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お正月と食文化

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 遅ればせながら・・・明けましておめでとうございます! しばらく奈良を留守にしており、更新が遅くなってしまいました。本年もどうぞよろしくお付き合い下さいませ。
 
 過去10年余りは、国会議員として地獄の様なお正月を過ごしていました。殆どの議員が同じだと思うのですが、大晦日の夜から1月3日までに招かれる新年行事の数は膨大です。年越し蕎麦を食べる間もなく家を飛び出し、徹夜で行事を廻り、元旦の朝に2時間程の仮眠を取った後は、再び外廻り。3日の夜は泥の様に眠り、4日以降は各地区や各種職域団体の新年行事が1月末まで続くといった按配・・。自宅で紅白歌合戦を観たり、お節料理をじっくり味わったりといった楽しみとは無縁の日々でした。
 今年は、結婚して初めてのお正月ということで、思い切って奈良県の方々には不義理をお詫びして、福井県の夫の実家で「主婦デビュー」をした新春となりました。来客数が多くて、新米主婦は死にそうになっていましたが、何とか大失敗も無く・・。

 ただ、奈良県の実家の両親は、大いに心を痛めておりました。嫁ぎ先の新年の風習を分かっていない娘が、迷惑をかけやしないかと案じたのです。   
 年末に、夫から「福井県のお雑煮は味噌仕立てだぞ」と聞いて、私はパニックに。奈良県の実家で慣れた味は、昆布と鰹で出汁を取って鶏肉や人参や大根を入れたお澄まし汁のお雑煮です。味噌のお雑煮に何を入れていいのやら、見当もつきません。
 頭を抱えていたら、実家の父が良きアドバイスをくれました。「奈良県の伝統では、元旦は、女性は台所に入らないものなんだよ。その家の主が若水を取って、神仏に供え、雑煮を作るのだ。何もお前が料理をする必要は無いのさ」。
 大いに安心して夫にその話をすると、「福井県には、そんな伝統は有りませんっ」と怒ること・・。

 とてもとても嬉しかったのは、年末に女友達にメールで不安を訴えましたところ、彼女の友人が料理の専門家で、簡単に作れる料理のレシピを沢山送って下さった事でした。「奈良漬とアボガドのディップ」や「奈良漬の炊き込みご飯」等、奈良出身のお嫁さんが一生使えるレシピは、私の宝物になりました。

 皆様も、各地でそれぞれの伝統・風習に則ったお正月を過ごされたことと存じます。
 昨今は、地域の食材や食文化に関する知識を持たない若者も増えている様です。栄養や食の安全、食への感謝等も含めて学びの機会を増やす「食育基本法」の成立が遅れていますが、今年の通常国会に期待します。

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