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予算委員会質疑報告⑥:自立と勤勉の倫理を取り戻す

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≪平成25年3月7日 衆議院予算委員会質疑報告⑥:自立と勤勉の倫理を取り戻す≫



【高市委員】


 総理には、先ほど、強い経済を取り戻していただく、このお願いもいたしました。
 1人でも多くの国民が、働く機会に恵まれ、安心して豊かな消費生活を楽しみながら、広く薄く社会のコストを負担できる主体として生活をしていただく、こういうことが経済のパイの拡大にもなり、そしてまた、財政健全化を実現する道を開くものでもあると思っております。


 そのためにも、今こそ我々日本人は、日本人の矜持でありました「自立と勤勉の倫理」を取り戻していかなければなりません。
 この点につきましては、総理の施政方針演説が、「一身独立して一国独立する」、この言葉から始まったことによりまして安心はしているのですけれども、ただ、予算措置の中で多少気になることがあるので、伺います。


 キャリア教育についてでございます。


 第1次安倍内閣のときには、内閣府、文部科学省、経済産業省、厚生労働省が連携しまして、「キャリア教育等推進プラン」を取りまとめました。


 今も当時も変わらないのかもしれないのですけれども、せっかく就職をしたのに3年以内に自分からその職場をやめてしまわれる若者の割合、中学校卒業の方で7割、高校卒業の方で5割、大学卒業の方で3割、こういう状況でございました。
 当時の安倍総理も、「福祉から就労へ」、この理念を閣僚に伝えておられましたので、私自身は、青少年施策を担当する立場から、これはやはり、子供のころからしっかりとした職業観、勤労観というものを醸成し、そしてまた、インターンシップなどの機会もふやし、できるだけ皆が職業生活にスムーズに入っていける、こういう環境を整えなきゃいけないと思って政策を構築したものでございます。


 麻生内閣が編成をされた平成21年度の当初予算を見ますと、キャリア教育・職業教育に6億4300万円が措置されておりました。


 その後、民主党の事業仕分けによりまして、「自治体の判断に委ねる」、こう判定されまして、平成22年度から24年度では国の予算措置がなされておりません。
 昨年、地元で、私立学校から、キャリア教育実施のために職員も採用して準備を進めていたんですけれども、お金が来なくなった、こういう苦情も伺いました。


 自民党の『J―ファイル』には、「職業教育、キャリア教育の強化」というものを明記いたしましたので、自民党の政調会では、「キャリア教育推進特命委員会」を新たに設置し、推進に向けての取り組みをしているところでございます。


 文部科学大臣に伺います。
 キャリア教育、職業教育について、国における予算措置の必要性、そしてまた適切な規模についてどうお考えでしょうか。



【下村国務大臣】


 お答えいたします。
 厳しい雇用情勢や若者の無業、早期離職等、これは先ほども委員から御指摘がありましたが、学校を卒業して就職3年以内ですと、今、もっとたくさんの離職者がふえているということで、さらに問題が深刻化しているというふうに思います。


 社会的、職業的自立に必要な能力や態度を身につけさせるキャリア教育、また、実践的な知識、技術及び技能を身につけさせる職業教育を充実させる、これは極めて重要なことであるというふうに思います。


 このため、平成25年度予算案においても、学校、産業界、NPO等幅広い主体が参画し、地域に密着した支援を行う地域キャリア教育支援協議会の設置促進に必要な経費を新しく盛り込むことにいたしました。予算は4300億円でございます。


 それ以外に、成長分野などにおける中核的専門人材養成の戦略的推進に必要な経費を大幅に拡充いたしました。
 24年度予算額が4億7900万円に対して、25年度は11億300万円でございます。


 国として、各学校や各地域における先進的な取り組みを促進するために、しっかり対応していきたいと思います。


 また、現在、政府の若者・女性活躍推進フォーラムにおいて、キャリア教育についても議論が行われているところでございまして、文部科学省としては、学校におけるキャリア教育、職業教育の一層の充実に向けて取り組んでまいります。



【高市委員】


 元気な若者がしっかりと働くこと、これも重要でございます。


 しかし、私は、定年退職された方、また子育て中の女性の方々、そしてまた障害を持っておられる方々が、ライフステージごとの生活スタイルに応じて御自宅の近くで働ける場所をふやす、これも大変大切なことだと考えております。


 先ほど、総理には、「日本列島の隅々まで活発な経済活動が行き渡る国」、これをつくってほしいとお願いを申し上げました。
 個人的には、テレワークの推進、また、農商工連携、福祉工場、こういったものの推進に力を入れているところでございます。


 その私が大変高く評価していたのが、60歳以上の方々が、家庭ですとか事業所、官公庁から臨時的、短期的な仕事を有償で請け負っておられる「シルバー人材センター」の取り組みでございました。
 これは、年金収入を補完して長寿社会における自立した生活を目指せるということ、それからまた、地域社会の一員として生きがいも感じていただけるということ、働くことで健康を維持することによって医療、介護の財政負担軽減に貢献できること、こういった意義もあるかと思いました。


 ところが、このシルバー人材センターの援助事業でございますが、民主党の事業仕分けで、「予算要求の縮減」と判定されました。


 麻生内閣が編成された21年度の予算では135億9400万円計上してくださっておりましたが、野田内閣の24年度予算では91億4100万円になり、32・8%も減額をしました。


 自民党の『J―ファイル』には、「シルバー人材センターの活用」ということを書いております。
 ところが、第2次安倍内閣が編成された平成25年度予算案では、89億5500万円で、全く重点化されておりません。


 ここは私が実は不満に思っているところでございますが、このシルバー人材センター援助事業の減額の理由は何なのか、そして、安倍内閣においては、高齢者の地域雇用機会をふやす取り組みについて、どういう施策を考えておられるのか、厚生労働大臣にお願いいたします。



【田村国務大臣】


 ありがとうございます。
 シルバー人材センター事業でありますけれども、これは、事業量を減らしたというよりは、不必要な額を適正化したということでございまして、そういう意味では、事業自体、24年度並みということでございます。


 あわせて、このシルバー人材センターで働く方々が、労災にも適用されない、それから健康保険も使えないというお話がございましたので、この国会で、実は、それが適用できるような形で法案を提出させていただく予定でございます。


 今、高齢者の方々の働く場というお話がございました。


 生涯現役社会実現環境整備事業というものをこの国会に、予算の中に提出をさせていただいておるわけでありますけれども、あわせて、シルバーワークプログラムというもの、これは言うなれば、お年寄りの方々が1回リタイアされて、その後、例えば技能講習でありますとかそれから面接会でありますとか、そういうようないろいろなものに対してのお手伝いをする、そういう事業であります、これを拡充させていただいたりでありますとか、それから、高年齢者の就労総合支援事業、こういうものも今年度、この予算の中に盛り込ませていただいております。


 とにかく、有識者の方々に、高齢者の方々の働く場、活躍する場、こういうものを御検討いただくことも含めて、これからも厚生労働省といたし
ましてしっかりと御支援をさせていただきたいというふうに思っております。



【高市委員】


 安心をいたしました。さて、もういよいよ質問時間も終わりでございます。


 日本人は、自立と勤勉の倫理を大切にする一方で、困ったときにはお互いさまと助け合える地域の絆も築いてまいりました。
 また、子供の躾、豊かな教育に心を砕いてきた民族でもございます。
 そして、高度な技術力、人材力、きめ細やかなサービス心、美しい自然と伝統文化、そしてまた良好な治安、清潔な社会を誇ってまいりました。
 これは、かつては、世界1とされた国際競争力の源でもございました。


 私は、日本と日本人の力を信じております。日本の強みをしっかりと生かしながら力強い未来を切り開いていきたい。


 政府・与党一丸となって取り組んでまいる、次の選挙よりも次の時代を考えて取り組んでまいる、この思いをお伝えいたしまして、私の質問を終了いたします。


 長時間ありがとうございました。
 

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