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日本の森と水資源を守る為の法律案2本は「継続審議」に

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 4月に「日本の水源林を守る議員勉強会」を立ち上げて以来、日本全国の皆様から多くのご激励や立法内容に関する貴重なアドバイスを賜り、心から感謝申し上げております。
 

 応援して下さいました皆様へのご報告が遅くなってしまい、大変失礼を致しましたが、お蔭様で、「森林法の一部を改正する法律案」と「地下水の利用の規制に関する緊急措置法案」の2本を作成し、去る11月30日に衆議院に提出することができました。
 

 12月3日に臨時国会は会期末を迎えましたが、この2本の法律案は廃案にされることなく「継続審議」扱いで来年の通常国会に送られることとなりました。
 

 「森林法の一部を改正する法律案」は衆議院農林水産委員会に、「地下水の利用の規制に関する緊急措置法案」は衆議院国土交通委員会に付託され、与党側の国会対策委員会や衆議院の各委員長の意向次第ではありますが、来年6月の通常国会会期末までに審議をしていただける可能性があります(残念ながら野党議員による議員立法ですから、1度も審議されないまま廃案にされる可能性も皆無ではありませんが…)。
 

 この2法案が成立しますと、勉強会発足時の問題意識でありました「外国人や外国資本による森林買収・立木の伐採・地下水の汲み上げ」についても、一定の歯止めをかけることが可能になります。
 

 ただし、「外国人ならば、日本の木材や地下水を無秩序に海外に持ち出すだろう。日本人ならば、日本の森林や水資源を守るために公益を重視して行動してくれるはずだ」といった決め付けはできず、法制局からは「外国人のみに権利制限をかけることの合理性と相当性が説明できなければ、外国人のみを規制する法整備はできない」との指摘も受けたことから、2本の法案は、「日本人であれ外国人であれ、森林の水源涵養機能や防災機能・地下水資源を守っていただく」内容と致しました。
 

 2法案の条文を完成させた時には臨時国会の会期末が迫っておりましたことから、国会提出に欠かせない自民党内での「法案審査手続」は、スケジュール的にタイトなものとなりました。
 

 自民党の法案審査手続は、野党となった今でも、非常にハードルが高いのです。基本的に「全会一致の原則」が貫かれています。
 
 法案起草者は、法案審査を担当する複数の会議に出席して法案内容を説明し、出席議員からの質問に答えます。その後の多数決の際に1名でも反対なさる議員がいると、審査は通りません。
 

 例えば「森林法の一部を改正する法律案」を国会に提出しようとすると、最初に「林政小委員会」、「林政調査会」、「農林部会」の審査を受け、次に正副政調会長で構成される「政策会議」の審査を受け、更に「シャドー・キャビネット」の審査を受け、最後に「総務会」の審査を受けます。
 いずれかの会議で1名でも反対を唱える議員がおられると、審査はそこで終了。国会への提出はできなくなります。
 

 7ヶ月間近くもかかって作成した法案ですから、何がなんでも国会提出に漕ぎ着けたく、11月に入ってからは毎日のように、法案が入った袋を数十袋も抱えては衆参両院の自民党議員の事務所を訪問して歩きました。
 事前に法案内容を説明させていただき、個別にご質問にお答えしておくことによって、審査の場では異議を唱えられない確率が上がるからです。
 

 それぞれの議員がお部屋に居られる時間に合わせて訪問をしましたので、衆議院第一議員会館、衆議院第二議員会館、参議院議員会館の3つの建物を、走りながら行ったり来たり。 
 初日から靴擦れができ、3日目には足のマメがつぶれて靴の中は血だらけ…という悲惨な状況でしたが、多数の同僚議員に2本の法案内容について十分にご理解いただくことができました。
 

 その後、石破茂政調会長、宮腰光寛農林部会長、中谷元林政調査会長、谷川弥一林政小委員長、山本公一国土交通部会長のご高配のお陰で、党内審査は順調に進み、会期末までに提出することができました。
 衆議院事務総長に法案を手渡した時には、涙が出るほど嬉しかったです。
 

 「日本の水源林を守る議員勉強会」は、2法案の国会提出をもってその役割を終えましたが、来年からは、自衛隊基地周辺・島嶼部・港湾など「国防上重要な地域について、外国資本等による土地買収に歯止めをかける為の法整備」をテーマにした勉強会へと衣替えをすることにしました。
 参加メンバーは殆ど同じだと思いますが、会の名称は変更します。
 

 新しい名称は「外国人土地法改正に関する検討会」です。
 

 以前にこのコーナーで報告致しました通り、「外国人に対する土地取得制限」を法制化することは、「WTO協定(GATS)」や「2国間投資条約」に抵触する可能性が高いことから、立法技術的には相当難しい作業です。
 しかし、安全保障の上で重要な課題だと考えますし、既に高市私案として骨格も作ってありますので、国際法との整合性を研究しながら工夫を重ねて作業を続けてまいります。
 
 法案が完成しました暁には、その性質上、参議院に提出した方が良いと思いましたので、提出者となり得る山谷えり子参議院議員に会長をお願いし、ご快諾をいただきました。
 私自身は、事務局として会の運営をサポートしてまいります。
 

 最後に、この度の2法案の「提出議員」としてお名前を賜りました同僚議員を、下記の通りご紹介致します。
 また、2法案の最終的な内容につきましては、明日以降、順次アップ致します。

 

《 森林法の一部を改正する法律案 提出議員 》(敬称略)
 

○代表提出者
 

高市早苗
 

○提出者
 

安倍晋三、町村信孝、細田博之、長勢甚遠、武部 勤、中谷 元、古屋圭司、谷 公一、吉野正芳、宮腰光寛、谷川弥一、今村雅弘、田村憲久、北村茂男、古川禎久、新藤義孝

 

《 地下水の利用の規制に関する緊急措置法案 提出議員 》(敬称略)
 

○代表提出者
 

高市早苗
 

○提出者
 

保利耕輔、安倍晋三、武部 勤、町村信孝、細田博之、長勢甚遠、山本 拓、竹本直一、 田村憲久、下村博文、稲田朋美、江藤 拓、古川禎久

 

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