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2016年4月12日 記者会見

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〔冒頭発言〕

 おはようございます。
 今朝、官邸では、閣議と閣僚懇のみでございました。

【地下街等地下空間利用施設の安全対策等に関する実態調査】

 本日の閣議におきまして、私から、総務大臣及び国土交通大臣に対し、「地下街等地下空間利用施設の安全対策等に関する実態調査」の結果に基づく勧告を行う旨、発言しました。
 本勧告におきましては、地下空間ネットワークにおける利用者の安全を確保するため、ネットワークを構成する施設管理者の連携による、災害時の利用者の安全確保対策の推進や浸水防止設備の適切な設置・運用の推進などを求めています。
 総務大臣及び国土交通大臣に対し、今回の勧告を受け、必要な措置を講ずるように求めました。しっかりと消防庁で対応をしてまいります。
 私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<マイナンバーカードの交付に関する指定都市市長会からの緊急要望(1)>

問: 幹事社の読売新聞から1問だけ質問させていただきます。マイナンバーについてなのですけれども、マイナンバーカードの交付時にICチップが使用不能となるトラブルを受けて、全国20の政令市で作る指定都市市長会が8日に、総務省に対して改善を求める緊急要望書を提出しています。大臣の受け止めと今後の対応について、改めてお願いします。

答: 4月8日、先週の金曜日に、指定都市市長会から総務省の事務方に対しまして、マイナンバーカードの交付に係るシステム障害の解消と周知に関して、御要望をいただきました。
 具体的には、「マイナンバー制度のシステム運用の一環を担うJ-LISに対し、これまでのシステム障害や通信集中の抜本的対策を講じ、また、状況について広く一般に周知するよう、総務省から要請されたい。」という内容でございました。
 総務省からは、指定都市市長会に対しまして、「これまでのJ-LISのシステム障害に係る当面の調査結果やその対応策」、「年度末に生じたシステムへの通信集中の現状やそれに起因するICチップの不具合及びそれらへの対応策」などについて丁寧に御説明申し上げ、意見交換を行いました。
 なお、ICチップの不具合に関する事象の対応は、J-LISにおいて既にシステム改修を実施しまして、4月8日から、まずは横浜市において適用が開始されています。
 今後は、以前も申し上げましたが、この運用状況を踏まえながら、全国でも同様の対応が取れるように、J-LISにおいて検討されると承知しています。
 総務省は、J-LISに対して、適切な事務処理について何度も要請をしてきましたが、引き続き、カード交付に係る事務が円滑に進むように、J-LISと市区町村、関係事業者との調整を、今後もしっかりフォローしてまいりたいと考えております。

<地方財政計画>

問: 自治日報という専門紙の内川と申します。地方財政についてお伺いします。
 先日の財政制度等審議会で、財務省から政府の財政健全化計画を実行するための地方財政改革の課題が示されました。その中で、地方財政の折半対象財源不足について、近く解消が見込まれるとしまして、その財源余剰を地方の歳出等に充てるのではなくて、近年巨額の地方財源不足を負担してきた国の債務縮減にもつなげるべきと主張しておりますが、これに対する大臣の御所見があればお伺いしたいと思います。

答: 国・地方を通じて、まだ巨額の赤字が存在いたします。その中で、国の財政の健全化、そして、地方財政の健全化も重要な課題でございます。
 できるだけ赤字債に頼らない形を作っていこうということで、これからも、私どもは地方の財源をしっかりと確保できるように、対応を進めてまいります。

問: もう1点、財務省の考え方の中で、交付税のトップランナー方式など、政府の財政健全化計画の歳出改革の成果を、事後的に地方財政計画に反映すべきという考え方も示していまして、要は、地方財政計画の歳出に改革の成果を反映することで、地方交付税を縮減したいということが示唆されているのかなということなのですが、これについての大臣の御所見がおればお伺いしたいと思います。

答: トップランナー方式につきましては、今年度お示しをいたしまして、国会審議の中でも様々な御議論をいただきました。
 今年度は、既に多くの地方自治体で民間委託などに取り組んでおられる事業について、行います。
 今後、追加的な事業について、どう対応するかということの検討を進めてまいります。そして、トップランナー方式によりまして、各地方公共団体が努力を重ねられ、非常に効率的に、そして、住民へのサービスが低下することのないように、しっかり対応を進めていかれると私は考えております。
 そんな中で、これから地財計画のあり方も変わっていくと思いますけれども、とにかく私は、就任以来、何度も申し上げてきておりますけれども、全国各地どこの地方に住んでも、「安全に生活ができること」、「質の高い教育が受けられること」、「必要な行政サービスがしっかりと受けられること」、そしてまた、「働く場所がある」、そういう地方が全国にたくさんできていくということが、とても重要なことだと思いますので、引き続きしっかりとした地方への財政措置というのは、行っていきたいと思います。
 また、長年、法定率の引き上げについて事項要求をしてまいりました。昨年度はうまくいきましたけれども、国も地方も大きな赤字を抱える中で難しい課題でもありますが、引き続き、法定率の引き上げにも挑戦を続けながら、地方が安定的な財源をもって運営できるよう努力を続けてまいりたいと考えています。

問: 普段なかなかお伺いできないので、重ねて恐縮なのですが、もう1点、自治体が対峙する地方一般財源総額については、大臣の孤軍奮闘もありまして、財政健全化計画におきましては、18年度までは、過去最高水準の15年度と実質同水準を確保するという政府方針が定まっておりますけれども、19年度以降は全く未定の状態になっておりまして、まさに健全化計画を進めて、この歳出改革の成果を踏まえて、19年度以降の一般財源がどうなるかということになるかと思うのですが、19年度以降についても最大限、前年度実質同水準を確保すべきという考えをお持ちかどうか、よろしくお願いします。

答: まず現在は、地方創生に向けて力強い取組を各地方公共団体が行っていただく、そのために、しっかりと国も支援していくことが重要だと考えております。また、そういう環境をできるだけ早く作っていくということが大切だと思っております。
 19年度以降の話でございますが、それは、その時の状況をしっかりと見ながら判断をしていくということでございます。

問: 最後1点、すみません。31次の地方制度調査会が、先日答申を出しましたけれども、この答申を受けて、政府として、法律改正事項も含まれておりますけれども、臨時国会での成立を目指す方針かどうか、確認したいと思います。

答: 御提言をいただきましたことをしっかりと受け止めながら、必要な法改正の準備は進めてまいりたいと思います。
 ただ、現在は、閣議決定して提出をし、今国会で御審議をお願いしております法律案の成立が第一でございますので、次、どの段階で新たな法案をお示しするかということは、今日の段階で申し上げるのは御容赦ください。

<マイナンバーカードの交付に関する指定都市市長会からの緊急要望(2)>

問: 朝日新聞の内藤です。冒頭で質疑があったマイナンバーのことで、追加でお伺いしたいのですが、今回のJ-LISが横浜市で始めたシステム改修は、全国でも同様の対応を取るということですが、総務省としてはいつぐらいまでに、全国で対応を終えてほしいと考えているのか。
 それから、これだけマイナンバーカードの発行が滞って遅れてしまった結果、夏ぐらいをめどにとりまとめを予定しているマイキープラットフォーム構想や、来年1月に予定されているマイナポータルの開設など、ほかのスケジュールに影響してこないのかというのを教えてください。

答: 今回横浜市でまず実施しているものでございますが、これは各団体の要望を伺いながら、順次対応してまいります。
 それから、マイナポータルですとかマイキープラットフォームですが、これは、両方ともマイナンバーカードを取得していただいて、そこに搭載されております「公的個人認証」を活用していただかなければなりません。また、マイナポータルなどに対しても、カードリーダーなど、アタッチメントを付けて活用していただくということになります。
 ただ、マイナンバーカードの取得そのものは、義務づけられているわけではございません。積極的に活用したいとおっしゃる方に対して、マイナンバーカードを使えばこんなに便利なことがあるよという、私どもからの提案でございます。
 今回の発行の遅れについて、実際、マイナポータルの実施ですとか、マイキープラットフォームの実現に向けて、まだ準備期間がかかりますので、それほど大きな影響になるとは思っておりません。
 ただ、来年までトラブルが続くようでは、これはもうとんでもないことでございますので、J-LISにおかれまして、適切に、迅速に対応をしていただきたいと思います。
 システム改修、それから、問題点のチェック、再発防止策、「もう大丈夫だよ」という状況になるということに向けての御努力は、各ベンダーとも大変なことだと思いますけれども、総力を結集して取り組んでいただきたいと希望しております。

問: ありがとうございました。

答: どうもお疲れ様でございました。


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