コラム

  1. TOP
  2. コラム
  3. 大和の国から 平成15年11月~平成17年8月
  4. ブラジルからのメール

ブラジルからのメール

更新日:

 先週15日にサンパウロの「ブラジル日本文化協会」で講演された小泉首相が、涙で言葉を詰まらせる様子が報道されました。「言葉も気候も違う中で、どれだけ苦労されたか・・」と日系移民の異国での苦難に思いを致されたのです。

 この前日、小泉首相は、日系移民が多く入植した地域の農場をヘリコプターで視察されました。サンパウロ市グァタパラ移住地は、96年前に第1笠戸丸で日本からの入植者が着いた「移民発祥の地」だそうです。
 視察に先立って、日系移民子孫の方々から、「グァタパラ移住地内の墓地に先駆者の拓魂碑が祀ってあるので、出来ればヘリから花束を捧げて欲しい」と頼まれていたようです。

 当日、移住地から首相の乗ったヘリを見上げておられた方からメールを戴きました。グァタパラ移住地に42年間暮らしておられる新田さんという方からです。
「14日15時30分、3機のヘリで、移住地の上から花束が舞いました。私たち200人くらい居たと思います。地面に『小泉首相ヨウコソ』という字と両国旗に鯉のぼりを付け、目印としました。それを機内から見られた首相は感動され、サンパウロ州知事、農務大臣らが同行しているにも係わらず、降りると言われたそうです」
 空から捧げられる予定の花束を待っていただけなのに、突然ヘリが着陸して首相が降りてきた驚きと感動を続けて記しておられました。
「予想もしなかった移住者の皆、地に伏して拝む者、顔をくしゃくしゃにして泣き崩れる者、我を忘れて抱きつく者、ほんの5分間くらいでしたが、
入植始まって以来の劇的な瞬間でした」。
 新田さんたち移住地の皆さんは、日本の親戚全てに電話をかけて、感動を伝えられたそうです。

 首相は、ブラジル大統領と、「国連安保理事国入りの相互支持」「ブラジル移民100周年に際して両国の賢人会議を創設」等で合意。
 続いて訪れたメキシコでは、自由貿易協定に署名。この協定は、農産物問題等で難航し、経済産業省在職中に相当苦労した仕事でしたので、私も感無量です。これまでは北米自由貿易協定など他のブロック経済から締め出される形でビジネスチャンスを逸していた日本企業現地法人に多大なメリットをもたらすはずです。

 この時期の首相の長期外遊を冷ややかに扱った報道もありましたが、中南米に意義深い大きな足跡を残された旅だったと思います。

前のページへ戻る

  • 自民党
  • 自民党奈良県連
  • リンク集