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APEC貿易担当大臣会合報告

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 小泉総理が出席されたエビアン・サミットがマスメディアの注目を集めた先週でありましたが、その陰でひっそりと、タイのコンケーンではAPEC貿易担当大臣会合も開かれておりました。
 結局、平沼大臣は国会対応で動けず、私が出席してきました。


 今回は、冒頭に、タイのタクシン首相の演説が有り、大臣会合では、WTOイシュー、FTA(自由貿易協定)、IPR(知的財産権)、SARS、構造改革、貿易円滑化、反テロ、バイオテクノロジー、EUの化学品規制等々、2日間に渡って議論が行なわれました。


 中国等による模造品被害に苦しむ日本にとって悲願だった「IPRサービスセンター設置」(知的財産権保護の拠点を、全てのAPECメンバーエコノミーに設置する計画。昨秋のロスカボスAPECで私が日本提案として強く主張したものの、中国の猛反対で合意を得られなかった)が、全会一致で合意されるなど、日本にとっては満点に近い成果を上げられた会合だったと思います。
 あれから半年余、当省では当時の担当者だった佐伯審議官や現在の交渉担当者である鷲見審議官はじめ担当職員達が事務レベル協議で粘り強い説得を続け、中国が参加しやすい条件を整える努力をしてくれました。私自身も、ロスカボス後のシドニーでのWTO閣僚会合で中国の代表をつかまえては説得したり、今回のコンケーンでも大臣会合の直前まで各国の大臣との立ち話やバイ会議でしつこく日本提案をサポートいただける様に念押しをして廻りました。皆の頑張りが効を奏したのだと思います。


 WTO案件については、冒頭にスパチャイWTO事務局長からドーハ開発ラウンド交渉の進捗状況説明がありました。農産品、非農産品・サービス貿易ともに、農産品輸出国と輸入国、先進国と発展途上国では依然議論が噛み合いません。日本も、米国のゼーリックUSTR代表はじめ農産品輸出国の大臣とは相変わらず正反対の主張をするしかないのですが、APECの場を活用して、たっぷりと日本の主張を展開することはできたと自負しています。
 米国や豪州などは「農産品市場アクセス」を重視していますが、日本としては「市場アクセスに偏らず、アンチダンピング規律強化や投資ルールなども含めたバランスの取れた合意」を求めています。
 特に関税率について、WTO事務局長案では、「発展途上国はあまり関税率の引き下げ努力をしなくてもよい」仕組みになっており「低関税率は撤廃されることから、これまで真面目に引き下げ努力をしてきた日本のような国は大損」する内容になっているので、その不公平感も訴えました。


 APEC地域の貿易取引コストを2006年までに5%削減するという目標についてもテロやSARSで追加的コストは必要になってしまっているものの、目標達成に向けて取り組むことで一致。ビザ無し渡航を可能にする「APECビジネス・トラベル・カード」も成功例として、高い評価を受けました。


 SARS対策については、やはり貿易大臣会合であることから、APECの貿易投資など経済活動に悪影響が出ないようにする為の議論がなされました。
 過剰反応で経済にダメージを与えることのないよう、APECメンバー間での情報共有システム構築や越境コントロールなどの取り組みをまとめた「SARS行動計画」を承認しました。


 大臣会合以外の時間を利用して、今回の大臣会合議長を務められたタイのアディサイ商業大臣、台湾の林経済部長、ベトナムのトウエン商業大臣とのバイ会談、インドネシアのリニ商工大臣、オーストラリアのベイル貿易大臣、香港のタン工商科技局長官などとの情報交換の場を持ちました。


 以上が、APEC真面目報告編です。番外編は次に掲載します。

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