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2016年12月22日 記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝、官邸では、国家安全保障会議、閣議、閣僚懇、SDGs推進本部がございました。

【平成29年度予算政府案の閣議決定について】

 本日、平成29年度予算の政府案が閣議決定されました。
 地方財政対策においては、先日も申し上げたとおり、前年度からの繰越金がないなど、近年にない大変厳しい状況の中で、地方交付税について16.3兆円程度を確保するとともに、概算要求時点において0.9兆円の増と見込まれていた臨時財政対策債の発行額も0.3兆円の増にとどめることができました。
 また、一般財源総額については、社会保障の充実分の確保も含め、前年度を上回る62.1兆円を確保するなど、地方団体の皆様のお声に応えることができたと考えています。
 地方交付税繰入を除いた一般歳出は、6,101億円を計上しました。
・地域への「ヒト・情報」の流れを加速する「チャレンジ・ふるさとワーク」など「地域経済好循環推進プロジェクト」の更なる展開
・携帯電話エリア整備や無料公衆無線LAN環境の整備など、地域のICT基盤整備の加速
・IoTプロジェクトへの支援や次世代人工知能技術の研究開発など、生産性向上につながるIoT・AI等の活用推進
・熊本地震などを踏まえた緊急消防援助隊や消防団の充実など、消防防災体制の強化
・サイバーセキュリティを担う人材の育成に取り組むためのナショナルサイバートレーニングセンターの構築 ・ビッグデータ等を活用した新たな消費関連指標の開発
などの施策について、予算の充実・重点化を図ることができました
。  国会での御審議を経て予算成立のあかつきには、これらの予算を最大限活用して、総務省が対応すべき多岐にわたる課題に対して、全省を挙げて取り組んでまいります。
 予算案の詳細につきましては、この後、大臣官房会計課から説明がございます。

【ワンストップ・カードプロジェクト アクションプログラムの公表】

 本日、「ワンストップ・カードプロジェクト アクションプログラム」を取りまとめましたので、公表いたします。
 マイナンバーカードの普及促進のためには、多くの国民の皆様にカードの利便性を実感いただくことが不可欠です。
 このため、この「アクションプログラム」におきましては、「戸籍や住民票などの証明書に関するコンビニ交付」、マイナポータルを活用した「子育てワンストップサービス」、「マイキープラットフォーム」の全国展開に向けた方策を盛り込みました。
 「コンビニ交付サービス」については、未導入市区町村の「経費負担が重い」という声を踏まえ、システム改修経費の最大約5割程度の削減を可能とする「廉価版クラウド」の導入を始め、「J-LISへの負担金」、「コンビニへの手数料」などの負担緩和を行うとともに、地方財政措置の拡充も実施いたします。
 また、庁舎や郵便局にも証明書交付端末を設置するなど、国民の皆様の利便性向上に取り組むことにしています。
 これらの施策を通じまして、平成31年度末までに、コンビニ交付サービスに参加する市区町村の人口が1億人を超えることを目指します。
 なお、最新の数字で申し上げますと、12月15日現在で、参加していただいているのは291団体、サービスに参加している市区町村の人口は5,962万人となっています。
 「子育てワンストップサービス」につきましては、各自治体における子育て4分野、「児童手当」、「保育」、「母子保健」及び「ひとり親支援」に関する手続を、マイナポータル上で一覧・検索し、オンラインで提出することができるサービスとして、来年7月からの全自治体での導入に向けて、取り組んでまいります。
 具体的には、導入に係る自治体のシステム改修費などについて地方財政措置の対象とし、子育て施策所管省庁より事務フローの変更点について自治体に提示するとともに、自治体で必要な実施作業項目を具体的に記載したガイドラインを作成するなど、自治体での導入準備を支援します。
 「マイキープラットフォーム」については、マイナンバーカード1枚があれば、様々な利用者カードとして活用することもでき、クレジットカードなどのポイントやマイレージを商店街での買い物やオンラインでの地域の産物購入などに活用できるようにするためのシステム構築に、来年8月を目途に取り組んでおります。
 現在、自治体をはじめ、全国の図書館や美術館、大学、商店街などの皆様と、利便性向上のための意見交換を始めています。
 いずれにしても、「マイキープラットフォーム」は、クラウド技術を活用して、自治体などのシステム改修の負担がないように準備をしており、できるだけ多くの皆様に実証事業への参加を呼びかけたいと思っております。
 詳細は、自治行政局住民制度課をはじめ、関係の事務方にお問い合わせをください。

【「情報難民ゼロプロジェクト報告」の公表】

 次は、「情報難民ゼロプロジェクト」についてです。
 昨今、甚大な被害をもたらす自然災害が頻繁に発生していることを踏まえ、「災害弱者とされる外国人や高齢者の皆様に適切な避難行動をとっていただくためには、災害に関する情報を確実にお届けすることが必要」との問題意識から、今年9月にプロジェクトを立ち上げ、内閣府防災担当や観光庁の参画も得ながら、集中的に検討を進めてまいりました。
 今般、このプロジェクトの報告が取りまとまり、外国人や高齢者の皆様の利用者側の視点から情報が必要とされる「23の場面」ごとに、「現状における課題」や「2020年に目指す姿」、その実現に資する「総務省関連施策」、「アクションプラン」などを整理しました。
 2020年に目指す姿の一例を申し上げますと、外国人の皆様につきましては、空港や駅などのターミナル施設において、「スマートフォンアプリ」や「デジタルサイネージ」を活用して、災害情報を多言語化・視覚化するほか、119番通報や救急搬送時の「3者間同時通訳」を全国で実現し、安心して救急サービスを受けていただけるようにします。
 また、高齢者の皆様については、「防災行政無線の戸別受信機」や「コミュニティ放送を活用した自動起動ラジオ」などがご自宅に配備され、災害時に情報を確実に届けられるようにするほか、防災行政無線の屋外スピーカーから流される情報を聞き漏らしても、電話等で確認することができる「自治体テレフォンサービス」の取組を横展開して、確実に把握できるようにします。
 こうした2020年に目指す姿を実現するため、総務省の関連施策について、平成29年度予算案において所要額を確保するとともに、今後もPDCAサイクルを回すことにより、着実に実行してまいります。
 詳細につきましては、大臣官房企画課にお問い合わせください。

【「消防団員入団促進キャンペーン」について】

 消防庁ではこれまで、毎年1月から3月までを「消防団員入団促進キャンペーン」期間と位置づけ、消防団員の入団促進に関する広報の全国的な展開を図っています。
 本年度は、特に、学生、女性をはじめとした入団促進や、事業者の理解促進等を重点事項として、地方公共団体等と連携して展開します。
 学生・女性を対象としたポスター等を、今年度初めて作成しました。また、入団を呼びかける動画を総務省動画チャンネルで公開します。
「学生消防団活動認証制度」の導入団体が、来年4月には165団体となる見込みでございますので、学生の皆様の入団を一層促進してまいります。
 なお、詳細は、消防庁地域防災室にお問い合わせください。
 このポスターですが、実在の大学3年生の学生さんです。「私、実は消防団員」という方に登場していただきました。
 この女性は、銀行員の方です。女性消防団員でございます。
 こちらは、建築板金工の方で、消防団員でいらっしゃいます。
 これまでも経済団体にも御協力を呼びかけてまいりましたが、各大学でこれをプリントアウトして貼っていただいたり、各事業所などに貼っていただけると、とても嬉しいなと思っております。
 私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<高齢者や外国人への災害情報提供の取組>

問: 幹事社の共同通信の佐伯から1問お聞きいたします。「情報難民ゼロプロジェクト報告」に関連してお伺いいたします。今後、総務省として、高齢者や外国人への災害情報の提供にどう取り組むか。特に訪日外国人観光客への災害情報の提供に関して、観光庁や内閣府防災担当等とどう連携を図っていくお考えかお聞かせください。

答: このプロジェクトには、内閣府防災担当や観光庁にも参画をいただいており、施策の実施にあたりましても、関係省庁としっかり連携して取り組んでまいります。
 私自身、今年9月の「台風第10号災害」直後に、岩手県岩泉町を視察した際、今までは安全だとされていた場所においても、様々な可能性を考慮した災害への備えが必要だということを実感しました。
 また、自分の地元の状況を見ましても、高齢者の方がお一人住まいの御家庭が増えてきている。聴力が弱っていて屋外スピーカーの音が聞き取れないですとか、今は、住宅の防音性が高くなっていますので、若い方でも聞き取りにくいとか、色々なことを私自身も体感しております。
 そのため、「多様な手段による住民の皆様への情報伝達」の検討を、事務方に指示してまいりました。
 高齢者向けには「戸別受信機などを整備し、情報伝達効果を検証するなどの実証やガイドラインの策定」、「防災行政無線の導入促進に向けた技術的な検討」に取り組んでまいります。
 また、外国人向けには、「災害情報の地図やピクトグラムなどの視覚化に向けた実証やガイドラインの策定」などを行うとともに、特に避難に関する情報など「災害に関する情報の多言語対応」が重要だと考えられることから、内閣府及び観光庁と連携して、実態とニーズをしっかりと把握しながら、具体的に検討を進めます。
 このプロジェクト報告に記載された施策を着実に実施するために、平成29年度予算案においては関連予算として、所要額約70億円を確保するとともに、定期的にフォローアップを行ってまいります。

<沖縄県の辺野古訴訟に関する見解>

問: 自治日報という専門誌の内川と申します。沖縄県の辺野古訴訟に関して国と地方の関係につきまして、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
 今回の訴訟では、国と地方は2000年の地方分権改革によって、対等・協力の関係になったという主張があったかと思います。確かに機関委任事務の廃止とか、関与の法定化によって、理念的には国と地方は対等・協力の関係になったと言えるかと思います。ただ、法的には現行憲法の規定等の関係もありまして、協力関係はともかく、法的に対等と言えるかどうかということについては、様々な見解があろうかと思います。
 そこで大臣にお伺いしたいのですが、国と地方の関係は、法的に対等と言えるかどうか、お考えあればお伺いしたいと思います。

答: 今回の最高裁判所の判決についてですが、総務省は訴訟の当事者ではございませんから、その判決についての見解を申し述べることは差し控えさせていただきます。
 国と地方が対等かどうかとのお問い合わせでございますが、憲法に地方自治はしっかりと位置づけられているものです。
 そのような中、今回の件に関しては、日本は法治国家ですし、確定判決がございました。今年3月の和解の趣旨もございましたので、これは主に官房長官を中心に色々なお話し合いをされていると思いますけれども、あくまでも法治国家という建て付けの中でお考えをいただくことだと思います。
 これを見て国と地方が対等ではないとか、対等かとか、そういう議論に結びつく話ではないと私は考えています。

問: ほかはよろしいでしょうか。では、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

答: お疲れ様でございました。


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