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靴下製造業界の嬉しい話

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 新年あけましておめでとうございます。このページをのぞいて下さった皆様にとって良き2004年になります様、お祈り申し上げております。

 1月から2月にかけて、各種団体の新年総会などでの講演依頼を沢山いただいていますが、不思議な程に共通しているのは「2004年日本経済の展望」といった課題で、「是非とも明るい話をして下さいね」と頼まれることです。昨年下旬から製造業を中心に回復基調を示す良い数字が出てきておりますので、この流れを本格的なものにしたいという各業界の切実な願いが伝わってきます。

 年末に靴下製造業界の方から嬉しい話を伺いました。「中国の北京のデパートから、日本製の子供用高級靴下の引き合いが来ました」とのこと。
 これまでは、中国からの安い製品の流入で苦しんできた業界です。しかし、中国の沿海部を中心に急速な経済発展を遂げて大金持ちが増え、裕福な層は自分の子供の為に日本製の高級靴下を求めるようになったのでしょう。先日、デパートの子供用品売場に靴下を見に行ってみましたが、刺繍入りや豪華なレースのついた品、人気キャラクター物や機能性の品など、かなり高価ですが素敵な靴下が沢山有りました。

 経済産業省に居た頃、靴下製造業界の困難な状況を度々伺いながら、経済産業省も中国よりも安い製品を作る努力への支援から世界の市場に通用する品質とデザイン向上の努力への支援に切り替えつつある旨をお伝えしたことを思い出していました。
 ニット製造業界が一流のデザイナーを雇って高級品化に取り組み、ニューヨークに乗り込んだ話は、以前にご紹介しましたよね。

 靴下製造業は、ニットよりは差別化が難しいのですが、早くから製品の品質向上に取り組んでこられました。
 例えば、私は海外出張先で着替えのストッキングを買うことが多いのですが、日本製に較べると破れ易く肌触りも良くありません。日本では、女性の悩みである爪先やお尻の冷えを防ぐ品、足が美しく見える陰影つきの品、ビタミン配合の品など、機能性ストッキングも多種多用です。ただ、破れにくく丈夫になった為、国内市場での販売数が増えないというジレンマも。
 「これからは、世界の市場への輸出も含めて、攻めの姿勢で頑張りますよ」と笑顔で語る靴下業界の方々に元気を頂いたひと時でした。

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