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橋田信介さんの日記

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 イラクでお亡くなりになったジャーナリストの橋田信介さんが残された「ババボボ日記」を送って下さった方がいらっしゃいます。
 昨年に「靖国神社について」と題して書かれた文章の一部をご紹介します。

「中国、韓国、日本、このアジア三国の『歴史認識』論争は世界の『笑いもの』になっていることを指摘したい。米国のワシントンには、ベトナムで亡くなった五万数千人の米軍兵士の記念碑がある。米国の大統領は就任式の後、この記念碑に花束をささげるのが恒例となっている。念のために確認するが、これらの兵士は米国からみれば『愛国者』であり、ベトナムからみれば『侵略者』である。だが、ベトナム政府は、米国に対して侵略者を称えるのかとイチャモンはつけない。ましてや、米国の『歴史認識』に問題があると抗議したことは一度もない」
「同じように、韓国のソウルの国立墓地にも、ベトナムで亡くなった韓国兵士が眠っている。ベトナム戦争当時、韓国はベトナムに『猛虎師団』という侵略軍を派遣した。ベトナム人は、獰猛な韓国兵士を米兵以上に怖がった。その兵士が『愛国の兵士』として葬られている。毎年、韓国の大統領や首相はそこに参拝する。それに対して、ベトナム政府は『歴史認識』に問題あり、と抗議したことは一度もない」
「同じように、中国は朝鮮戦争に軍隊を送り多くの朝鮮人を殺した。興味深い出来事がある。一九九二年、中国と韓国は国交回復をする。その際、韓国は、朝鮮戦争での中国軍の軍事侵略に対して『謝罪』を要求した。中国外務省の正式コメントは、『あの時は仕方なかった』である。これは正しい、そうなのである。歴史とは『仕方なかった』ことの連続なのである」
「歴史から教訓をくみとることは必要である。しかし、歴史を今ある『価値観』で断罪するのはガキがやることである。歴史は『清算』できない。そんなことをしたら、アメリカ合衆国から白人や黒人は出ていかねばならぬ。オーストラリアという国も成立しない。(中略)大英博物館はカラッポになるだろう」
「他国のミスをいつまでも取り上げて、自国の弱さをカバーしたり、外交の道具にするほど卑劣な行為はない」

 先週書かせていただいた私の考えに通ずるところ多く、世界を歩かれた橋田さんの視点を感慨をもって拝読しました。
 もっと多くの原稿を拝読したかったと、橋田さんのご逝去を改めて残念に思いました。

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