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内閣官房報償費に対する鳩山総理の変節

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 内閣官房報償費(官房機密費)について、これまでの民主党は、内閣官房報償費の「必要性」を否定するとともに、時の首相に対しては自らの手で「使途の公開」を行うよう求めてこられました。


 平成13年2月5日の衆議院本会議では、当時、野党・民主党の代表であった鳩山現首相が代表質問を行い、「(内閣官房報償費は)55年体制の政治的遺物で、官邸が持つ必要性はなくなった」、「森首相は、機密費(内閣官房報償費)のあり方と使い道を国民に説明する義務がある」と発言。自民党政権に対して厳しい追求をされました。


 また、平成13年6月20日の国家基本政策委員会合同審査会(党主討論)でも、鳩山・民主党代表が、「調査、解明、私たちにやらせていただきたい。私たちなら、3日間あれば、この問題、解決してみせます」、「機密費(内閣官房報償費)に関しては、徹底的に情報の公開を求めていきたいと思います」と、内閣官房報償費の使途公開を求めておられます。


 平野官房長官は、去る11月19日の記者会見で、具体的な使途の公表については否定し、公表できない理由を「先方との関係で、適切な情報提供が可能でなくなるなら、国益や政府の諸活動に障害が出る恐れがある」とされました。

 また、11月20日の記者会見では、「まずは1年間、私が責任を持って判断し、年度が終わった時に、公開できるものなのかどうかを含めて考えたい」と発言されており、いつの間にか「3日間」が「1年間」に延長されたようです。


 鳩山首相は、前記の通り、平成13年当時の森首相に対して、首相自らが内閣官房報償費の使途を国民に説明する義務があると迫っておられましたが、去る11月5日には、「国民にすべてをオープンにすべき筋合いのものと思っていない」、「官房長官から『自分に任せてもらいたい』と言われているので、一切この問題には触らないようにしていきたい」と発言されました。


 岡田外務大臣も、民主党政調会長だった平成13年2月の記者会見で、「官房機密費(内閣官房報償費)は、細川内閣の時にやめるべきだった。こういうものは政権が変わった時しか変えられない。当時の官房長官の責任だ」と発言したことが報じられています。

 まさに今が「政権が変わった時」であり、「官房長官の責任」で廃止する好機であるはずです。
 果たして、岡田外務大臣は、内閣の一員として、閣議や閣僚懇談会の席上、平野官房長官に対して内閣官房報償費の廃止を進言されたのでしょうか。
 
 また、鳩山首相も岡田外務大臣もその「必要性」を否定していた内閣官房報償費なのに、鳩山内閣が「予算計上」をしていることにも納得がいきません。
 そればかりか、11月19日には、鳩山首相が、「国益に資するために使わせていただく貴重な資金だ」と発言されています。


 私自身は、内閣官房報償費(機密費)の必要性については、肯定する立場です。

 恐らく、海外で誘拐された邦人の救出、機微な情報の収集活動、外交交渉にかかる経費などにも支出されてきたのでしょう。領収書を取って全てを公開するということが、国益を損ねる場合や個人の生命を危険にさらす場合もあるのだろう…と想像しています。

 今後、国会対策などには使用しないなど一定の歯止めをかける改革については、検討されても良いと思います。


 しかし、鳩山首相の過去の発言からのあまりに大きな変節については、現在の考え方に至った理由くらいは説明していただきたいと思います。

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