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政調会人事の話①:壮大なパズルに苦悩

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 昨日は、プロ野球日本シリーズで、楽天が巨人を制して日本一の座に輝き、大いに盛り上がりましたね。
 特に東日本大震災の被災地の方々の夢を背負って激闘を勝ち抜かれた楽天の星野監督や選手達に、多くの日本人が惜しみない拍手を送ったことだと思います。トラキチの私まで、楽天勝利の瞬間には、思わず「おっしゃ~!」とガッツポーズでありました。
 

 早くも11月に入りましたので古い話になりますが、10月に自民党政調会は新体制でスタート。人事作業の舞台裏を少々ご紹介します。


 政調会長続投が決まった9月17日の夜から臨時国会召集前日の10月14日までの間に、順次、政調会に設置された各政策構築機関の長など幹部ポストを決める人事作業を行いました。


 朝から夕方までは、党本部や官邸などで開催される各種会議への出席、地方自治体や職域団体からの予算・税制要望の聴取、各省庁からのヒアリング、団体の記念行事や同僚議員のパーティーへの参加など、政調会長としての通常業務に追われますので、人事の作業は主に深夜の時間帯に集中して行いました。


 政調会の組織は大きく、私が直接行う役員人事だけでも、111名分のポストです。
 「政調審議会メンバー」(政調会長代理・政調副会長・政調会長補佐)が16名、「部会長」が13名、「調査会長」が30名、「特別委員長」が30名、「特命委員長」が14名、「政調全体プロジェクトチーム座長」が8名。


 過去の自民党では、各派閥(政策グループ)が所属議員の役職希望を聞き取り、派閥が作成した推薦リストが党本部に届けられ、それらを役職表に当てはめてみて、希望者が重複しているポストのみを党3役が調整したらよかったのだろうと思いますが、今では、そういった慣習も無くなりました。


 既に自民党では「無派閥」の議員数が150名を超えており、最大派閥である清和会の2倍以上の人数となっています。
 よって、最近では、幹事長室が当選5期以下の自民党所属議員に「希望役職アンケート用紙(第1希望から第5希望まで記載可能)」を発出し、回答があった議員の希望役職を取りまとめた一覧表が幹事長室で作成され、それを政調会長室にも送って頂いて参考にできるだけです。


 私は、「取り組みたい政策分野について明確な希望を示すやる気のある議員にお任せすれば、責任を持って良い仕事をして下さるはずだ」と確信していますので、基本的には、御本人が強く希望された役職に就いていただけるように最大限の努力をしました。


 ところが、当選5期以下の議員でアンケートを提出しなかった方々の希望政策分野が不明であったこと、当選6期以上の議員については幹事長室がアンケートの対象外としていた為、かなり悩みました。


 特に私自身よりも当選回数が多い7期以上の先輩議員に「ご希望の役職は何ですか」と伺う失礼も避けなければならず、政調会長室オリジナル版で「当選1回~当選14回までの議員の経歴表」を作成し、何度も目を通しては、できるだけ多くの議員に得意分野で活躍していただけるように工夫をしました。


 更に私を苦しめたのが、9月一杯は、政府、国会、党の人事が併行して進んでいたことでした。


 政府側では副大臣や政務官の大幅な入れ替えが予定されており、国会でも常任委員長や特別委員長の多くが交替となる予定でした。


 せっかく苦労して政調会の幹部人事を決めても、その方々が副大臣や政務官などに就任されてしまうと、党の役職とは兼務できない為、政調会人事はやり直しになってしまいます。
 また、国会の委員長と党の部会長も兼任できないルールになっています。

 国会の委員長就任予定者リストは何とか入手できたものの、政府の副大臣・政務官人事は、事前に外部に漏れないように官房長官と幹事長の2人だけで進められていましたから、私の方では、1つの役職に複数の候補議員名を書き込んだ状態で政府人事の結果を待つしかありませんでした。


 党の人事で最も急がなければならなかったのが、「政調副会長」と「部会長」を決める作業です。
 いずれも法案審査に関わる中心メンバーだからです。
 特に各府省や衆参の委員会に対応して設置されている「部会」では、9月下旬から10月前半の国会閉会期間中を活用して、臨時国会に提出される予定の法案審査に取り掛かっていただかなければなりませんでした。


 ところが、部会長の適齢期とされる当選3期~5期の議員は、副大臣や政務官の適齢期でもあり、本当に困り果てました。


 苦悩の末に111のポストに就任していただきたい議員を決め、各議員に電話をかけて就任のご了解をいただき、各組織の副会長や事務局長などの人選は各代表者にお任せし、私の人事作業は終わりました。


 3週間以上も睡眠不足の酷い顔で党本部を歩く私を見て、毎日新聞の女性番記者の横田さんが「まさに、人事は壮大なパズルですね」と労って下さいましたが、言い得て妙…と感心した次第でした。


 昨年末の党人事では、政調会長就任が12月25日でしたから、政調会の人事作業は今年の元旦も含めてお正月にも続けていました。
 あの時も大変でしたが、前回は副大臣や政務官の決定が早かったので、今回ほどは苦しみませんでした。


 お蔭様で、今では政調会の各組織はフル稼働しており、連日、多くの党所属国会議員が実に熱心に法案審査や議員立法作業などに取り組んで下さっています。
 政府への提言活動も活発に行われていて、自民党の底力とも言える政策構築能力の高さに大満足の昨今です。

 

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