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2015年12月11日 記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝、官邸では、閣議と閣僚懇に出席をいたしました。

【自治体のミスによる通知カードの未作成(1)】

 まず、皆様に御報告がございます。
複数の自治体で、事務処理の誤りによりまして、J-LISに住民情報が送られず、マイナンバー通知カードが作られていないケースが判明しました。
 その内訳でございますが、J-LISへの情報送信誤りが10世帯24人、外国人住民に係る登録誤りが83世帯160人でございます。
 まず、J-LISへの情報送信誤りでございますが、情報処理の都合上、J-LISが通知カード情報を処理中に、同一市町村内の転居等の情報は送付してはならないこととされていますが、当該団体が送付してしまった結果、J-LISに送付先情報が正常に登録されなかったというものでございます。
 また、外国人住民に係る登録誤りは、既存の住民基本台帳システムに、住民情報の一部が正常に入力されておらず、結果、送付先の情報がJ-LISに正常に送付されなかったというものでございます。 いずれも、あってはならない事務処理誤りでありまして、極めて残念に存じます。
 これらの事案は、他の団体に対しても周知・共有しまして、事務処理の再点検について、注意喚起を行います。

【平成28年度与党税制改正大綱】

 次に、税制の話でございます。
 昨日10日、自民党及び公明党の税制調査会におかれましては、協議中である消費税の軽減税率の件を除く、平成28年度の税制改正の内容を固めたところでございます。
 地方税においては、「地方法人課税の偏在是正」、「法人税改革」、「車体課税」、「農地保有に係る課税の強化・軽減」、「償却資産に係る固定資産税のあり方」などの課題につき、地方創生を支える地方税の重要性を踏まえていただいた上で、精力的に御議論をいただきました。
 その結果としまして、外形標準課税の拡充や、自動車税・軽自動車税における環境性能課税の創設など、安倍内閣の最重要課題でありますデフレ脱却と経済再生を地方から後押しをする方向で結論を出していただきました。
 また、地方法人課税の偏在是正策についても、これまでの与党税制改正大綱の方針に沿っておまとめをいただきました。このことは、全国の各地方団体が特色ある地域づくりを進めていく基盤となる地方税財源の充実確保につながるものでありまして、今後の地方創生の推進に大きく貢献することが期待できます。
 改めて、両党税調幹部の先生方に対し、敬意を表し、感謝を申し上げたく存じます。
 今後、総務省としては、与党税制改正大綱に沿って法案化作業を進め、法案の成立に向けて、丁寧な説明に努めてまいります。

【「G7学生ICTサミットin高松」の開催】

 それから、明日、香川県高松市において「G7学生ICTサミットin高松」が開催されます。
 これは、来年4月に開催する「G7香川・高松情報通信大臣会合」の最初の関連事業と言えるもので、香川県、高松市などが主催し、総務省が後援するものです。
 G7各国とEU加盟国の高校生や大学生10名が、「ICTと若者の現在」や「ICTと人類の未来」について、議論をすると伺っています。会議の冒頭で、私のビデオメッセージを放映していただくこととなりました。
 これからの社会を担う若い世代の皆様が、未来のICT社会について、活発に議論していただくことを期待しています。この結果につきましては、来年4月の情報通信大臣会合で、私から紹介したいと考えています。
 詳細につきましては、情報通信国際戦略局国際政策課にお問い合わせください。
 冒頭、私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<自治体のミスによる通知カードの未作成(2)>

問: 幹事社の毎日新聞、青木です。先ほど、最初におっしゃっていただいた件ですけれども、カードが、入力漏れがあったということですけど、これ、どこの自治体なのかということを。

答: まず、J-LISに対して情報送信誤りがあった自治体でございますが、秋田県潟上市におきまして2世帯4人分、滋賀県多賀町におきまして3世帯8人分、静岡県熱海市におきまして5世帯12人分です。
 さらに、外国人住民に係る登録誤りが発生したのは、滋賀県日野町におきまして82世帯156人分、滋賀県愛荘町におきまして1世帯4人分でございます。

問: これ、どのようにして発覚というかですね、把握されたのでしょうか。

答: 私も、今朝になって報告を受けました。それで記者会見の時間を数分遅らせていただいたのですけれども、最初の情報が出てきたのは、届かないという住民の方からの問い合わせをきっかけとして、原因をチェックしたということでございます。

問: 今後どのように対処されるのか、あと、いつ頃になったら印刷が完了し、それを初回配達ができそうなのか、お願いします。

答: まず、今回、対象となった皆様に対しましては、12月20日までのお届けを目指し、該当の市町、J-LIS、国立印刷局、日本郵便で調整を行っている最中でございます。
 今後の対処でございますが、冒頭発言で申し上げましたとおり、これは他の団体でもチェックをしていただくべきだと思っておりますので、周知・共有して、事務処理の再点検について注意喚起を行います。
 ただ、この件につきまして、J-LISにおける情報処理中に、情報を送らないということに関しましては、これまでも、J-LISから各市区町村の住民基本台帳ネットワークシステムを担当される方に対しまして、こういうことはなさらないでください、といったことで事務連絡を行っておりますが、ミスが発生したということでございますので、再度、情報共有をしっかりさせていただきます。

<NHK子会社の土地取引>

問: 朝日新聞の相原です。NHKの子会社の土地取引について2点伺います。先日、NHKの子会社が渋谷区内に350億円の用地取得の計画を進めていたところ、経営委員会から手続きの正当性や購入価格に不明な点があるという指摘が挙がって、監査委員会がヒアリングを始めることにしたという報道があります。結局、計画は中止になったようなのですけれども、この一連の件について、総務省として把握していることと、あと、大臣としてこの一連のプロセスというのは適切だったと思うかどうか、この2点を教えて下さい。

答: まず、私が最初に、非常に大きな規模の、つまり子会社による土地取得とは言いましても350億円という大規模な土地取得についての計画がある旨、情報を得たのは先週の土曜日の夜でございました。
 日曜日も更に追加的に情報を得まして、月曜日に、局長に、その時点では情報の真否が明らかではありませんでしたので、少し情報を精査してほしい、事実関係を調べてみてほしいというお願いをするとともに、放送法と突き合わせまして、仮に情報が本当であった場合にどういった問題点が有るのか、無いのか、自分なりのチェックを行いました。官邸の方には、安倍総理に面会をいたしまして、今まだ噂的な情報の段階ではあるのだけれども、こういうことが起きているようだという御報告を申し上げましたら、次の日の火曜日に、一部朝刊に報道されておりました。
 火曜日の時点におきましても、局長がNHKの専務理事からこれまでの経緯ですとか、詳しい情報を聞き取りまして、私に報告があったということで、全容を承知しているわけではないということと、引き続き詳細について確認を行っている最中でございます。
 ただ、NHKは公共放送でございます。そして、子会社に対してもNHK本体から出資をしておられます。ですから、仮に子会社で剰余金が発生した場合、子会社は納税義務を負っています。NHK本体に関しましては免除されている法人税等も含めて納税義務を負っておられますので、仮に一定の利益が出ていたということであれば、しっかりと納税していただく、なおかつ、NHK本体から出資を受けておられますので、NHK本体に対して相当の配当をされるべきなのではないかと。それが、最初私が思ったことでございます。
 つまり、NHKは、多くの国民の皆様に特別な負担金として受信料をご負担いただき、また、NHK予算については国会で御承認をいただいている、一部、予算的にも国の方で対応している、特に要請放送などについて対応しているわけでございますので、本来、子会社で儲けが出たということであれば、配当もなさり、また、本体の方でその貴重なお金を活用されて、放送法15条にあるように、よい番組を作ることであったり、国際放送などを通じて日本の良さをしっかりと発信していただいたり、様々な取組を行っていただくべきではないかというのが、私の問題意識でございます。
 NHKから現時点で局長がヒアリングをしたことでございますが、本件は、「NHKビジネスクリエイトの社長が、民間の金融機関から持ちかけられた案件であり、同社からNHKの籾井会長にも相談の上で進められてきたということ」、それから、「かねてからの課題である、子会社各社の社屋の集約を目的としたものであるということ」、「11月19日にNHKビジネスクリエイトが優先交渉権、つまり、土地の取得に関する優先交渉権を取得したが、その際、NHKから仲介事業者である民間金融機関など外部に対して、債務保証などの紙を提出した事実はない」、また、「手付け金の金銭の支払いは行っていない」、「11月25日、NHK本体から子会社9社への説明会において、籾井会長から各社に対して本件について説明があった」、「12月8日、経営委員会において、籾井会長及び福井専務理事から本件について説明したところ、経営委員会側から慎重な対応を求められた」、「以上を踏まえ、NHKビジネスクリエイトから仲介事業者に対して、購入しないとお断りの連絡を入れた」、また、「その際、違約金等の金銭の支払いはしていない」ということを聞いています。
 現在、監査委員会が、「手続の正当性や取引の妥当性」について、関係者から慎重にヒアリングを進めていると聞いていますので、まずはこの監査委員会の調査を含め、経営委員会における対応というものを注視させていただきます。
 これは、子会社による土地取得ではございますが、350億円という大規模なものであるということを踏まえれば、やはりNHK執行部から経営委員会に対して丁寧に説明を行っていただくとともに、国民視聴者に対し、きちんと説明責任を果たしていただきたいと考えております。
 放送法上の論点ですけれども、放送法第29条第1項第1号に基づきまして、子会社に対しては、経営委員会が、「協会及びその子会社から成る集団における業務の適正を確保するための体制」の整備について、議決をする職務を行うということとされています。また、監査委員会につきましても、放送法第44条第2項に基づいて、「子会社に対する報告聴取、財産状況等の調査を行う」権限を有しております。
 また、今年度のNHK予算は国会で御承認をいただきましたけれども、ここに総務大臣意見を付しております。子会社のガバナンスも含めてしっかりと対応していただきたい旨を述べております。今後も、NHKの予算・決算を国会に提出する際に付す総務大臣意見において、子会社についても言及することはあり得ます。  現在、まだ詳細について全てを把握しているわけではございませんが、私自身の問題意識を申し上げました。

<自治体のミスによる通知カードの未作成(2)>

問: 朝日新聞の内藤です。それぞれ別のことを2点お伺いしたいのですが、1点目は、最初のマイナンバーのことなのですけれども、確認なのですが、この問題が分かったのは今朝ないしは昨日であって、例の葛飾区の印刷漏れがあった時にシステム再点検をされましたが、それでは把握できなかったということでよろしいでしょうか。

答: 私が理解している範囲でございますが、システム上のことですので、今朝から説明を受けて、非常に難しかったのですが、まず、葛飾区のケースとは異なっているということでございます。
 それから、J-LISに対して、情報処理中の時期に、その同じ市町村内の転居等の情報を送付してはならないとされていたところ、送付をされてしまったということが、今回の1つの原因でございます。
 そして、先ほど、事務方に確認をこの場でさせていただきましたとおり、住民からのお問い合わせによって判明した、ということでございます。
 いずれにしましても、葛飾区の場合は、J-LISの対応に責任があったと考えておりますが、今回は、地方自治体側のかなり単純な事務処理誤りでございますので、J-LISのシステム異常に起因するという種類のものではない、と伺っております。

問: 先日の会見で、同様の事例の報告はないというのは、それはJ-LISからの印刷漏れのことを指していたのであって、今後、自治体からの情報が送れていないことに対する印刷漏れが発覚する可能性はあるということですか。

答: 現時点では、同様の報告は他の団体から受けていないということでございます。
 今回の事案の概要ですとか、先ほど申し上げましたような発生原因につきましては、他の市町村に周知と共有をして、同様の事案が出ていないか、つまり、J-LISの情報処理中に新たなものを送ってしまったりということをしていないか、ここについては、事務処理についてチェックを行うということを、改めて注意喚起をさせていただきます。

<携帯電話料金に関するタスクフォース>

問: すみません、あと1点だけ、非常に簡単なことなのですが、携帯料金の引き下げ、年内に方向性を出すということをかねてからおっしゃられていましたが、方向性というのはタスクフォースの報告書について指しているのか、それとも、それを受けて総務省として何か指針などを作るのか、アクションまでを含めて年内にやってしまいたいということなのか、スケジュールを教えてください。

答: 一昨日、総理に対しまして、これまでのタスクフォースでの議論の状況を整理したもの、概ねこういう方向で議論が集約されつつあるのですけれども、ということを報告しまして、了承をいただきました。
 今後は、16日にタスクフォースの取りまとめのための会合を開催予定でございます。その取りまとめを踏まえまして、速やかに、つまり、年内でございますが、総務省としての取組方針を策定して公表させていただきます。
 まだ、タスクフォースの取りまとめ案につきましては、現在、構成員の皆様に御議論をお願いしている最中でございますので、まだ具体的な内容がこれで確定したという事実はございません。

問: よろしいですか。では、どうもありがとうございました。

答: はい、どうもお疲れ様でございました。


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