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3Dプリンターによる銃製造・所持事件への対応

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 先週木曜日(5月8日)、3D(3次元)プリンターで樹脂製の拳銃を製造し、所持していた男性が「銃刀法」違反容疑で逮捕されたことが報じられました。

 インターネットでダウンロードした銃の設計図を使用し、家庭用の3Dプリンターで製造したものと報道されていました。

 翌金曜日(9日)の朝から、政調会長室で対策の検討項目を私なりに整理してみた上で、
同日中に、政調会に設置している「治安・テロ対策調査会」の林幹雄会長(衆議院議員)に対して、「3Dプリンターによる拳銃の製造・所持等に関する小委員会(仮称)」の設置と、来週からの議論開始を要請しました。

 メンバーは、治安・テロ対策調査会の他、情報通信戦略調査会、IT戦略特命委員会、内閣部会(警察担当)、総務部会(情報通信担当)、外交部会(国際的取組み担当)、法務部会(入管担当)、財務金融部会(税関担当)、経済産業部会(3Dプリンター研究開発担当)から集めていただきたいと伝えました。

 私から林会長に依頼した主な内容は、下記の通りです。

①法律改正(銃刀法・武器製造法等)の是非やダウンロード規制のあり方も含め、安全対策上、必要な措置を検討すること。

②空港やイベント会場などの金属探知機では検知できない素材で製造された凶器に係るチェック対策についても検討すること。

③成長分野である3Dプリンター製造業界へのダメージは最小化すること。

 今後、オリンピック・パラリンピック東京大会開催に向けて、外国人観光客や各地でのスポーツイベントの増加が見込まれる中、空港やイベント会場の金属探知機で検知できない樹脂製の凶器が蔓延するような状況は阻止しなければなりません。

 他方、現政権では、今年の4月から「3次元造形技術を核としたものづくり革命プログラム」をスタートしたところです。
 平成26年度予算では、40億円を計上しました。5年計画で、高速かつ高性能、使用する材料の多様化を実現した「世界最高水準の次世代産業用3Dプリンター技術の開発」を行うものです。

 3次元造形技術は、少量多品種で高付加価値の製品・部品の製造に適しており、製造業のみならず、医療、介護、住宅産業など活用できる分野が広いものですから、その技術開発や普及は阻害されるべきではないと考えています。 

 世界がインターネットで繋がり、銃の設計図のダウンロード数は既に膨大なものとなっている現状。また、3Dプリンターや素材の製造技術も目覚ましく進歩する中で、総合的な安全対策の構築には、かなりの困難が伴うでしょう。

 現行の「銃刀法」第2条では、「銃砲」の定義を「けん銃、小銃、機関銃、猟銃その他金属製弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃」としています。
 素材に関わらず「金属製弾丸を発射する機能を有する銃砲」については、一部の職業等の例外を除くと所持が禁止されているということになりますが、安全確保の実効性を考えた場合に追記するべき条文の有無も含めて、自民党政調会では早急に検討を行ってまいります。
 

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