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DVやストーカー行為等の被害者保護に必要な住居情報管理の徹底

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 ドメスティック・バイオレンスやストーカー行為、児童虐待などから逃れる為に、加害者に分からないように住居を移転しておられる方々が居られます。

 市区町村は、被害者の新しい住所地が加害者に知られないように、最新の注意を払って事務を行わなければなりません。
 被害者が生命の危険に晒される可能性も否めない重大なことだからです。

 総務省では、10年前の平成16年に『住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付に関する省令』『戸籍の附票の写しの交付に関する省令』『住民基本台帳事務処理要領』の改正を行い、各市区町村では必要な被害者支援措置が実施されてきました。

 ところが、今年の5月から6月にかけても、市や区の事務的なミスによって被害者情報が加害者の手に渡るという事案が相次ぎました。

 大阪府内では「DV等支援対象者の転出届の受理通知を加害者に誤送付」、兵庫県内では「DV等支援対象者の住民票の写しを加害者に誤交付」、東京都内では「DV等支援対象者の戸籍附票の写しを加害者に誤交付」…。

 特に最後の東京都内の一件は、6月に発生していたことでしたが、私が総務大臣に就任した9月3日に報道され、広く世の中に知られることになりました。

 そこで、省内に指示を出し、9月10日付で、総務省自治行政局住民制度課から各都道府県の住民基本台帳担当部長と各指定都市の住民基本台帳担当局長宛に、『ドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者の保護のための住民基本台帳における支援措置に関する事務の適正な執行の徹底について』と題する「技術的助言」(地方自治法第245条4第1項に基づく)の通知を発出しました。

 既に総務省では、今年の6月25日にも技術的助言文書を発出しており、同日に都道府県担当者を集めた説明会で市区町村における適正な事務処理の徹底を要請し、その後、7月から8月にかけては47都道府県に出向いて市区町村担当者向け説明会でも同様の要請を行っていました。

 それでも、昨今はストーカー殺人など悲惨な事件も起きていることから、念には念を入れて、再度、通知を発出することに決めました。

 今回の通知には、「加害者と被害者の取違え」や「被害者になりすました者に対する交付」などを防ぐための留意点を、より分かりやすく箇条書きにした書面を添付しました。
 特に市区町村の人事異動時には、研修やマニュアル整備などにより、後任者にも適正な事務執行ができる体制を作っていただくべきことも記しました。

 ちなみに、DV等の被害者の方から警察署に「支援措置申出書」を提出していただくと、申出書に警察署の意見を附して被害者に交付することになっています。
 この警察署意見を附した申出書を市区町村に提出していただくと、市区町村は支援措置を開始し、関係市区町村にも申出書を転送します。
 「支援対象者」になると、住基システム上で「住民票の写し等の交付制限がかかっている」旨の警告が表示され、交付担当者は「支援措置責任者」に交付の可否について確認します。
 もちろん、窓口では厳格な本人確認をしていただき、代理人や郵送請求を認めないことも重要です。

 新たに発出させていただいた通知につき、是非とも各都道府県から市区町村の担当者に周知徹底をしていただき、各地に於いて被害者保護を確実なものとしていただくことを期待しています。

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