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外国人参政権阻止シリーズ③:普天間基地移設への影響

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 既に、国家安全保障に係る課題が「地方選挙の争点」となっているのが現実です。

 記憶に新しいところでは、今年1月24日に投票が行われた沖縄県名護市長選挙。
 有権者数4万4896人の地方都市の市長選挙ですが、明らかに普天間基地移設受け入れの是非が最大の争点でした。
 
 落選された島袋吉和前名護市長が『日経ビジネス』(2010年2月1日号)のインタビュー記事で、国策である基地問題を争点化された悔しさを次の様に語っておられました。
 

 「それまでの自民・公明政権は、米国政府と、米海兵隊基地『キャンプ・シュワブ』がある辺野古沿岸部に、普天間基地を移設することで基本合意していたのです。鳩山政権は、これを再検討すると言い出しました」
 

 「実は、地元では基地問題に関心を持たない市民も少なくありません。それが、『新たな移設先を探す』という新政権による方針転換で、選挙の大きな争点になってしまいました」
 

 「基地などというのは、そもそも迷惑な施設なのです。ですから、受け入れるか、受け入れないか、改めて問われたら、誰だって反対するに決まっています。普段はどっちでもいいと思っている人の多くが、市長選では反対に傾き、敗北につながりました」
 

 「一般にはあまり知られていませんが、辺野古で活発に基地受け入れに反対していたのは、わざわざ反対運動をする為に内地(沖縄県外)からやってきた人も多いのが実情です」
 

 記事を読んで、涙がこぼれました。
 

 昨日書いた住民投票の結果に窺える通り、沖縄県民の多くは「海外や県外への移設」を望んでおられたようですが、いずれの選択肢も現実的には困難な状況の中で、仲井眞弘多沖縄県知事や島袋吉和前名護市長を始めとする地元政治家が自らの政治生命を賭けてリスクをとって下さり、「市街地に現存する普天間基地(宜野湾市)の早急な危険性除去を考えると、辺野古沿岸部(名護市)への移設を『ベターなもの』と考えるしかない」という方向性を導き出して下さったのです。
 

 私自身、安倍内閣時代には、沖縄担当大臣・IT政策担当大臣として、彼らの思いに応えるべく、北部地域振興事業に年額100億円の予算を確保するとともに、島袋前名護市長とも様々な議論を行いながら名護市の未来図を描いてきました。
 

 前出のインタビューで、島袋前市長は、「自らが国の振興策を活用して、2008年度の税収増加率13・6%(全国市町村で4位)を達成した」こと、「『IT金融都市』に至るロードマップを作って歩み始めたところだった」こと、「経済振興策を訴えたかったのに、選挙戦は『基地一色』となり、自分の主張がかき消されてしまった」ことなど、その無念さを語っておられました。
 

 前原沖縄担当大臣が昨年10月16日の記者会見で、北部振興策について「基地問題とリンクさせない」と発言したことが、島袋前市長の致命傷となったとも言われています。 
 つまり、「名護市が米軍基地を受け入れなくとも、国からの地域振興予算は確保できる」ということになり、島袋前市長の主張には説得力が無くなってしまったのでしょう。
 

 名護市長選挙で基地受け入れ反対派の候補者が勝利したことで、平成26年(2014年)までに普天間基地移設を完了するという工程表の実現は困難になったと感じます。
 
 普天間基地移設計画については、自公政権時代でも守屋次官事件等の影響を受けて工程表より半年遅れで進んでいましたが、それでも鳩山内閣が「ゼロベース」にさえしてしまわなければ、ぎりぎり平成26年末までの移設完了は可能でした。
 

 今後予定されていたステップの中でも、「地方政治家」が果たす役割は大きいものでした。
 

 防衛省が沖縄県に対して「環境影響評価書の作成と送付」を行った後に、「沖縄県知事意見の提出」があります。
 その後、防衛省が知事に「公有水面埋立許可申請」を提出します。
 今年8月頃に知事が埋立の「承認」をして下さったなら、今秋から「埋立工事」、「飛行場施設工事」、「辺野古ダム周辺の造成工事」を開始できるはずでした。
 

 普天間基地移設の実現のためには、地元知事の協力が不可欠なのです。
 

 去る2月1日に米国防省が発表したQDR(4年ごとの国防計画見直し)は、「中国の軍事力拡大」を懸念しており、「前方展開している米軍は、もはや安全地帯にいると安心できない」、「米軍再編ロードマップ実施を継続し、長期間に渡る日本駐留とグアムの再編を確実にする」との記述から、沖縄周辺地域の地政学的重要性は明らかです。
 逆に中国にとっては、沖縄県内の米軍基地は目障りな存在でしょう。
 

 今年11月には、沖縄県知事選挙が挙行される予定です。
 前回の沖縄知事選挙(平成18年11月19日投票)では、仲井眞現知事と次点の候補者の票差は、僅か3万7318票でした(仲井眞候補34万7303票-糸数候補30万9985票)。
 

 日本国内の永住中国人数は、14万5361人(平成20年:法務省『在留外国人統計』平成21年版)。
 

 仮に永住外国人への地方参政権が付与され、中国政府の意向を受けて組織的な沖縄県内への住民票移動が行われたとしたら、普天間基地移設に汗をかいてこられた現知事を落選させることも十分可能です。
 

 「外国人の組織的住民票移動などという極端な想定をすること自体が、おかしい」という反論もあるかもしれませんが、これまでにも複数の識者が、平成20年4月に長野県で北京オリンピックの聖火リレーが行われた折に、中国大使館によって動員された日本国内の中国人留学生が長野県に集結し暴力を行使した事件を例に挙げて、その危険性を指摘されています。
 

 今後、鳩山内閣が名護市以外のどの地域に普天間基地移設先を決めたとしても、当該都道府県知事が関与する手続は、一から踏まなければなりません。
 

 果たして代替基地の着工が何年後になるのかは不明ですが、その時点で外国人が地方参政権を持っていないことを祈るばかりです。
 

 次回は、国境防衛への影響について書いてみたいと思います。
 

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