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質問主意書で分かる鳩山内閣の信念無き予算編成

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 今月は、私が提出した多くの質問主意書と鳩山内閣総理大臣名で衆議院議長に送付された答弁書を、1問1答式に編集したものを掲載しました。

 

 堅苦しいばかりで、お読みいただいても面白くない原稿ですが、敢えて当サイトに掲載させていただきました。

 我慢をして読んでいただきますと、鳩山内閣がパフォーマンスとして行った「事業仕分け」の内幕や、民主党が野党だった時に鳩山代表や現閣僚たちが勢いよく発言していた多くの事柄について、政権を取るなり反故にしてしまっているということが、お分かりいただけると思います。

 

 質問主意書とは、本会議や委員会での質疑とは別に、議員が内閣に対して、国政一般について文書で質問することができるものです。

 国会法第74条、75条、衆議院規則第158条に規定されています。

 

 内閣への質問に当たっては、衆議院議長の承認が必要で、私たち議員は、議長宛に質問内容を提出します。

 議長が承認した質問主意書は、印刷し、全国会議員に配布の上、内閣に転送されます。

 

内閣は、転送された日から7日以内に、議長に答弁をすることとなっています。

質問主意書に対する答弁書は1本1本閣議決定されますので、内閣の正式な見解ということになります。

内閣から戻ってきた答弁書は、議長が印刷し、全国会議員に配布します。

内閣の答弁内容が要領を得ない場合には、国会議員は、同様の内容について再質問主意書を提出することができます。

 

 夏の総選挙の結果を受けての鳩山内閣発足後、鳩山内閣総理大臣の政治資金問題を抱える政権側は、国会での追及を避ける為なのか長らく国会召集をせず、散々待たされた挙句に召集されたに臨時国会では、私も含めて殆どの自民党議員は質問時間を1分間もいただけないという有様でした。

 そこで、私も質問主意書を活用せざるを得ず、短い臨時国会期間中に22本の質問主意書を提出しました(恐らく自民党では最多かな?)。

 

 昨日まで続けて掲載したのは、各省が概算要求した予算の中で「仕分け」の対象となった事業に関する質問主意書です。

 

 事業仕分けは「税金の無駄遣いを省く」作業として、国民から拍手喝采の支持を集めました。

 民主党の国会議員や各省の副大臣・政務官が「仕分け人席」に座って、「説明者席」に座った各省庁の官僚を罵倒しながら、バッサバッサと予算を切り捨てる様子は、面白い「官僚叩きショー」として人気を集めました。

まるで、官僚が「無駄な予算を要求した悪者」で、民主党国会議員や各省の副大臣・政務官が「無駄を見つける正義の味方」といった見せ方でした。

 

しかし、ご留意いただきたいのは、あの仕分け作業の対象となっていた来年度予算事業費目は、自民党政権が作ったものではありません。

また、各省庁の官僚が勝手に作ったものでもありません。

 

鳩山内閣発足後、前麻生内閣が組んでいた平成22年度予算概算要求は全て白紙に戻され、「各省の閣僚はじめ政務3役のリーダーシップ」で、「脱・官僚主義」「政治主導」を合言葉に、彼ら自身がゼロから作った概算要求です。

鳩山内閣の閣僚と副大臣と政務官が、自ら「必要性」を認めて「要求すべき金額」を決めた事業を、自分たちで仕分けしていただけなのです。

 

 先日来、掲載した答弁書でも「平成22年度予算の概算要求については、それぞれの事業の必要性、緊要性等を精査し、必要と考える規模の概算要求額を盛り込んだところである」という答弁が返ってきています。

 

ところが、事業仕分けに際しては、そもそも来年度概算要求見直しの責任者であったはずの政務3役は、当該予算の必要性を説明する「説明者」とはならず、局長または審議官クラスの官僚が「説明者」とされ、そればかりか、予算要求を行った張本人である副大臣や大臣政務官が、「評価者」(仕分け人)となっていたのです。

 

予算要求など各府省の意思決定プロセスにおいては、最高責任者としての「権限」をアピールしながら、既に外部に表明された各府省の意思に対する批判を受ける段になると、意思決定者としての「説明責任」を果たそうとせず、その役割を官僚に丸投げする政務3役の姿勢には、大いに疑問を感じます。

 

 ここ数日連続でアップしました「各省別の仕分け対象事業に関する質問主意書」に対する答弁書には、事業仕分け当日に、自らが要求したはずの予算にケチをつける為に「仕分け人席」に座っていた副大臣・政務官の名前と、彼らが仕分けで担当した事業名が記載されています。

 事業が廃止や縮小に追い込まれたことで困っておられる方々には、是非ともこの部分を読んでいただきたいと思います。

 

 自らが責任者を務める役所が要求した予算の「仕分け人」になっていた某副大臣は、インターネットやテレビで公開される仕分け現場では発言せず、副大臣自身も必要だと考えていた予算がメッタ切りにされるのを黙認した挙句、仕分けが終わった後で、担当課長に謝っていたそうですから、どうしょうもないですね。

 

 本来は、大臣や副大臣などが「説明者席」に座って、堂々と自らが要求した予算の必要性を、「仕分け人」に対して説明するべきでした。

仕分けが終わった後で、閣僚たちが思い思いに文句を言っているのを見ると、多額の費用をかけて事業仕分けパフォーマンスをした理由がさっぱり分かりません。

 

別の答弁書では、仕分けで使った「論点メモ」を作成したのが財務省主計局であったことも明記されていました。

結局、「必殺仕分け人」となった民主党国会議員たちも、官僚が作ったメモを台本にパフォーマンスをしていたのですから、何が「政治主導」なのか…と呆れるばかりです。

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