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官房長官に手渡した「慰安婦問題に関する適切な対応を求める申し入れ」文書

更新日:

                            平成26年8月26日


内閣官房長官  菅 義偉 先生
 

                         自由民主党 政務調査会

 

    「慰安婦問題」に関する適切な対応を求める申し入れ


 平成5年8月4日の「河野官房長官談話」の発表から20年以上が経った現在、「慰安婦問題」は、沈静化するどころか、むしろ日韓間最大の外交懸案となり、かつてない深刻な状況となっている。

 国連(欧州本部自由権規約委員会・国連人権高等弁務官)でも、河野官房長官談話を根拠にした対日批判が強まっており、「慰安婦問題」に「性奴隷(Sex Slavery)」という言葉を意図的に絡めて日本国と日本人の名誉を不当に貶める活動は、今や韓国内のみならず、米国や豪州等に於いても活発化している。

 平成26年2月20日の衆議院予算委員会に於いて、石原信雄元官房副長官が、「河野談話の根拠とされる元慰安婦の聞き取り調査結果について、裏付け調査は行っていない」「河野談話の作成過程で韓国側との意見のすり合わせがあった可能性がある」「河野談話の発表により、いったん決着した日韓間の過去の問題が最近になり再び韓国政府から提起される状況を見て、当時の日本政府の善意が活かされておらず非常に残念である」旨の証言をされた。

 この証言を受けて、菅義偉官房長官の下、「河野談話作成過程等に関する検討チーム」が設置され、去る6月20日に『慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯』が取り纏められた。菅義偉官房長官の迅速な行動とリーダーシップに、心から敬意を表するものである。

 今夏、自民党本部では、8月12日に「慰安婦問題に関する政調会長ヒアリング(希望国会議員同席可能)」、8月15日に「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」、8月21日には「政調全体会議」を開催し、『慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯』の内容等につき、政府側(内閣官房、外務省、文部科学省)から説明を聴取し、活発な議論を行った。

 上記の3会合では、事実に基づかない虚偽を繰り返し喧伝し、戦地に赴いた兵士や戦歿者の名誉と尊厳を著しく毀損し、日韓関係を悪化させた一部報道機関に対する批判が相次いだ。

 一方で、史実を明らかにするための検証作業を経ずに「政治的すり合わせの産物」としての談話を世界に発出した当時の自民党政権の責任は重く、我が党として自省するべきとの指摘もあった。

 そもそも河野官房長官談話は閣議決定されたものではなく、その作成過程に大きな問題を認めるに至った今、現内閣がこれを「継承」することに対する疑問の声もある。

 我々は、不当に貶められた先人の名誉を回復すること、現在及び未来に生きる日本人の誇りを守ること、世界の平和と繁栄に寄与してきた戦後日本のたゆまぬ努力や人権を重んじる姿勢を内外に発信することが必要であると考え、自民党本部で開催された3会合に於ける議論を踏まえるとともに政調審議会(8月26日)の議を経て、政府に対して次の提言をする。

1、「河野談話作成過程等に関する検討チーム」が取り纏めた『慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯』(平成26年6月20日)で確認された事実につき、日本国及び日本人の名誉を早急に回復するべく、国際社会に向けて多言語で積極的な発信を行うこと。

①とりわけ、米国をはじめとする韓国以外の諸外国、事実を誤認しているNGOの発言力が目立つジュネーブに於いて、日本政府による広報を強化すること。

②国際的に権威のある人権機関が「河野談話作成過程等」を踏まえて正しい認識を発表することが重要であることから、日本政府による働きかけを行うこと。

③外国人記者クラブに於いて『慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯』を説明する機会を得るべく、申し入れること。

④21頁に及ぶ『慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯』を年表形式にするなど、簡潔に事実関係を把握してもらえる書式にリライトし、効果的な対外発信をすること。

2、日本国民の「知る権利」に応えるべく、正しい歴史認識を周知するための政府広報を推進するとともに、教科書が史実に基づいて記述されるように対応すること。

①主権者たる日本国民に対して、21頁に及ぶ『慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯』の内容を簡潔に分かりやすく纏め、効果的な周知を行うこと。

②既に平成20年学習指導要領に基づく平成22年度検定(平成24年度使用開始)の中学校教科書については、「慰安婦」の記述は皆無(7点中0点)となっている。
しかし、平成21年学習指導要領に基づく平成23年度・24年度検定(平成25年度以降使用開始)の高等学校日本史教科書では、15点中13点に「慰安婦」の記述があり、「従軍慰安婦」という戦争当時に存在しなかった誤った文言を使用した教科書や「強制連行」を表わす記述も散見される。
とりわけ、高等学校教科書を正しい記述内容にするための取組みを急ぎ、検定段階で厳正なチェックを行うこと。

3、終戦(1945年)から70年、日韓基本条約締結(1965年)から50年の節目となる来年に向けて、『慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯』(平成26年6月20日)の内容を踏まえた「新たな内閣官房長官談話」を発出すること。
 

以 上  
 

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