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  3. 内閣府特命担当大臣記者会見 平成18年9月~平成19年8月
  4. 9:18~9:39 於:院内内閣記者会

9:18~9:39 於:院内内閣記者会

更新日:

1.発言要旨

 本日の閣議は、一般案件が1件、国会提出案件が11件、法律の公布が3件、政令が6件、報告が1件、配布が4件あり、私どもからの主請議はございませんでした。
 既に土曜日、日曜日にご取材いただいており、敢えてとは思いましたが、簡単に報告いたします。
 北方領土の教育に関する教育関係者との意見交換会を土曜日に開きました。北方領土返還実現のために、少しでも多くの国民の皆様、特に次の世代を担う若い世代の北方領土問題についての正しい理解と認識による国民世論の支えがある状況が、北方領土問題も含めた外交交渉においては好ましいと考えておりました。その様な中で、領土問題を教えることは学習指導要領にもありますが、教育現場でどの様に教えられているのか、十分に教えられていないとすればどの様な阻害要因があるのかを聞きたいと思いましたので、現職の先生方など5名の方々にお集まりいただき、2時間にわたり非常に活発な意見交換をしました。先生方からは、北方領土問題に対する意識が非常に低く、教え方が分からない教師もいらっしゃるという話や、授業は教科書見開き2ページぐらいの記載で1時間と配分を決めながら行われますが、北方領土に関する記載が非常にボリュームとして少なく、ほぼ4分の1のところに簡単に書いてあり、あまり時間をとって教えられないことや、保護者の方々の理解も必要であること、大臣が現地視察や北方領土を訪問するという形でメディアに出れば、生徒が「ああ、あのことだな」と関心を持つので、積極的に出かけてほしいとのお話もありました。今回の会合では、「大臣に会ったら、私たちに何ができるか聞いてきて」と生徒さんから頼まれた先生がいらっしゃいましたので、「学校で習った北方領土の話を家族や身近な人と話し合ってみて」とお答えしました。生徒さんができる啓発活動でもあると思い、その様なお答えをしました。様々な資料を提供いただきましたので、教育における領土問題の扱い方について何を直していけるのかも含め検討したいと思っております。
 翌日曜日は、埼玉県北足立郡伊奈町の小室小学校で公開授業に参加いたしました。当日は、まず概要を校長先生、教育委員会の方々から伺った後、伊奈町全体の食育の取組について伺いました後、3年生の「朝食を食べよう」という授業、2年生の「かんたんおやつをつくろう」という授業に参加させていただきました。その後、PTA主催の「ふれあい広場」も拝見いたしました。先生方は生徒と一体感があり、非常に上手に教えておられました。道徳の授業が同じ時間帯のため残念ながら回れなかったのですが、大変興味がありましたので、教材のコピーをいただいたところ、食べ物に対する感謝の念や理解を培う工夫された教材でした。意見交換の結果、まずは教員の間で食育の大切さが共有されていました。地元の財政的負担が難しいことや、栄養士が栄養教諭になるための研修等がまだ進んでいないことなどにより、栄養教諭の配置ができていない自治体もありますが、栄養教諭がいらっしゃらなくても、今回の小室小学校のように各教科の先生が、上手に自分の授業の中に食育という概念を取り入れておられる成功事例について、できるだけ、他の地域の参考になるように広報していきたいと思います。北方領土も食育も同じですが、東京に先生方がお集まりになる中央の研修会の場で、授業の進め方、ノウハウも含めて、研修の機会をつくっていただけたらと思いますので、提案を取りまとめて、私から伊吹文部科学大臣にお話をしたいと思います。
 私からは以上でございます。 


2.質疑応答

(問)北方領土ですが、大臣になられたときに、まずは沖縄に行って、その後は北方領土の方を視察したいと仰っていましたが、行かれる日程や予定などは大体決まりましたか。

(答)国会が終わりましたら年内にもと思っております。

(問)具体的な日程は、はっきり決まっていますか。

(答)公務日程との兼ね合いですが、年内で調整中です。

(問)沖縄科学技術大学院大学が総合科学技術会議の予算に関係する評価で、政治的圧力によりS評価に格上げされたのではないかという問題についてなのですが、どの様に受けとめていらっしゃいますか。

(答)SABC評価(S評価が最も高く、A評価、B評価と続き、C評価が最も低い)については、私も総合科学技術会議の先生方が議論されている場に立ち会っております。来年度に向けても、議論の状況を拝見しておりますが、この件について、私も新聞を見て確認いたしましたが、これは十分に議論した上で最初からSであったということで、圧力をかけて何か変えたというような事実はないと聞いております。

(問)事実はないということですか。

(答)事実はないということです。きちんと総合科学技術会議として、Sという結論を打ち出しているので、自信を持ってこれはお答えできることでございます。

(問)一般論として、例えば本来A評価のものを政治的判断によってS評価にするようなことはよくないのか、あるいはそれでも構わないものなのか、それについての大臣のお考えをお聞かせ下さい。

(答)これは、SABCを決めるときに、あらゆる省庁からの要望にかかわるものを見ていくわけですよね。その時に、それぞれ省庁の方が来られて、いかにこの予算が必要であるかとか、いかにこれが国民の利益になるかということを一生懸命説明される。そういったことで、自民党などの部会でも、これはとても大事だ、積極的に予算要望していこうなどということはよくやっていますけれども、政治家がそれを言う場合には、党の部会等の場所で言って、何か決議がなされるような場合には、これは政治的圧力ではなくて、国益を考えてこれは必要だという判断であったり、もしくは国民の代表として、国民を代弁する形でおっしゃったりするわけです。何か特定の政治家が乗り込んできて、ぎりぎり圧力をかけて、職員を呼んでとか、総合科学技術会議の先生方に一人一人アプローチしてねじ込んだというようなことでしたら、それは圧力でしょうけれども、そういうことではないので問題はございませんし、各関係省庁がそのプロジェクトの必要性を話される、語られるということはしなければいけません。むしろ、全員がそのプロジェクトをよく知っているわけではないですから、一体どういう意図で何のために施策を行うのか、それが実現したらどれほど日本にメリットがあるのかという説明は、当然、受けなければいけない話ですので、圧力だとは思いません。

(問)ブレナー氏の勤務日数が足りないのではないかという話もあるのですが、どのようにお考えですか。

(答)ブレナーさんが就任されたのは茂木大臣の時でした。茂木大臣は私にも、世界的に高名な学者を説得して就任をお願いしたとおっしゃっていました。
 勤務日数の問題ですが、沖縄科学技術大学院大学は、今までの日本にあった大学院大学とは違う、正に初めての試みだと思います。日本では、外国人の高名な研究者が定着して教育に携わってくださるということが、あまりないです。生活環境や家族の教育環境、それから給料が安く、「アメリカだったら何倍ももらえるのに」という様々な要因があると思うのですが、沖縄で今度スタートしようとしている大学院大学は、世界の、それもノーベル賞級の学者が本気で研究活動をリードしてくださるイメージでございます。この大学院は生命科学分野を中心に研究を進めるという観点があってのスタートでございますので、ノーベル生理学・医学賞を受賞されたブレナーさんに、余人をもって代えがたいということでお願いしたと私は聞いております。
 しかし、まだ現役で国際的に活躍しておられるブレナーさんに、常時沖縄に滞在していてくださいとお願いすることは非現実的だろうということで、勤務の実態としては、実際の打合せに一切支障が出ないように、毎日、毎日連絡は取り合うという条件でこういうことになったと聞いております。今、大学院構想は大事な時期でございます。あまり理念がぶれてもいけない時期だと思いますので、理事長と更に密に必要な連絡が取れるようにしながら頑張っていただきたいと思います。
 独立行政法人に関して、理事長は常勤とするとの申合せがあることも了解しておりますが、ブレナーさんの人事は、沖縄科学技術大学院大学構想推進に当たっての協力者会合の議を経て、関係閣僚会合に報告されています。当時、内閣官房長官、沖縄・北方対策担当大臣、科学技術政策担当大臣、財務大臣、文部科学大臣に報告した上、正式な就任を決めています。本当は、実質的、物理的な常勤が好ましいのかもしれませんが、世界レベルのものをつくっていこうとしたら、例外的なことも仕方がないのではないかと私は思います。ただし、毎日連絡が取れて意思決定が仰げる状態はキープされていると聞いております。


(問)世界から優秀な研究者を大勢集めるということを言われているわけで、その推進を図っているということですが、現状としてどの程度進んでいて、今後の見通しとしてはどの様に認識していらっしゃいますか。

(答)まだまだなかなか難しいですけれども、ブレナーさん御本人も、それから運営委員会のメンバーの方々も、御自身のネットワークを利用しまして、非常に積極的なお声掛けをいただいていると聞いております。ですから、日本人だけではなくて、アジアの人も世界の若者も、「あそこで勉強したい、あの先生の下で勉強したい」と思ってもらえるような体制がつくれるといいなと思います。

(問)ブレナーさん自身も、ある意味、世界で研究活動をしていると。そのためには日本に必ずしもいる必要はないということでよいのですか。

(答)必ずしもといいますか、実際に無理だと思います。その無理であることを承知の上で、茂木大臣が頼まれたのだと思いますね。日本に家を構えて、ずっと毎日朝から晩まで沖縄にいていただくことを想定しての理事長就任依頼ではなかったのだろうと思います。むしろ、今の時期は積極的に動いていただかなければいけませんし、研究者の確保も含めて、今の時期にやっておいていただかないといけないことです。

(問)乳幼児加算は、まだ財源のめどがついておらず非常に厳しい情勢になると思います。財源に何が想定できるかなど実現性の問題をどの様に捉えていらっしゃいますか。また、週末に総理が効果について見極めていきたいという割と慎重な物言いをされたと思いますが、その点について大臣の御認識をお聞かせ下さい。

(答)6月に既に決定された「新しい少子化対策」の中に、乳幼児加算については書込みがされております。現総理は、当時の官房長官でもいらして、この決定に関与されておりますので、総理が乳幼児加算をゼロにしてしまおうと思っておられるとは認識しておりません。ただし、実際に財源の確保は、非常に難しいのは確かです。効果もきちっと見極めなければなりません。私も大臣に就任してみて、概算要求外でこれだけ財源が必要なものがセットされていて、何とか動かさなくてはいけないというのは、非常に大変な話であると思いました。財源の確保も含めて、今の制度を前提に加算すれば地方にも負担していただかなければならず、事業主の負担も増えますので、その様な理解を求めることも含めて可能なのかどうかです。「新しい少子化対策」の中では、予算編成の中で検討していくということですので、しっかりと検討していくということに尽きると思います。私は、与党の税調とも話合いをしながら、具体的に財源が確保できるのか、開始時期や対象、金額、規模なども含めて考えなければいけない状況です。

(問)乳幼児加算の件について、前大臣のお話で恐縮ですが、猪口大臣は6月の段階から、必ず来年度やると明言されて取り組んでこられました。今の時期に予算の財源の話が厳しくなるのは、容易にその当時から想像できたことだと思いますが、国民にやると訴えて、今の段階で慎重論も出てくるというのは、あれだけ少子化対策を進めるとやった内閣府としては、若干、国民に対して無責任ではないかという気もするのですが、その辺はいかがですか。

(答)私は、本気でやるのであれば、概算要求に盛り込まれていなければいけない話だったと思います。ただし、様々な御意見があった中で、最終的には「必ず確保する」ではなく、「予算編成の段階で検討する」という書きぶりになっているので、今、こういう状態になっているのだと思います。多くの国民の方が、シーリング外であることも含めて十分な情報がない中で、新しい少子化対策としてこういうことが実現するとの期待をされているわけです。私が今やるべきことは、少しでも、乳幼児を抱えて経済的に大変と思っておられる方の経済的負担を軽減したり、子供を育て易くする環境づくりにできる限り取り組むことに尽きると思います。本来、異例なことだったのではないでしょうか。

(以上)

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