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2016年9月7日 「台風第10号被害による岩手県訪問」における記者会見

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〔冒頭発言〕

 記者の皆様、お疲れ様でございます。
 まずは、今般の「台風第10号」による大規模な浸水被害で、現時点で全国で18人の方々がお亡くなりになりました。また、いまだ行方の分からない方々もいらっしゃいます。
 まずは、お亡くなりになった方々に心から哀悼の意を表しまして、そしてまた大変な被害を受けて、今も避難中の方々もおられます。心からお見舞いを申し上げます。
 本日、これまで、達増岩手県知事及び伊達岩泉町長との面談、そして、ヘリによります岩泉町の被災現場の確認、そしてまた、避難所を訪問させていただきまして、避難者の皆様のお声を伺いました。さらに、消防職団員の皆さん、それから通信事業者の皆様に感謝の気持ちをお伝え申し上げました。短い時間ではございましたけれども、私自身が被災地の皆様のお声を伺うことができました。
 本当にまだまだ大変な中で、御対応いただきました多くの皆様に感謝を申し上げます。
 私自身が被災地の状況を拝見しまして、やはり改めて痛感しましたのは、近年の気象変動によりましてですね、過去には想定できなかった、大変な短時間で集中豪雨というものが起きている中でですね、なかなか過去に作られたインフラの状況がそれに追いついていかない、という状況があるかと思います。
 今までは、安全だとされた場所においても、様々な可能性を考慮した災害への備えが必要だと考えております。
 また、御町内でも大きな被害が広範囲にわたっております。知事、町長からも、財政的な支援についての強い御要望をいただきました。
 被災地の災害復旧・復興に向けて、私自身も、既に9月1日(木)に総務省幹部会議を開いたのですが、この中で、「被災地の応急対策・復旧対策への支援」を既に指示いたしております。
 しかし、本日の視察を受けまして、総務大臣として、今から申し上げます2点を表明させていただきます。
 1点目は、「財政支援」につきましてでございます。
 先週の「台風第10号」の発生以降、被災自治体の御要望を伺ってまいりましたけれども、今回、災害救助法が適用されました岩手県久慈市、岩泉町を含む岩手県内7市町村、北海道内20市町村から、資金繰り支援に係る御要望がございました。
 この御要望に早急に対応するように、自治財政局に指示をしまして、今週9日(金)に交付決定、そして、12日(月)に現金交付というスケジュールで、普通交付税の繰上げ交付を行います。
 また、本日もお話しを伺いましたが、災害復旧のための地方債や、特別交付税による措置を講じまして、被災自治体の財政運営に支障が生じないように、対応をしてまいります。
 2点目でございますが、「地域防災計画の再点検」でございます。
 既に、地域の防災体制を再点検する必要性、そして都道府県知事にその旨要請するということを、先日来申し上げてまいりました。
 この要請通知を、本日夕方、消防庁より発出することといたしました。
 具体的な要請内容でございますが、「避難勧告の客観的基準の設定」や、「発令に対する都道府県の助言体制」など、そして「都道府県による市町村防災体制の把握」、「地域の実情を踏まえた指定緊急避難場所の指定」、「住民の方々がとる避難行動の理解促進」、「多様な手段による住民の皆様への情報伝達」といったことにつきまして、再点検をいただきます。
 また、省庁横断的に、今回の「台風第10号災害」を踏まえた対応をこれからとっていくということのため、内閣府(防災担当)はもとより、厚生労働省、国土交通省、気象庁などといった関係省庁と連携をしまして、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。先日、5日(月)に課長級の会議が開催されたところですけれども、この会議で、地域防災計画の再点検結果もしっかりと共有をしまして、関係省庁と連携した対応を検討してまいります。
 私からは以上です。


〔質疑応答〕

<普通交付税の繰上げ交付総額>

問: NHK山本と申します。大臣が仰っておられた1点目なんですけれども、普通交付税について繰上げ交付ということなんですが、これは11月分ということだと思うんですが、総額でいくらくらいになるんでしょうか。

答: 11月定例交付分の繰上げ交付ということですが、交付決定は9日(金)ということでございますので、規模感、また、それぞれ繰上げ交付をさせていただく市町村の内訳については、その時に発表させていただきます。

<避難指示等の発令の仕方の見直しの可能性>

問: 地元のIBC岩手放送の高橋と申します。大臣にこういう機会なので一点お伺いしたいのですが、今日夕方、都道府県の方に要請されるという地域防災計画の再点検についてですが、避難指示ですとかそういったものの指示は市町村がやる(発令する)という枠組みがあるわけです。今回は、それを再点検して、助言体制ですとか、情報の収集とかそういったものに、もう一度ゼロから取り組み直していこうということだと思うんですが、今回のこういった取材を経験して見ると、果たして市町村長がこのレベルのこういったような災害に対して、避難指示とか避難勧告とかっていうのを出せるのかというのを非常に疑問に思っていまして、今日出していただくものは、あくまでも今までのものを再点検するということなんですが、新たに発令の仕方そのものを見直していく可能性はどうなんでしょうか。

答: その地域によって、例えば河川の形状も違います。そしてまた砂防対策ですとか、それから治水対策の進捗状況も違います。のり面の状況も違います。
 一番地域に身近な市町村長が、地域の実情に応じて、適時的確にこの避難準備情報ですとか、避難勧告、避難指示を発令していただく必要がございます。
 ただ、私がこの問題意識を強く持ちましたのは、私自身も奈良県で5年前に、台風12号による紀伊半島の大変な災害を経験しています。
 その時に、やはり過去には想定できなかった水の流れっていうのがありました。川の水が下流から上流に向かって逆流していったり、そして、山の斜面の真下っていうのは、これは土砂災害の起こる可能性があるので、多くの方が注意をしておられるのですが、土砂災害が起きて、その崩れた土砂が川の水をはね飛ばして、対岸が破壊されるという状況が多く見られました。そうすると、安全だと思っていた避難場所、安全だと思っていた住まいが必ずしも安全じゃなかったと。また、下流から上流に逆流していきましたから、上流の方も安全ではなかったと。
 そして、岩泉町の御町内でも起きましたけれども、奈良県も森林王国でございますから、たくさん山で木を切り出してですね、それが搬出できない、急峻な地形ですから、ヘリなどで搬送をしなければいけないんですが、搬出しきれないで積んである木が、流木となって水位が上がった時にですね、まさに流木が凶器となって橋げたを破壊していく、また川べりの道路や住宅を破壊していくと、こういったことが起きました。
 この気候変動というのもここ数年間で、大変顕著だと思うんです。雨の降り方も、これはもう山間部、地方だけではなく、都市部においても雨の降り方というのは尋常ではありません。その中で新たに、今まではそれほど注意をしなくても、水位もこれくらいまでだろうと思っていたような河川も含めて再点検していただく必要っていうのがあると思います。都市部においても、下水道などのキャパですね、こういったものと、あとは道路の舗装の方法ですね、これも高速道路なんかでも川状になって、とても安全な運転ができない状況というのが出てきておりますから、やはり全国的に、それぞれの市町村が市町村の実情に応じて、しっかりと再点検していただく一つの機会だと思っております。
 具体的には、今年の12月末までに、しっかりと再点検をしていただき、消防庁の方でそれを集約し、先ほど申し上げましたけれども、関係省庁とも情報を共有しまして、やはり地域防災計画の見直しが必要だと、いろんなマニュアルの見直しが必要だというところは、避難場所の位置も含めて、しっかりと見直しを年度内にしていただくということを目指しております。おそらく、来年も豪雨はあるでしょうし、これからも台風もありますので、一刻も早く、再チェックにかかっていただきたい、こう考えております。
 また、県と市町村の連絡体制もしっかりととれるように、この点も再点検していただきたいと考えております。

<避難等の体制>

問: 朝日新聞の井上と申します。台風13号の関係で、今日、町長とのお話の中で、大臣から何か避難等の体制について言及されたのかお聞きしたい。
 というのが、この前の台風12号の時に、避難準備情報から避難指示に格上げした際に、何もなくて当時被害もなくて、避難した町民の方が結構帰られていたみたいですけれども、その後、町にですねお叱りの声が「何もなかったじゃないか」という声が寄せられたということを町長が仰っていたんですけれども、小さい町だけに、あるいは役場と町民の距離が近いだけにですね、そういう声が寄せられて、躊躇することにつながってしまうんじゃないかというようなことも考えられるんですけれども、その点で何か言及されたのであれば教えていただきたい。

答: 今日は、消防の方々にお礼の言葉を申し上げた場でも、そして町長と御一緒させていただいた場でも、「台風13号」のことについては言及させていただきました。今日、私がこちらに伺った理由の一つでもございます。
 と言いますのは、今まだまだ捜索活動も続いておりますけれども、だいたい災害発生してから一週間くらい経ちますとね、知事さんや市町村長さんが東京まで出て来られて、これからの復旧に係る財政措置などの御要望をいただくことが多いのです。しかし、私としては、首長の皆様に地元をまだ離れていただきたくないという思いが強くございました。まだ台風13号の進路についても、私も天気予報で心配しながら見ている状況でございますが、万が一、地盤が緩んでいる状態の中で直撃をする、また前線の影響でまた大変な雨が降るということになりますと、災害発生の可能性もあります。そしてまた、的確に避難の勧告をしていただくという場面もあるかと想像いたしましたので、むしろこちらから御要望をお伺いに上がりました。

問: よろしいでしょうか。

答: 御地元のマスコミの方も、毎日、御取材や多くの県民の方々に情報を伝えることでお疲れのことと思いますけれども、お身体を大事に御活躍くださいませ。改めて、心からお見舞い申し上げます。ありがとうございました。


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