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マニフェスト・ブーム

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 今週月曜日に通常国会が召集されました。通常国会では、平成16年度予算案の審議が行われます。
 予算案についてのマスコミ報道で目立つのは、「昨秋の総選挙での与党のマニフェストに忠実な予算案になっているかどうか」という切り口です。これは少なくとも1年前までの報道には無かった視点です。
 各政党が公約を掲げて選挙を戦い、過半数の議席を得て政権の座に就いた政党が、公約達成に有効な内容の予算案や税制を作るのは当然のことです。そして、マスコミや有権者が与党の選挙時の公約をしっかり覚えておいて予算案をチェックするという姿勢は、大切なことです。やっと理想的な流れが出来てきたことを歓迎しています。

 しかし、昨年の選挙では、解散直前の国会でバタバタと法改正をして、突然の「マニフェスト選挙ブーム」となったものですから、有権者の目に触れたマニフェスト冊子は、各党とも急ごしらえで、政策実現プロセスの具体性を欠いていたように感じます。
 私自身も、自民党公認候補でありながら、自分の党のマニフェストの概要を知ったのは公示日の2日前。既にマスコミ各社からは候補者宛に「政策アンケート」が沢山寄せられており、提出締切の都合から「私の政策と党本部で作成中の党の政策が食い違っていませんように!」と祈るような気持ちでアンケート用紙を埋めていました。
 そして、かなり遅れて党本部から届いたマニフェスト冊子を初めて目にしたのは、ナント!選挙戦が始まって数日後のことでした。マニフェストの決め方と内容の充実は今後の重要な課題です。

 それにしても、昨秋の選挙戦では「候補者個人の政策よりもマニフェストへの関心が高かったこと」に驚きました。街頭では候補者個人の政策ビラよりマニフェストに人気が集まりました。
 実は自民党では、党の公約集を「マニフェスト」ではなく「政権公約」と呼んでいたのですが、「自民党の政権公約です」と言いながら配布するよりも「自民党のマニフェストです」と言った方が、受け取る人が何倍も多かったのも不思議でした。

 マニフェストブームの盛り上がりで、候補者の戦い方も変わりました。候補者個人の選挙ビラには政策を1行も書かずに人柄のみをアピールし、政策については党本部から届いたマニフェスト冊子を配るだけ、という候補者が多かった様です。
 しかし、候補者が政党のマニフェストのみを政策とするなら、選挙制度は比例代表制度のみにすればいいのです。各政党本部が作った政策を較べて党名を選ぶ方がスッキリします。
 むしろ全国各地の小選挙区の候補者は、マニフェストとは別に、地域性や自分の専門分野に応じた個人の政策を打ち出すべきで、それを実現する手段として政党に所属するのだと私は思っています。

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