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靖國神社参拝を「外交問題」として取り沙汰されることが残念

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 昨日は、午前中に官邸で開催された「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」に出席。この会議は毎月開催されていて、閣僚の他に与党の幹事長と政調会長が同席します。

 その後、例年通り靖國神社に参拝し、続いて日本武道館で天皇皇后両陛下の御臨席を仰いで挙行された「全国戦没者追悼式」に出席しました。

 夕刻、党本部に戻って仕事をしていましたら、私が尊敬している編集者から携帯電話にメールが届きました。

 内容は、江藤淳先生(故人・文芸評論家)の言葉でした。
 「ソポクレース以来、自国の戦死者を、威儀を正して最高の儀礼を以って追悼することを禁じられた国民が、この地上のどこにあっただろうか。国人よ、誰に謝罪するより前にこのことを嘆け。そして、決して屈するな」

 私が靖國神社に昇殿参拝したことが早々に報道されていたのかもしれません。国会議員が靖國神社に参拝する度に一部マスコミが激しく批判することから、ご心配下さったのかな…と感謝しながら拝読しました。

 私自身は、国家国民の為に公務死された方々の死を悼み、尊崇の念をもって感謝の誠を捧げることを、生涯続けていきたいと思っています。
 国会議員ではなかった時にも、1人の日本人として、折に触れ靖國神社や地元の護国神社にお参りしてきましたから、年老いても、体が動く限りは伺います。

 「そもそも国会議員が集団で参拝することがけしからん。昇殿参拝したいならば1人で行けばいいじゃないか」というご批判のお声もいただきますが、神社側やご遺族のことを考えますと、それも困難な話です。

 特に春秋の例大祭と終戦の日の靖國神社には、全国各地から多くのご遺族が昇殿参拝に来ておられます。
 仮に昨日参拝した100名以上の国会議員が個別に昇殿参拝をしたならば、神社の方々も終日の対応になりますし、肝心のご遺族の方々が昇殿参拝される日程にも支障が出かねません。そこで、閣僚在任中など政府日程で時間が合わせにくい場合を除いては、できるだけ皆で時間を合わせて参拝する為の会を作っているわけです。

 昨日の午後、ある記者さんから「参拝は、中国や韓国との関係を悪化させるのでは?」とのご質問もいただきましたが、「日本の為に尊い命を捧げられた方々を、如何にお祀りし、如何に慰霊するか」ということが「外交問題」として取り沙汰されていること自体が残念でなりません。

 靖國神社については、敗戦後の1951年に吉田首相が公式参拝を再開され、日中国交正常化に尽力された田中首相も公式参拝をしておられました。
 1978年には、いわゆるA級戦犯が合祀されましたが、1979年に参拝された大平首相は同年末の訪中で熱烈歓迎を受けたと聞いています。

 その後、1985年になって中国が抗議を始めてから、首相、閣僚、国会議員の参拝を問題視する論調がクローズアップされ、抗議をすることが他国の外交カードと化してしまったように思います。

 「世界中の国が正しい行為だと褒め称える良い戦争」などあるはずもなく、あらゆる戦争は全ての交戦国に悲惨な被害をもたらし、国民に苦痛を与えるものです。
 長い歴史の中で、多くの国が、時代ごとの国際情勢の中で、自国の存亡を賭けて、それぞれの大義を訴えて戦争を行ってきました。とりわけ近代には不幸な時代が長く続きました。

 しかし、「後世における戦争の評価」と「公務死者の慰霊」は分けて考えるべきもので、これを混同すると、世界各国が互いに干渉をし合い、他国の慰霊施設や慰霊の方法の是非を検証しなければならなくなってしまいます。

 世界各国の国民が感謝の気持ちとともに自国の先人を追悼し、ご遺族の健康を祈り、併せて他国の戦没者の御霊の平安を祈り、平和を願うこと…。それが責め立てられるべき行為だとは思っておりません。
 私は、他国を訪問した時には渡航先の戦没者慰霊施設にお参りすることが多く(日本の交戦国も含めて)、故人の御霊には敬意をもって接することを大切に考えます。

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