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永田町用語・その2

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 国会を離れてからあまり耳にしなくなった言葉の第2弾は、「俺は聞いていない!」であります。  
 有志が時間をかけて準備を進めてきた重要な案件が、あと一歩のところまで漕ぎ着けながらも一瞬にしてチャラになってしまう事態は、永田町では度々発生しますが、その最大の要因は、根回しの不備です。全てが水泡に帰す瞬間の決めのひと言が、「俺は聞いていない!」なのです。年配の議員からこの言葉が出た時には、その案件は諦めた方がいいでしょう。

 穏便に事を運ぶ為には、先輩議員への挨拶廻りが欠かせません。しかし、どの議員も多忙なスケジュールをこなしている為、何度議員会館の部屋を訪ねても不在である場合が多いのです。その場合は、秘書さんに名刺を預けて訪問の趣旨を伝えておくのですが、これで挨拶が終わったと思ったら大間違いです。
 永田町における「挨拶」とは、あくまでも対面によるものに限るので、例え秘書さんが正確に伝言をしてくれていたとしても、翌日の会議で「俺は聞いていない」攻撃に晒されてしまうのです。

 事務的な会議日時の連絡であっても、気を抜いてはいけません。何度連絡をしても不在だった重鎮議員に、仕方なくファックスとメールの両方で会議の日程をお知らせしたことがありました。翌日、会議室に現れた重鎮議員がひと言。「今日の会議については、俺に挨拶が無かった。この会合には2度と来ないし、協力もしないからな」。会議室に現れたわけですから、ファックスの案内状は見てくれたはずなのですが、更に足を運んでの挨拶が必要だったのです。

 最近は、ある中堅議員が衆議院事務局に対して腹を立てていると聞きました。本会議場の天井はステンドグラスになっていて、大地震の時に破損して降り注ぐかもしれないガラスから国会議員の身を守る為に、本会議場の議席の下には「防災頭巾」が設置されています。殆どの国会議員は、先輩議員の話や国会案内書類によって防災頭巾の存在を知っているはずなのですが、某中堅議員は、「俺は聞いていない。本気で国会議員を守る気が有るなら、事務局は説明会を開くべきだ」と、怒り心頭だとか・・。

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