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外国人労働者受け入れの課題

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 9月17日に、小泉総理が訪問先のメキシコとの「経済連携協定」に署名しましたが、日本は他の国々とも経済連携協定の検討作業を続けています。
 私も、経済産業省在職中に各国の閣僚との議論を行いましたが、ネックになるのは「人の自由化問題」です。 
 例えば、フィリピンは、看護士や介護士を日本の労働市場に送り込みたい意向ですし、タイは、タイ式マッサージ師や介護士や料理人の就労許可自由化を求めています。
 
 「日本人の雇用機会を奪う」「医療等、人命に係わる職業分野での技術水準や言葉の壁をクリアできるのか」といった反対意見が寄せられる一方で、「少子高齢化が進む日本は、外国人労働者の受け入れを積極的に進めるべき」とのご意見も多く伺います。
 世界的にブロック経済化が進む中で、日本企業がその枠外に取り残されるデメリットを避ける為に、いずれ日本は「人の自由化」も受け入れざるを得なくなるのでしょう。その場合に想定される諸課題への取り組みが急がれるべきだと思います。
 
 厚生労働省の統計によると、平成14年度に生活保護を受給した人の総数は、約124万人。そのうち在日外国人の受給者が約46万人ですから、3人に1人の割合で外国人が生活保護を受給している計算になります。
 民間業者が外国人に住宅を貸すことに慎重である為、公営住宅に入居する外国人が多く、入居者の4割を外国人が占める公営団地も有ります。
 将来は、多くの外国人労働者が日本に定住して日本で高齢期を迎える可能性も否めませんから、外国人にかかる福祉コストをいかに賄うかという議論が必要になります。
 生活保護費の増大を防ぐ為にも、国民年金や国民健康保険の受給要件を満たしていただく為の保険料徴収促進も大きな課題となるでしょう。
 
 この他にも、適正な雇用条件をどう確保するか、外国人子女の教育環境をいかに整えるか、外国人の生活環境を整備する際の地方自治体の財政負担をどうするのか、といった課題も有ります。
 入国後に行方をくらます不法滞在外国人数が既に膨大になっていますから、出入国管理体制の更なる整備や外国人犯罪対策も必要です。

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