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予算委員会質疑報告①:安倍総理の政治姿勢について

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☆3月7日に衆議院予算委員会で行った質疑について、当日のテレビ中継をご覧になれなかった方から、本欄へのアップを希望するお声をいただきました。


☆1時間20分間に及ぶ質疑でしたので、内容別に数回に分けて、ご紹介致しますね。


≪平成25年3月7日 衆議院予算委員会質疑報告①:総理の政治姿勢について≫


【高市委員】

 おはようございます。自民党の高市早苗でございます。本日は、貴重な質疑時間を賜りました同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。


 本日の質疑でございますけれども、一部、自民党の『政権公約2012』、そしてまた『J―ファイル2012』の記述を引用させていただきます。
 この小さい方の『政権公約2012』は、昨年12月16日投票でございました総選挙におきまして、自民党本部から中央選挙管理委員会、つまり総務大臣に届け出をいたしました、これは正式な選挙公約でございます。
 そして、この『J―ファイル2012』、かなりボリュームのあるもので、中長期的な政策も含まれておりますが、我が党の総合政策集という位置づけでございます。


 本日は、安倍内閣が発足しましてから私にとって初めての質問の機会でございますので、まずは、「総理の政治姿勢」についてお伺いをいたします。


 第1に、「国民との約束に対する姿勢」について伺います。


 野党でございました3年3カ月、自民党所属の国会議員そしてまた支部長たちは、全国各地、歯を食いしばって歩き回り、多くの切実な声を伺い、そのお声を党本部に持ち帰って必死で議論を積み重ね、そして、その集大成として、この『政権公約2012』を作成いたしました。
 まさにこれは、野党でしたから当たり前のことなのですけれども、各省庁の政策のホッチキス止めでもなく、官僚の声が入ったものでもございません。政策担当の国会議員たちが、自らパソコンに向かい、文章を練り上げたものでございます。この政権公約なのでございますけれども、私たちが必死でつくったものでございます。
 安倍内閣はこの政策を実現してくれる内閣だからこそ、私たちは期待を持ち、そしてまた、大変厳しい問題もさまざまありますけれども、全党挙げて、一致して、安倍内閣をお支え申し上げている、そういう状況でございます。


 さて、安倍総理は、この公約をつくった当時も、そして今も、自民党の総裁でございますけれども、この『政権公約2012』に私たちが示しました理念、そしてまた各政策について、しっかりと守り抜いていただく覚悟はおありでしょうか。
 国民との約束についての総理の基本姿勢を伺います。



【安倍内閣総理大臣】


 まず、きょう誕生日を迎えられました高市委員が、自由民主党初の女性の政調会長として立派に職務をこなされておられますことに対しまして、改めて敬意を表したいと思います。


 自由民主党は、自由な議論のできる政党であります。そこで、自民党の政調というのは、時に非常に激しい議論を行います。これはまさに自分の政治信条をそこでぶつけるわけでありますし、地方の現場の切実な声がそこにあらわれてくるわけでありますから、それを取りまとめる政調会長の仕事は大変な御苦労だ、このように思うわけでありますが、昨年、我々が取りまとめた政権公約、そして政策集であるJ―ファイル、こうした我々の進むべき方向を示したものを国民の皆様にお示ししながら、我々は政権を奪回したわけであります。
 

 自由民主党という政党は、長い経験に裏打ちをされた責任感を持っております。つまり、約束は必ず守るということと同時に、結果を出していくということではないかと思います。  
 そして、その間、まさにかんかんがくがくの議論をしていく、これこそが自民党のエネルギーであり、活力なんだろう、これからもそうしていきたい、こう思っております。



【高市委員 】


 良い御答弁を賜りました。


 第2に、今のお話に共通することでございますけれども、「政府・与党の一体感というものに対する総理の姿勢」を伺わせていただきます。


 この日本の経済、そしてまた外交、しっかりとしたものにしていくためには、私は、政治の安定性、そして信頼性、責任性、これが必要だと考えております。
これは、政権公約をつくりましたときに、冒頭文に総理自身がお書きになったことでもございます。


 この数年間で日本から急速に失われてしまったもの、それは、政治の意思決定プロセスの透明性であり、そしてまた法制度執行の安定性、公正性であったと私は思っております。 
 選挙向けのパフォーマンスであったり、そしてまた閣僚や総理の思いつきの発言であったり、そういったものにより、大きく政治は混乱した、その点は否めないと思います。
 特に、普天間基地移設問題でありましたり、それからまた復興、そしてまた防災対策に関する姿勢でありましたり、いろいろなものの混乱、これは目に余るものがございました。


 特に、こうした政治の意思決定、国がどちらの方向を向いているのかということがよくわからないですとか、それから、行政執行の現場で何がどう変わるのかわからない、こういった状況が続きますと、日本の企業立地の優位性も損なわれてしまいますし、外交においても他国からの信頼は得られません。


 さて、このような中で、私は自民党の意思決定プロセスには大きな誇りを持っております。
 自民党では、まず、全ての法案についてなのでございますけれども、政調会の中の各部会で徹底的な議論がなされます。そこで反対意見がおおむねなくなるまで議論され、場合によっては、閣法でありましても、皆が納得できる形に条文が修正されます。その後、政調審議会で審査をされ、さらには党の最高意思決定機関であります総務会で審査をされ、そこで党議決定となったものが、その後さらに、現在でしたら自公で組織されます与党政策責任者会議の場で審議をされ、閣法であっても、そこで初めて閣議決定が可能となるわけでございます。


 私は、こういう厳し過ぎるとも言われる自民党の意思決定プロセスに誇りを持っているからこそ、政調会長となりましてからは、むしろ政府と与党の一体感、ここに心を砕いてまいりました。


 総理にお伺いをいたします。さまざま御尽力はいただいているとは思うのですけれども、「政府・与党の一体感」、そしてまた「政府・与党間の政策の整合性」、これを確保するために特に心がけておられる点がありましたら、お伺いいたします。



【安倍内閣総理大臣】


 我々自由民主党は、野党時代の3年間、まさに、政調において政策を鍛えて、来るべき戦いに備えてきたわけであります。
 そして、政権をとったらやるべきこと、ずっと、それを込めてきたのがまさに政権公約であったわけでありますが、政権をとった今日、基本的には政府と与党は一体でなければなりません。


 ただ、一体というのは、政府がやったことを党が唯々諾々とのみ込むということではなくて、それをまさに高市政調会長に期待しているわけではないですし、高市さんもそういうタイプではないというふうに私も認識しているわけであります。


 そこで大切なことは、最終的に決めたらそれに向かって一丸となっていく、それが自由民主党の、まさに長い歴史に裏打ちをされた伝統、責任感なんだろう、こう思うわけであります。
 しかし、それまでに至る過程においては、政調においては、まさに多くの議員の皆さんが地元で直接有権者からいろいろな声を聞きますね、それを吸い上げて政調で議論するわけであります。時にはその声の方が、政府が吸い上げる声よりも正しいこともよくあるわけでありますし、そこからつくり上げられた政策こそが地に足がついているということもあるわけでありますから、時には政府といわば政調等との間に緊張感も生まれるし、政府が政調から上げてきたものを生かしていくということが当然あってしかるべきなんだろう、このように思っております。



【高市委員】


 ありがとうございます。まさに国民政党であります自民党、全国各地から吸い上げた声を、しっかりと政府にぶつけさせていただきます。


 マスコミで、「政高党低」、こう書かれている間は、まず、しっかりと自民党の公約を、また公明党も含めた与党の公約を政府が実施してくれている、実現してくれているということを党所属の議員が高く評価している証だと安心していただいて結構なのでございます。 
 反対に、党の声が大きくなっていけば、そこにまた政治の不安定感というものも出てまいりますけれども、政策をしっかりとマッチベターなものにしていくために、私たちも工夫をしてまいります。
 特に、これから出てくる政府提出法案につきましても、まずは党の政策との整合性、そしてまた、それが最も効果的なものであるのか、中長期的に見て国民の利益を最大化するものであるのか、無駄はないのか、こういった視点でしっかりとチェックをさせていただきます。


 第3に、「内閣のあり方」について伺います。


 私は、政治の安定性を確保するためには、閣内が統一されていることが大変大事だと思っております。
 今話題になっておりますTPPにつきましても、かつては猛烈に反対をされていた閣僚もいらっしゃいますし、そしてまた参加そのものに前向きな発言をされていた閣僚もいらっしゃいます。
 総理が今後どう決断されるかわかりませんけれども、その決断に際しましては、最後まで内閣が一体となって国民に対して責任を持つ、こういった環境は整えておられますでしょうか。



【安倍内閣総理大臣】


 安倍内閣には、さまざまな能力や才能を持った方々がおられます。個性の強い方もおられますし、主張の強い方もおられますが、しかし、もちろん、最終的に私が判断をすれば、全員が一丸となってその方向に向かっていく、そういう覚悟を持って安倍内閣に参画をしていただいた、このように思います。



☆この後の質疑・答弁は、次回にご紹介します。
 

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