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令和2年1月9日 ベトナム国首相との会談等終了後ぶら下がり会見

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《冒頭発言》

 

 

【ベトナム訪問の概要】

 

 皆様、こんばんは。

 日本とベトナムの関係は、政治・経済・文化など、あらゆる面で発展しています。

 また、ベトナムは、本年、国連の安全保障理事国の非常任理事国及びASEANの議長国となります。

 今回、このような、日本にとって大変重要な国を訪問し、政府や党の要人にお会いして、様々な意見交換ができましたことを大変嬉しく思っております。

 今回の出張では、総務省の総合力を発揮した海外展開を推進するとともに、ベトナムとの協力関係を一層深めるために、

  • 「フック首相との会談」
  • 「ODAによる電子政府の支援に関する署名式への立合い」
  • 「情報通信省のフン大臣との会談」
  • 「情報通信分野と郵政分野の覚書の改定」
  • 「共産党中央組織委員会のチン委員長への表敬訪問」

を実施いたしました。

 

【フック首相との会談と署名式への立会い】

 

 先程のフック首相との会談の中では、私から主に5点、先方にお伝えいたしました。

 第一に、5Gについて、十分なサイバーセキュリティ対応が最も重要であること。

 第二に、電子政府の協力に関する覚書を踏まえ、今後とも情報共有や人材育成の協力を実施すること。

 第三に、統計分野におきまして、ベトナムが採用されました総務省が開発した「オンライン調査システム」の運用のために、今後、専門家の派遣などで協力をしていくこと。

 第四に、行政相談分野につきましても、2016年4月に私が署名した覚書に基づきまして、今後も情報交換や人材育成で協力をしていくこと。

 第五に、消防機器の規格や認証制度について、研修を実施していくことでございます。

 特に、消防機器につきましては、日本の厳格な規格や認証制度の導入と、高品質で耐久性に優れた日本の消防機器の導入を働きかけました。

 さらに、今回の訪問の機会を捉え、ODAによる電子政府構築の支援条件について、ズン官房長官と梅田駐越日本大使による署名を行いました。

 フック首相とこの署名式に立ち会い、電子政府の協力関係の進捗を見届けることができたことを、大変喜ばしく思います。

 

 

【フン大臣との会談と覚書への署名】

 

 本日は、情報通信省のフン大臣との会談を実施いたしました。会談の中で、私からフン大臣にお伝えした主な内容として、3点ご紹介します。

 第一に、5Gについては、サプライチェーンリスク対応を含む十分なサイバーセキュリティ対応が最も重要であること。

 第二に、サイバーセキュリティについて、ASEAN地域のサイバーセキュリティの人材育成に、既に貢献しておりますが、今後とも貢献をしていくこと。

 第三に、スマートシティについて、ベトナムでのスマートシティの進捗を評価する指標の策定に協力をしていくこと。これは、まもなく結果が出るものもございます。

 会談後には、フン大臣との間で、情報通信分野と郵便分野のそれぞれについて、内容を拡充した新たな覚書に署名をしました。

 情報通信分野の覚書は、2010年9月に当時の大臣間で署名をし、その後2016年9月には、私が署名をして更新したものでございます。今回の改定では、サイバーセキュリティ、5G、スマートシティなど最新のテーマを協力分野として盛り込みました。

 郵便分野の覚書につきましては、2016年に副大臣間で署名されたものを、今回、大臣間の覚書に格上げをいたしました。更なる協力関係の構築に向けまして、郵便分野におけるICT活用の促進、郵便ネットワークと郵便局を活用した電子政府や電子行政サービスへのアクセスなどでの協力を明記いたしました。

 

 

【ファム・ミン・チン委員長を表敬】

 

 昨日は、日越友好議連のベトナム側会長である共産党中央組織委員会のファム・ミン・チン委員長を表敬いたしました。

 5Gでの十分なサイバーセキュリティ対応の重要性についてお話をするとともに、チン委員長が尽力しておられる行政改革について、電子政府の推進や人材育成の重要性などの観点から、意見交換を実施いたしました。

 

 

【ベトナム訪問の総括】

 

 今回の訪問によりまして、トップレベルで両国の協力の一層の推進を確認し、日本企業の海外展開促進の後押しにもつながる成果を上げることができました。

 今後とも、両国間の関係が一層深まっていって、ベトナムの経済発展や社会的課題の解決に、日本の技術や経験が一層活用されていくことを期待しております。

 

 私からは以上です。ありがとうございます。

 

 

《質疑応答》

 

 

【ベトナム訪問の成果】

 

問: 今回の訪問で、大臣、改めてどういう成果を得られたか、あるいは、総務大臣が訪問することにどういう効果や意義があるとお感じになられたか、またそれと1つだけ、それが、今後、他の国も含めてどう生かされるのか、お考えをお聞かせください。

 

答: 今回、訪問した効果でございますけれども、先程、フック首相からも日本のICT技術の信頼性について言及があり、「これからも協力関係を是非深めていきたい」、「協力をお願いしたい」といったご発言を頂きました。

 感じましたのは、フン大臣もフック首相もチン委員長も、サイバーセキュリティに対して、大変強い関心をお持ちでございます。5Gを展開するにしても、ベトナムで進めておられる電子政府を実現していくにしても、サイバーセキュリティは、大変重要な要素でございます。信頼できるベンダーを使っていかなければならない。その認識でも一致をいたしましたし、そしてまた、日本の信頼できる機器、技術を活用して頂くことについても、確信を持てる成果が上がったと考えております。

 総務大臣として、訪問したメリットでございますけれども、総務省はご承知のとおり、地方自治、情報通信、電子政府、郵便、行政管理、行政評価、統計など、様々な資源を有しております。ですから、総務省ですと行政評価局に当たりますが、行政相談の分野での協力をさらに深めていくお話もできました。

 また、フック首相とお話をしたのですが、日本の非常に厳しい法令に基づく厳格な規格と認証制度を持った消防機器、さらに、高品質で耐久性にも優れた消防機器の導入についても、良い手応えを感じることができましたので、幅広い議論ができたと思います。特に、サイバーセキュリティを含む情報通信、統計、行政相談、消防などについて、幅広く意見交換ができたということでございます。

 フン大臣が、「日本は、技術が非常に高く優れている。我がベトナムは、それを海外に展開していく、売り込んでいく能力がある。」とおっしゃっていましたので、「ASEANの議長国として、日本の優れたシステムや製品の、ASEAN諸国への展開についてもお力添えを頂けると良い。」と、お願いをいたしました。

 

 

【日本・ベトナムの相互発展】

 

問: 大臣に対しまして、2点ほど質問をさせて頂きます。冒頭ご説明されました、大臣はベトナムに初めてのご訪問ということでございまして、今回の訪問を通じましてですね、ベトナムの発展について、どういう風に受け止めているのか、また、日本・ベトナムの発展の関係につきまして、どういう風にお考えをされているのか、教えて頂ければと思います。今回のベトナムの訪問を通じまして、日本とベトナムの間において、いくつかの覚書が締結されまして、帰国された後にですね、これらの覚書を踏まえまして、どのような取り組み、行動計画、またどんな計画を具体化されるのかをお教えいただければと思います。

 

答: ご質問ありがとうございます。

 日本とベトナム双方の発展ということでございますが、今回、ICT技術を使って、特にベトナムが力を入れていらっしゃる行政改革について、日本は貢献できると感じました。

 日本もベトナムも、今年から、5Gの本格展開を始めます。日本も今年の春から商用化が始まります。日本にとりましても、サイバーセキュリティも含めて非常に重要な局面ですので、その価値観について共有できたことは大きいと思います。5Gは、遠隔医療や自動運転にも使えます。また、遠隔教育などにも使えます。これが、セキュリティ的に安全に発展すると、日本も田舎がありますが、ベトナムの地方部にも大きな発展のチャンスが訪れると考えております。

 帰国してからやることは、随分たくさんございます。

 まず、5Gにつきましては、今年の4月に、ハノイでベトナム情報通信省主催の「ASEAN 5Gセミナー」が開催される予定でございますので、総務省もこのセミナーに協力していきたいと思っております。

 また、サイバーセキュリティについては、日本が主導しましてタイに設立されたASEAN向けのサイバーセキュリティ人材育成センターがございます。ここでの研修につきまして、しっかりと、日本とベトナムで協力をしていくということもございます。

 既に昨年6月から、JICAが、ベトナムで実施しています技術協力プロジェクトがあるのですが、ここに総務省が講師を派遣してまいりたいと思っております。

 スマートシティですが、総務省が、一昨年から実証をしておりました。これは、ベトナムからのご依頼を受けて実証協力をしておりましたが、今年の3月にベトナム南部のダラット市で、スマートシティの進捗を評価するためのKPIが策定される予定です。総務省としては、策定される指標がベトナム全土で活用されるように、引き続き協力をしてまいります。

 郵便分野も相当進んでまいりまして、日本郵政とベトナム郵便の協力によって、ベトナムの郵便の質は大分向上したと聞いておりますけれども、郵便ネットワークを活用した電子マネーによる年金の支給や、社会保障国家データベースの構築で、日本企業とベトナム郵便の協働が進展中ですから、引き続き、総務省として後押しをしていきたいと思っております。

 その他にも随分たくさんやるべきことがありますが、今年の9月にベトナムで「ITUデジタルワールド」という非常に重要なイベントがございますので、この成功に向けて、日本からも代表団を派遣するなど、十分な協力をさせて頂きたいと思っております。

 

 

【ベトナムの総務省に対する期待】

 

問: 先程、フック首相との会談は、大変盛り上がったという風にお聞きしておりますけれども、フック首相との会談も含めてですね、ベトナムの日本政府とりわけ総務省に対する期待の高さについて、どのようにお感じなったかお聞きしたいのが1点と、もう1点は、今もお答えになりましたけれども、ベトナム政府との協力の今後の可能性について、その意義についてどのようにお考えか併せてお伺いできればと思います。

 

答: 総務省に対する期待の高さですけれども、フン大臣からは、「総務省は、非常に幅広いですよね、一体いつからそうなったのですか。」という質問がありました。

 平成12年の省庁再編のお話を申し上げたのですけれども、国会答弁などでは、大臣は大変です。ただ、フック首相との話の中でも、5Gの話、電子政府の話、また、統計ICTの話、行政相談の話、それから消防の話、色々な分野について総合的に協力をし合えるという話ができまして、面会したいずれの方も、総務省に対して感謝をしていただき、また期待も大きいということも感じました。

 これからの協力の可能性ですが、ASEANと日本の協力関係を深めていくこと、そしてまた、国連安保理の非常任理事国を務められますから、国際社会の中での日本・ベトナムの協力関係をしっかり深めていくことで、私の所掌分野にかかわらず、非常に広い協力関係を築いていけると感じました。

 

 

【ベトナムに対する期待】

 

問: ベトナムは、今年、国連の安保理の非常任理事国として、そして、ASEANの議長国ということで、総務大臣は、ベトナムに対する期待とか、ベトナムの今後の活躍の可能性について、どういう風にお考えを持っているのでしょうか。

 

答: 今日、様々な会談の中で、日本国政府が世界的な課題として考えていることについて、価値観が一致しているということを感じました。

 安全保障分野でもどこに脅威があるか、サイバー攻撃などの脅威に対してもどう対処していくか、こういった価値観の一致を感じました。

 そういう意味では、ASEAN諸国と連携しながら、日本はベトナムと共有した価値観を各国に発信していく、共に歩んで行くことができると思いました。

 今回の訪問で、ベトナムが大好きになりました。

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