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年金ドミノ倒しはもう止めて

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 相変わらず連日の報道番組では「国会議員の年金未納や非加入」が取り上げられ、「もう、いい加減にして欲しい」というのが本音です。
 小沢一郎代議士が民主党代表選挙への出馬を取り止めた理由が「国会議員の年金加入が義務化された1986年以前の非加入」だったことから、「年金ドミノ倒し」の対象議員は更に広範囲となり、いつ果てるともなく政界混乱が続く恐れを感じます。
 
 私が生まれた1961年にスタートした国民年金制度ですが、「国会議員には議員年金制度が有るので、将来、議員年金と国民年金を二重取りするのはけしからん」という声に配慮して、制度開始時から「国会議員が国民年金に加入することは禁止」されていたそうです。1980年度から、「国会議員の国民年金加入が任意で許され」、1986年度からは、「国会議員も国民年金加入が義務」となったわけです。
 
 よって、80年度から86年度の間というのは、どちらかといえば、「議員年金との二重取りにはなるけれど、国会議員も希望者については国民年金に加入してもいいですよ」というのが、制度趣旨だった時期なのです。
 それまで国会議員の加入が「禁止」されていたわけですから、議員側も「任意加入の権利は出来たが、実際に加入したら二重取り批判をされるかも」とビクビクしながらの対応だったと思います。
 新聞各紙の議員アンケートや民主党の未納議員発表の基準が「国会議員就任後であり、且つ加入義務化となった86年度以降」であった理由は、前記の事情からなのでしょう。
 
 ところが、小沢代議士は任意加入時期の非加入を自らの代表選辞退理由とし、民主党は同時期に非加入だった小泉総理攻撃に出たわけです。しかし、任意加入時期の非加入やら国会議員当選前の加入状況まで攻撃し合う事になれば、野党側でも対象者は増えるでしょうし、肝心の年金法案審議も責任追及ばかりで貴重な時間を浪費することとなります。
 加入義務化後に義務違反をしていた議員については、率直な謝罪が必要だと思いますが、先週本欄に書いた様な提案も含めて、より良き年金制度の構築に時間を使って欲しいと願います。

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