者に人気のラジオ番組とのタイアップによりまして、番組に出演しておられるパーソナリティの方が司会を務め、女性タレントもゲストとして参加してくださるというものです。
 東京会場では、私も出席して御挨拶をいたしますが、来年18歳となられる女優の「広瀬すず」さんのビデオメッセージや、ダンスユニット「エグスプロージョン」による動画をお披露目します。
 本日から特設ホームページを開設しまして、参加受付を開始します。全国のシンポジウムのスケジュール等も順次掲載しますし、「広瀬すず」さんのビデオメッセージ等も公開する予定ですので、是非とも御覧ください。
 その他の38府県におきましても、参加・体験型のワークショップを開催しまして、全ての都道府県で啓発を行ってまいります。
 それから、お手元に配布しておりますけれども、しっかりと製本が出来上がりました。先般公表しました高校生向けの副教材「私たちが拓く日本の未来」についてですけれども、本日から各高校に対して配送を開始いたします。
 12月中旬までには、全国の全ての高校へ配送が完了する予定でございます。
 この副教材を、是非とも各学校での授業で積極的に活用いただき、高校生の皆さんに政治や選挙に関する理解を深めていただき、政治意識の向上に役立ててもらいたいと思っております。
 詳細につきましては、自治行政局選挙部管理課にお問い合わせください。

【大阪府箕面市「開発事業等緑化負担税」の新設】

 大阪府箕面市から協議の申出がなされていました法定外目的税「開発事業等緑化負担税」につきまして、地方財政審議会の「同意することが適当である」という意見を踏まえ検討してまいりましたが、本日、同意をすることといたしました。
 この税は、宅地開発などの開発行為等を行う事業者に、都市環境の保全に要する費用の一部を御負担いただくものでございます。
 法定外税の新設は、平成25年3月に施行された大阪府泉佐野市の「空港連絡橋利用税」以来となります。法定外税は、本件を含めて計56件となります。
 この課税自主権の活用というのは、地方分権の観点からも望ましいものでございます。骨太の方針2015におきましても、「課税自主権の拡充を図る」とされております。
 総務省としても、今後とも、一層の活用を働きかけてまいりたいと思っております。
 詳細は、自治税務局企画課にお問い合わせください。

【地方公共団体における非常用電源の確保に係る緊急調査結果】

 本年9月の関東・東北豪雨の際、非常用電源が浸水して、自治体の庁舎における電源が喪失したという事例を受けまして、災害対策本部が設置される庁舎における非常用電源の確保状況の緊急調査を実施しました。
 これによりますと、都道府県では全団体で非常用電源が整備されています。
 しかし、市町村では265団体が未整備でございました。
 また、整備されている団体のうち浸水対策がされていないものが、都道府県で3団体、市町村で199団体みられました。
 さらに、非常用電源の使用可能時間が24時間未満の団体が、都道府県で2団体、市町村で686団体みられました。
 このため、本日、消防庁から自治体に対して、「非常用電源の整備」、「非常用電源に対する浸水や地震への対応」、「72時間分程度の必要な燃料の備蓄」等を進めるよう通知を発出いたします。
 詳細につきましては、消防庁防災課にお問い合わせをお願いいたします。
 私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース>

問: 幹事社から1問お願いします。昨日、携帯電話料金に関するタスクフォースが明らかになって、これで、これまでに3回開かれたわけですが、年内を目途に具体策をまとめるというスケジュールがある中で、これまでの議論を大臣はどう御覧になられているか。携帯電話の会社からはですね、大幅な料金引下げに関しては慎重な意見も出されていますけれども、年内に結論をまとめてですね、料金引下げにつなげる道筋などは見えてきたかどうか、教えてください。

答: 昨日の会合は、率直な御意見をいただくため、特に事業者の方々の経営戦略にも関する情報を率直にお述べいただくために、非公開で行いました。携帯電話事業者、MVNO、販売代理店の団体から、それぞれ御意見をいただきました。昨日の会合につきましては、非公開でございましたので、議論の進捗状況を含めて、内容についてお話しすることはできません。
 しかし、私たちが問題意識として共有しているのは、「携帯端末代金と通信料金の一体化によって、利用者に分かりにくくなっているということ」、「料金体系・サービスをもっと分かりやすくしたいということ」、ここのところは問題意識を共有できていると思っております。
 ユーザー側からも、そういう意見が、先般2回目の会合で出されまして、再確認することができました。
 他方、事業者側は、ほぼ同じ端末で熾烈な競争をしなければいけないということで、厳しい状況にあるということも理解をすることができました。また、各販売店におきましても、様々な工夫をいただいているということも分かってまいりました。
 この中で、基本的に、私は、ユーザーにとっても、それから携帯事業者にとっても、Win-Winであるという環境を作っていきたいと思っています。
 特に、ユーザーにとって、分かりやすくて納得感のある料金とサービスを提供していただくということ、自分が使うデータ通信量を大幅に上回る契約を結ばされてしまっているというような状況のないように、ライトユーザーや長期ユーザーにとっても納得できる料金体系は必要なものだと思っております。
 他方、事業者側にとっても、いま御指摘のありましたような、設備投資に非常に悪い影響が出てしまうということになってはいけないと思っています。
 特に、現在、スマホの普及率が約50%でございます。そして、フューチャーフォンもスマホもお持ちじゃない方が、約21%いらっしゃるという状況でございます。
 これから、携帯電話、スマートフォンは、生活インフラとしても大事です。子どもの見守りや高齢者の見守り、それからまた災害の時にも必要な物でございますし、更にIoT、インターネット・オブ・シングスというものが日本の経済成長を牽引する非常に大きな可能性を秘めたものでございますので、IoTの時代というのをしっかりと築いていくために、できるだけスマートフォンの普及を拡大していかなければいけない。
 そのためにも、「利用者が納得できる料金サービスの体系を作っていくということ」、そしてまた「事業者の方々にも工夫をしていただき、御努力をしていただくということ」、そして、あまりにも加熱したキャッシュバックですとか、補助金で事業者自体が疲弊してしまって、新たなイノベーション投資に自分たちの力を振り向けられないという状況というのは、改善していかなければいけませんから、年末に向けてという非常にタイトなスケジュールではありますけれども、かなり問題の所在というものは明らかになってきたと思いますので、タスクフォースの構成員の皆様方に、またしっかりとしたアイデアを組み立てていっていただきたいと思います。
 この結論に従いまして、私たち総務省もやるべきことをやってまいります。

問: 補足でお伺いしたいのですが、タスクフォースで上がってきたような問題点・論点というのは、ここ数年ずっと業界の中でも言われていた問題点だと思うのですが、これをどう実行させるか、実行に移させるかというところなのですが、そのための方策みたいなものは考えていらっしゃいますか。

答: ずいぶん前のことでございますけれども、過去にも一度、端末料金と通信料金を明確化すべきだという話が出て、業界内で自主努力でやってくださるという方向であったと思うのですけれども、全部の会社が足並みをそろえて取り組んでくださったということではなくて、1社が安く端末を提供して、そしてまた通信料金で回収していくという方向性を取られたら、その後、各社とも同じような方向で動き出してしまったということがございます。
 実効性の担保というのは、非常に難しい課題でございます。実際に携帯料金そのものにつきましては、既に過去の認可制から届出制になり、その届出制も廃止されていますから、事前規制というものは廃止されています。
 ただ、私は電気通信事業法第1条にございます「利用者の利益の保護」、これはしっかりとしなければいけないし、公正な競争をきっちりと行っていくという法目的をしっかり見据えながら、より実効性のある対策を、今回は考えるべきだと思っております。
 いくつかの方法があるかと思います。非常に厳しい、例えば、韓国で法律がありますけれども、あのような法律についても研究したという事実もありますけれども、ただ、ガイドラインでやるのか、また、自主規制でやるのか、いろんな選択肢があると思います。
 これは、今後、タスクフォースにおいて、それぞれの主体が抱えている様々な状況をしっかり踏まえた上で結論が出ていくべきものだと思っております。そのために、昨日非公開でのヒアリングをしました。相当率直な御意見も伺うことができましたので、大変参考になりました。
 現段階では、まだ、タスクフォースの議論の途中でございますので、総務大臣として断定的なことは申し上げられません。

<BPO委員長の主張>

問: 久しぶりの参加で申し訳ありません。フリーランス記者の上出と申します。BPOの関連で、本当は13日の会見に質問が出ていたら質問しなかったのですが、どなたも質問されてないので質問させていただきます。
 13日の朝日新聞にBPOの川端委員長の反論、意見書に対しての大臣、それから首相などへの反論という形でインタビューが載っています。このポイント、ちょっと長くなりますが、憲法21条の「表現の自由」、日本はですね、政府が直接、先進国では非常に特殊な国で、電波行政の権限を持っています。ほかはみんな独立委員会。そして、アメリカ、フランス、イギリスなどはですね、真実性を問わない、公正性とか問うことはないんです。日本とは大変状況が違うのですね。ですから、そういうこともあって、川端委員長が反論されたと思うのですが、2つお聞きしたいと思います。
 大臣がおっしゃっている行政手続法第2条の第6項、これはちょっと語弊があったら申し訳ありません。NHKの職員の方がもし不祥事を起こしたりした場合ですね、これが適用されるかもしれませんが、番組内容に関しては立ち入ってしまうと、いくら行政指導という形であっても「法的規範」ということになってしまうと、憲法第21条に触れるというのは学会の定説です。
 この辺も含めまして、川端委員長の反論への受け止め方と、それから憲法第21条の表現の自由に反していない、時々の政権で、民主党なんかは行政指導してません。そういうことも踏まえまして、どうして第21条「表現の自由」に抵触しないのかという根拠を、改めて説明していただけますか。

答: BPOはNHK及び民放連で作られた自主的に活動される機関でございますので、BPOの御見解は御見解として、私も承っておきたいと思います。
 ただ、川端委員長がおっしゃっていた主張の中で、最高裁判例を引いておられた部分がございます。放送法4条の「番組準則」は、最高裁判例、学者の圧倒的多数が「倫理的規定」という意見だという形で掲載されていたかと思うのですけれども、平成16年11月25日の最高裁判例は、旧放送法第4条なのです。今の放送法第4条ではなく、旧放送法第4条「訂正放送に関する事案」なので、今の放送法第4条の「番組準則に関するもの」ではない判決であります。この判決そのものは、第4条が「倫理規範」であるということの根拠には当たらないと思っております。全ての学者が「倫理規範」であるとおっしゃっているわけではなくて、「法規範」を有するという見解をお持ちの学者もおいでであると思っております。
 私は、「表現の自由」というのは、日本国憲法第21条で保障された基本的人権の1つでございますから、放送法第1条の「目的規定」においても、「放送の普遍不党、真実及び自律を保証することによって、放送による表現の自由を確保すること」とされていて、これを尊重するは当然のことだと考えています。
 しかし、放送事業者は、放送法第4条に定める「番組準則」、これを遵守するということも求められていると考えます。つまり、「公安及び善良な風俗を害しないこと」、「政治的に公平であること」、「報道は真実を曲げないですること」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」、この4点でございます。
 BPOの意見では、これを「法的規範」ではなく、単なる「倫理規定」だとしておりますけれども、しかし、過去の国会答弁、これは民主党政権時代の平成22年11月26日の国会答弁ですが、正しくは「法規範性を有するものである」と、この立場は変わっていません。
 その根拠として、放送法に違反した場合に、総務大臣は放送法第174条に基づき、これは一番厳しいことですが、「3カ月以内の業務停止命令」というものも出せます。普通の状態でこれを出すということは考えにくいのですけれども、放送法に違反した場合の規定というのがあるということ。
 それから、電波法第76条にも、放送法に違反した場合に、「3カ月以内の無線局の運用停止命令」を行うことができる旨が定めてあります。
 これは、放送法の規定というものが、単に努力してくださいよと、倫理的にこうあってほしいなというものではなくて、「法規範性を有すること」の1つの証左であると思っています。以上でございます。

問: ちょっと長くなって申し訳ありません。1つだけ、今、御説明いただいたことは、長い間論争にもなっていまして、その時々の政権とか大臣によって違いがあったり、恣意的になったりしてはいけないかなとは思うんですね。少なくとも高市大臣の場合は、この考え方は変わらないということで受け止めていいかと思うんですが。

答: 先ほど申し上げましたとおり、民主党政権の時にも「法規範性がある」という国会答弁がなされています。
 今、自・公政権でございますけれども、現在、私は総務大臣として第4条について「法規範性がある」と考えておりますし、この考え方は変わらないと思います。

問: 反対されているというか、学者さんたちが異論を唱えていることも承知の上でということでございますでしょうか。

答: それは、いろんな考え方があると思います。憲法を始め様々な法律について、法学者の皆様方が様々な見解を出しておられるということは、承知しています。

問: 分かりました。安保法制の時もそういう議論はありましたから、これで終わります。ありがとうございました。

答: はい、ありがとうございます。

問: ほか、よろしいでしょうか。ありがとうございました。

答: はい。どうもお疲れ様でございました。


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