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鳩山内閣の口蹄疫対策に怒り④:朝鮮半島情勢にも留意した自衛隊の計画的配備を求める

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 私が5月21日の経済産業委員会で指摘した第3の点は、「朝鮮半島情勢にも留意した自衛隊の計画的配備」の必要性でした。
 

 以前にこのコーナーに書きました通り、4月30日夜、内閣官房は危機管理監を長とする局長級会議を開催し、急遽、宮崎県への自衛隊派遣の方向で調整を開始しました。
 

 そして、5月1日15:50に第43普通科連隊先行班が川南町に到着。16:02に油圧ショベルを含む第43普通科連隊本体が到着しています。
 

 政府による「全体計画」も無く、宮崎県との十分な調整も行わないまま急に派遣された自衛隊は、当初は場当たり的対応を余儀なくされました。
 

 以前にも書きましたが、自衛隊の災害派遣については、慣習的に「緊急性」「公共性」「非代替性」の3要件に該当するかどうかを判断して対応することとなっています。
 

 今回の口蹄疫対策では、「非代替性」よりも「緊急性」を重視して派遣を決めたのでしょう。
 それは十分理解できますし、現地では自衛隊員達の頑張りによって、随分助かっているということです。
 

 しかし、今後、不幸にして「口蹄疫感染が全国に拡大」した上、同時に「朝鮮半島情勢への大掛かりな対応が必要になる」という最悪のシナリオも想定した詳細な自衛隊人員配備計画が必要だと思っています。
 

 例えば、宮崎県川南町に派遣された陸上自衛隊は、「他の地域にウィルスを運んでしまうリスク」を回避するため、「一旦派遣されると、事態が収束するまでその地域に留まること」になっています。
 
 陸・海・空それぞれの自衛隊員の持つ特性・能力・装備を熟慮しながら、計画的な人員配置を行わないと、複数の他県で口蹄疫対応が必要になった場合や、朝鮮半島有事への対応が必要になった場合には、取り返しがつかないことになります。
 

 重機をもって現地入りした陸上自衛隊による「埋却処分」と「輸送」の業務は、自衛隊の能力を大いに発揮できる任務です。
 ただし、感染地が拡大した場合には、国で費用負担をした上で、土木事業者や運送会社に協力を要請するような方法もとらなければならないでしょう。
 

 また、航空自衛隊は、「消毒」や「糞尿処理」にあたっていますが、これは「非代替性」という意味では、航空自衛隊でなくても出来る仕事です。
 

 更に消毒ポイントを増やす必要から、航空自衛隊には追加派遣が要請されましたが、仮に朝鮮半島情勢が悪化した場合、最も早期に求められることは、航空自衛隊と海上自衛隊による「警戒監視」業務です。
 

 現地の人手不足という状況からやむを得ないことは分かりますが、「消毒業務」については、九州の各県警察や民間事業者への応援要請も含めて、安全保障上の対応も頭に入れながら、今後の人員計画を立てていって欲しいと思います。
 

 現段階では「宮崎県に於ける感染拡大阻止」が最優先事項であることは十分に理解した上で、尚、「長期化」「感染地拡大」「朝鮮半島情勢の悪化」という最悪のシナリオにも対応できる「備え」をしておくことは、鳩山内閣の義務だと思います。
 

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