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「美しく強い日本」へ⑩:国家の基本は教育

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 10回に渡って拙文をご高覧いただきました皆様には、感謝申し上げます。
 

 結論としては、やはり「国家の基本は、教育だ」ということになりましょう。
 

 平成18年、安倍晋三首相(当時)が強い決意をもって60年ぶりに「教育基本法」の改正を断行されたことは、改正法案の答弁担当閣僚の1人だった私にとりましても大きな誇りでした。
 

 特に、第10条に「家庭教育」の規定を新設し、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする」と記したことは、画期的なことでした。
 

 第2条には、教育の目標として、「道徳心」「自主及び自律の精神」を培うとともに「勤労を重んずる」「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参加し、その発展に寄与する」「生命を尊び、自然を大切にし」「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」態度を養うことを記しました。
 

 当時は他党議員から、「政治が家庭に立ち入るべきではない」「愛国心や道徳心など内心の問題を書くのは問題だ」などと反発がありましたが、どのような日本人を育成したいのかという目標を明確に立てて、学校と社会と家庭がそれぞれの責任を担って、毅然と教えるべきことを教えなければ、教育など成り立ちません。
 

 とりわけ道徳教育の根本規範を定めることは、私たちの祖先が心して行ってきたことでもあります。
 

 私が幼い頃に両親が繰り返し教えてくれたのは、「教育勅語」(「教育ニ関スル勅語」明治23年10月30日)でした。
 小学校に入る前から全文を暗記していたのだという両親が、楽しそうに声を合わせて唱える姿が好きでした。
 

 内容は、「子は親に孝養を尽くす」「兄弟姉妹は互いに力を合わせて助け合う」「夫婦は仲睦まじく解け合う」「友人は胸襟を開いて信じ合う」「自分の言動を慎む」「全ての人々に愛の手をさしのべる」「学問を怠らず職業に専念する」「知識を養う」「人格を磨く」「進んで社会公共の為に貢献する」「法律や規則を守り、社会の秩序に従う」「国難に際しては国のために力を尽くす」という徳目で、子供にも分かり易いものでした。
 

 現代においても尊重するべき正しい価値観ですし、子供も大人も覚えて繰り返し唱和することで、日本人全体が心を合わせて道徳を実践する空気を醸成したものだと思います。 
 

 この見事な教育勅語は、敗戦後のGHQ占領下で廃止されてしまいました。日本が独立統治権を失っている間に壊されていったものは余りにも大きく、政治体制、教育政策、精神文化など多岐に渡って、その影響は現在にも及び続けています。
 

 安倍晋三首相が「戦後レジームからの脱却」を掲げ、多くの国民が賛同したことは、明らかに時代の転換点を作る契機となりました。
 その第1歩が「教育基本法」の改正であり、日本人の手による「日本国憲法」を創ろうとする動きです。
 

 今年の4月28日、サンフランシスコ講和条約の発効により日本が国家主権を取り戻してから60年目の節目を迎えました。
 その前日の4月27日に、自民党は11章110箇条から成る「日本国憲法改正草案」を公表しました。平成17年に11月に発表した「新憲法草案」をベースに、更に党内で議論を深めたものです。
 

 前文は、「日本国は長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって」と始まり、「日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する」と結ばれています。
 

 「天皇は日本国の元首」、「日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない」と規定し、「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」との文言も盛り込みました。
 

 特筆すべきは、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」という家族の基本原則を規定したことです。
 

 残念ながら、現在の国会に於ける自民党の議席数では新憲法制定をリードする力は無く、実現への道程はまだまだ遠いものでしょうが、私自身は、国家社会の中に於ける家族の責任をより分かり易く示した「家族基本法案(仮称)」を考案中です。
 

 私は、「美しく強い日本」を創造するために必要な法整備に全てを賭ける覚悟でありますが、全てのご家庭が「社会を構成する重要な主体」としての責務を自覚し、親子が互いに養育義務や扶養義務を果たすことは勿論、子供たちをしっかりと躾け、先人への感謝を忘れずに良き精神文化を踏襲したならば、我が国が直面している問題の多くは解決するはずだと確信しています。


 

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