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2017年7月7日 記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 

 皆様、おはようございます。
 今朝、官邸では、閣議、閣僚懇のあと、福岡県・大分県等の大雨に関する関係閣僚会議、そして、マイナンバー制度の情報連携に関する主要関係閣僚会合に、出席をいたしました。
 そして、総務省では第2回総務省災害関係局長級会議を行いました。その内容につきましては、既にブリーフィングが終わっているかと思います。


【平成29年6月30日からの梅雨前線に伴う大雨等に係る総務省の対応】

 

 平成29年6月30日からの梅雨前線に伴う大雨などの被害により、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 特に、大分県日田市においては、日田市消防団員が、その活動中に土砂崩れに巻き込まれ、お亡くなりになりました。地域住民の皆様の安全を守る活動中であったとのことで、大変痛ましく、悲しく存じます。
 消防庁では、大雨による被害の大きい福岡県と大分県に「緊急消防援助隊」を派遣し、福岡県においては、8府県から出動した「119隊443名」、大分県においては、9県から出動した「91隊366名」が、地元消防機関や県内の消防応援隊と協力し、孤立集落の住民の皆様の安否確認、被害状況の調査や救助などの活動に全力を挙げて取り組んでいただいております。
 また、総務省では、福岡県、大分県などの各地において、エリアカバーに影響が出ている携帯電話サービスについて、携帯電話事業者と連携を取りながら、復旧等に向けた調整を行っています。
 放送についても、各社様に、大変御苦労をおかけいたしましたけれども、停電等、様々な状況がある中、復旧に向けての取組が進んでおります。
 これまでの大雨で地盤が緩んでいる地域や、増水している河川がございますため、本日7日も、土砂災害、河川の増水や氾濫に、引き続き厳重な警戒が必要でございます。
 総務大臣としましては、引き続き「人命の救助」と「被害の拡大の防止」を最優先として、被災された皆様を支援するためにも、対応に万全を期してまいります。
 また、今回の豪雨によって被災した団体においては、まずは応急対策などに財政負担が生じることが見込まれます。
 これらの対策に係る当面の円滑な資金繰りのために、「普通交付税の繰上げ交付」について、災害救助法が適用された4団体から既に御要望をいただいております。
 できるだけ迅速に交付決定すべく、所要の手続きを進めるよう、事務方に指示をいたしました。
 更に、他の被災団体の御要望もしっかりとお聞きし、適切に対応してまいりたいと存じます。
 これに加えまして、被災団体の実情をお伺いしながら、地方交付税や地方債による地方財政措置を講じまして、財政運営に支障が生じることがないように適切に対応をしてまいります。


 【「情報難民ゼロプロジェクト アクションプラン」6月末の進捗状況

 

 「情報難民ゼロプロジェクト アクションプラン」の進捗状況について、お知らせをいたします。
 このプロジェクトは、外国人の方々や御高齢の皆様が、災害時の情報伝達面で直面されるであろう課題について解決しようとするものでございます。
 これは、私自身が一人の生活者として、「広範な政策資源を持つ総務省の力で何とか解決できないか」と取り組んできたプロジェクトの一つでございます。
 内閣府(防災担当)や観光庁にも御参画をいただいて、「各省連携・部局連携」を進めながら、昨年12月末に整理、公表いたしました。
 今年の仕事始めに、私は、「PDCAサイクルを徹底的に回す」という目標を、事務方と共有いたしました。
 2020年までの間、概ね半年ごとになるかと思いますが、定期的なフォローアップを行うこととし、その都度、関連施策の見直しや新規施策の検討を行うとともに、プロジェクトの進捗度合いなどについてお知らせしてまいります。
 今回は、第1回目としまして、今年6月末時点での進捗状況を取りまとめました。
 まず、外国人の皆様につきましては、119番通報に多言語で対応できる「三者間同時通訳」が、新たに36消防本部で導入されました。今月には、日本で最も外国人が滞在するエリアを管轄する東京消防庁でも導入をしていただきました。奈良、和歌山、鳥取、山口、佐賀の5県では、県の全域で対応が完了しました。
 また、4月に御紹介したと思いますが、救急現場での円滑なコミュニケーションに資する「救急ボイストラ」についても、既に134本部で導入されています。
 引き続き24時間・365日、言葉の壁を越えて消防・救急サービスを受けられる環境の整備を進めてまいります。
 また、御高齢の皆様につきましては、消防庁と総合通信基盤局が連携をして、「防災行政無線の戸別受信機」の低廉化や整備費用の低減を図る方策を取りまとめました。
 また、「コミュニティ放送を活用した自動起動ラジオ」につきましては、全国27の導入事例を取りまとめまして、活用していただけるようになりました。本日併せて公表いたします。
 引き続き、市町村による「戸別受信機」や「自動起動ラジオ」の配備・促進に向けて取り組んでまいります。
 さらに、今回、「情報難民ゼロ」を目指す対象として、新たに、「視覚障害者」、「聴覚障害者」、「言語障害者」の方々を追加することとし、7つの「関連施策」を位置づけて「アクションプラン」を作成しました。
 「2020年に目指す姿」の一例を申し上げますと、「聴覚障害者」、「言語障害者」の皆様が、「全国版救急受診アプリ『Q助』」を活用して、自らの症状の緊急度を迅速・的確に把握し、すぐに救急車を呼ぶなど、必要な対応を取ることができるようになり、また、音声によらない119番通報を可能にする「Net119緊急通報システム」が導入され、いつでも、全国どこからでも円滑な通報ができるようになるといった、スマートフォンなどを通じて消防サービスを適切に受けられるようにしたいと存じます。
 このプロジェクトは、私が日頃から意識しております「生活者視点」、「各省連携・部局連携」、「PDCAサイクルの徹底」を体現した意義深いプロジェクトであると考えております。
 引き続き、「アクションプラン」を着実に実行してまいります。
 詳細は、大臣官房企画課にお問い合わせをください。


 【「高速道路における逆走防止対策の推進に関する調査」

 

 本日、私から国土交通大臣に対しまして、「高速道路における逆走防止対策の推進に関する調査」の結果に基づく通知を行いました。
 高速道路の逆走防止対策が本格化した平成27年以降も、逆走事故が多発しておりますため、行政評価局長に調査を指示したものでございます。
 主に、逆走対策が終了した道路について、実際に走行をしながら課題を洗い出した調査でございます。
 国土交通大臣に通知した内容としましては、「標識や看板などの設置位置の見直し」、「逆走の未然防止に資する周知啓発の推進」、「民間企業などの意見を参考とした先進的な逆走防止技術の推進」などの検討を進めていただくということでございます。
 この通知によりまして、国土交通省で進めていただいております逆走防止対策の効果が、より一層大きなものとなりますことを期待しております。
 行政評価局に御確認をいただきたいと存じます。
 私からは、冒頭、以上でございます。

 


〔質疑応答〕

 

<NHKのネット同時配信に対する放送法上の課題>

 

問: 7月幹事社の朝日新聞、上栗です。1問よろしくお願いします。NHKが2019年の開始を目指しているネット同時配信について、先日から、坂本理事や上田会長が、本体業務として行うという可能性に言及しています。通信の業務はこれまで補完業務と位置づけていたわけですけれども、受信料で行う本業というふうに位置づけることになりますが、放送法上の問題や、あるいは解決すべき課題など、大臣の御所感についてお聞かせください。


答: NHKの有識者会合が、「常時同時配信が実現した場合の財源のあり方」について、考え方の案を示しておられることにつきましては、「受信料の公平負担の徹底」や「受信料体系」についての考え方がセットで示されていません。また、常時同時配信を行うニーズや意義、そして、サービスのイメージが具体化されていません。このような議論の前提となる課題がまだ多く残ることから、NHKには、検討の加速化をお願いしております。
 そして、NHKとしてのお考えですが、上田会長が昨日の会見でおっしゃいましたように、直ちに放送の「補完」としての位置づけを転換する趣旨ではないと理解をしております。
 今、御質問のありました常時同時配信を「本来業務」として位置づける考え方については、私は、多岐に渡る課題があると考えております。
 NHKがお使いになった「受信料型」という言葉の意味合いが明確ではないのですが、放送法第64条が「協会の放送を受信することのできる受信設備」の設置者に対して契約の締結を義務づけている規律を、「放送」ではなく、「通信」である常時同時配信の受信者にも適用したいとの御趣旨だとすれば、現行法上、「通信」と「放送」は全く別の概念でございまして、それぞれ異なる規律が課されておりますので、相当な議論が必要になる点だと思っております。
 また、「ネットの公共性」についてもNHKから指摘がありましたが、インターネット上で公益性のある情報の発信を行っているのはNHKだけではございません。専務理事の御発言の意味するところが、まだ私にとっては明確ではございませんし、法律上の位置づけもございません。
 いずれにしましても、これはNHKにおいて諸課題検討会と問題意識を共有していただきながら、引き続き検討を急いでいただきたいと考えております。


<マイナンバーの情報連携の意義>


問: 時事通信社の奥平と申します。マイナンバー制度に関して1点お伺いしたいのですけれども、今月に情報連携の方が始まりますが、開始に当たっての関係機関の連携の構築に向けての意気込みであったり、改めてスタートに当たって、大臣、情報連携への思い入れ、改めて意義について、併せてお願いします。
答: 本日の閣議後、マイナンバー制度に関する主要閣僚間で、「情報連携」の試行運用や本格運用が迫っておりますので、ここに向けて各府省が責任を持って進めていただくべき作業内容や、今後のスケジュールの確認を行わせていただきました。
 具体的に、「情報連携」については、7月18日から試行運用を開始し、3か月程度の試行運用期間を経て、本格運用を開始する予定であることについて確認しました。
 マイナンバー制度の「情報連携」は、地方公共団体や国の機関など、5000を超える機関が関係するものでございます。
 当面は試行運用でございますけれども、本格運用後は、対象となる行政手続きにおいて、これまでは提出が必要であった「住民票の写し」や「課税証明書」などの書類の省略が可能になりますので、多くの国民の皆様にとって利便性が高まり、また、行政の効率化にも資するものだと思っております。
 本日、会議を開催したのは、各省で担当局長の異動が行われ、また、その後、担当課長なども人事異動がある可能性もあると考えましたので、「情報連携」の円滑な開始に向けて、その期間は少なくとも、各大臣がしっかりと職員を指導し、進捗管理にも責任を持っていただきながら、関係府省一丸となって取り組んでいきたいと考えたものでございます。


<日欧EPA交渉における中核市での政府調達の扱い>


問: 時事通信の増渕です。日本とヨーロッパ連合との間で行われていました経済連携協定が大枠合意となりました。総務省関連では、中核市における政府調達の扱いが焦点になっていると思いますけれども、これの結果と、あと、地域経済への影響についてお聞かせください。


答: 今回のEPA交渉におきましては、自治体に関する政府調達が、論点の一つとなっておりました。
 しかし、現在、都道府県・指定都市に適用されている「WTO政府調達協定」のルールを中核市等に拡大した場合、地域経済に大きな影響がある懸念が指摘されていました。
 こうした点を踏まえまして、政府として交渉を進めてまいりましたが、「WTOルールの中核市以下への拡大」ではなく、「中核市の一定の入札に限って特別なルールを適用」することになりました。
 具体的には、建設工事以外の物品・サービスの調達を一般競争入札で行う際に、これまでどおり、入札参加者の事業所の所在地を資格要件、つまり「地域要件」として設定することは可能にしながらも、EU所在事業者も参加できることとなりました。
 また、WTOルールにありますような、英語による公告ですとか、公告期間の40日以上確保などのルールについては、適用しないことになりました。
 「日EU EPA交渉」全体の状況を踏まえまして、EUからの要望に可能な限りの対応をしたものの、地方団体の御意向、事情にも配慮したルールとしておりまして、地域経済への影響は極めて限定的にとどめるような内容になったと、私は評価しております。


<稲田防衛大臣の省内不在>


問: テレビ朝日の小野です。稲田防衛大臣が昨日、九州の対応中に40分ほど省内不在だったということが問題になったのですが、同じ閣僚としてどのようにお考えかお聞かせください。

 

答: 稲田大臣の省内不在の件については、詳しく承知していません。
 少なくとも各省では、災害があろうとなかろうと、政務三役で在京当番を決めております。概ね15分あれば、登庁できるように各省は対応していると思いますし、総務省もそうしておりますので、ちょっとそれ以上は分からないのですが。申し訳ございません。


<「地域の暮らしサポート実証事業」での郵便局との連携>


問: 通信文化新報の園田です。今年度予算として公募されていた「地域の暮らしサポート実証事業」が、6月半ばに5つの自治体が採択されて、事業の中には郵便局もほかの企業と一緒に連携して参加するところがあったのですけれども、これに対する御見解や郵便局への期待感などお願いします。


答: 「地域の暮らしサポート実証事業」ですが、人口減少・高齢化などによって生活機能が低下した地域において、買い物支援など暮らしを支える仕組みの確立に取り組むものでございます。
 生活機能が低下した状況を踏まえまして、地域の様々な主体を巻き込みながら、生活支援サービスを持続可能な形で提供する後押しを狙いとしたものでございます。
 去る6月16日に発表させていただきました採択団体の一つであります海士町では、生活に身近なパン屋さんや魚の行商販売が休廃業して、買い物難民が増加していることを踏まえまして、生活必需品販売体制の整備を図るとともに、持続可能な地域産品の販売サービス提供の構築に、郵便局を含む関係者が連携して取り組む計画でございます。
 海士町における本事業の計画のように、地域における生活インフラ機能を果たしていただいている郵便局が、今までの地域貢献の実績を活かして、「地域の暮らしサポート実証事業」の担い手となってくださることにつきましては、大いに期待をいたしております。


<NHKのネット常時同時配信の料金水準>


問: テレビ東京の大沢と言います。NHKの同時配信の件ですが、NHKの諮問機関で有料化することには一定の合理性があるというような中間答申を出されています。そこらへんについて、大臣はどのように御評価されているのかお聞かせ願いたいと思います。


答: NHKから「常時同時配信が実現した場合の財源のあり方」に関する答申案については御説明をいただきましたけれども、有料サービスとするかどうかを含めて、まだ正式な答申として決まったものでもないので、今の時点でコメントするのは難しいことを御理解いただきたいと思います。
 ただ、先般の総務省において開催された検討会においては、NHKの御説明を受けて、私の疑問点、考え方を申し上げました。財源についての議論に先立って、「受信料の公平負担の徹底」ですとか、「受信料体系」についての考え方がセットで示されていませんし、常時同時配信を行うニーズや意義、サービスイメージが具体化されていないことなど、議論の前提となる課題が多く残っていますので、これはNHKに検討の加速化をお願いしているところでございます。

 

問: よろしいでしょうか。では、ありがとうございました。


答: どうもお疲れ様でございます。

 

 

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