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  3. 永田町日記 平成14年1月~平成14年9月
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「怪文書と週刊誌捏造報道への怒り」

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 めちゃくちゃ悲しいことが起きました。またもや選挙区内に「怪文書」が大量にばら撒かれたのです。

 過去においても、解散総選挙が近いと思われる時期や選挙期間中には選挙区内有権者に対して、内閣改造や自民党内人事直前においては自民党同僚議員やマスコミに対して、私を誹謗中傷する怪文書を度々配布されました。今回は、架空の女性団体を名乗る葉書が、奈良市内に郵送されました。消印は、大阪、京都、東京で、前回の内閣改造前に国会議員に郵送されたものと同じワープロ字体で同じ文体。明らかに、国会関係者の犯行で、私が役職についたり、次回の選挙に勝つと困る人なのでしょう。

 内容は、ナントカ池の埋め立て工事に口を出したとか、その工事でお金を儲けて脱税したとか、そのお金で2億円の豪邸を建てたとか、ひどいものでした。
 私が名前すら知らなかったその池の工事とやらは、池周辺住民の方に聞いてみると、蚊や悪臭の被害があって私が国会議員になる前から進んでいた話だったそうで、私が関与できる可能性はゼロとのこと。
 また、国会議員は資産公開時に確定申告書類の内容も添えて提出していますので、兼職で企業経営でもしていない限り、脱税は不可能です。
 更に、私の顧問税理士は厳しい方で「政治家の資産公開では定期預金残高のみが公開対象ですが、高市代議士には公明正大に活躍してほしいので、毎年の普通預金残高も確定申告で税務署に届けておきましょう」との提案があり、過去数年の私の収入や支出、生活に使う普通口座の残高まで全て税務署に報告している程です(これは提出している政治家は少ないと思います)。
 お金に関して、一点の曇りも無いことを自負していただけに、怪文書には怒り爆発。

 名誉毀損で告訴手続きをし、警察にも本格的捜査をお願いし、私自身はすっきりしていたところ、2次被害が発生。
 ある週刊誌が怪文書の内容と両親の家の写真を掲載したのです。私にろくにインタビューもせずに何故か私のコメントなるものまで捏造して掲載されています。これは明らかに虚偽の報道ですし怪文書を郵送された人以外の全国の人に怪文書の内容を広めることになりました。怪文書を出した本人は大喜びしていることでしょう。

 一番可哀相なことになったのは、私の両親でした。
 長男である弟がそろそろ結婚しそうだということになって、両親は昨年、かなり無理をして2世帯住宅に引っ越したのでした。両親は長年共働きでしたし、ボーナスが入ったからといって家族旅行すらしない程の節約家でしたから、20年以上前には庭付き一戸建ての自宅は購入していました。その家を売却した代金に、両親の退職金や年をコツコツ貯めた定期預金を解約したお金を加えて、やっとお嫁さんや孫が過ごせるスペースを用意したのでした。

 私は、社会人になってからも家賃も食費も払わず居候を決め込んでいた罪の意識から、転宅にかかる費用を一部払うことにしました。大赤字の政治事務所を抱えている現状から現金は用意出来ないので全額借金。そのかわり、世間に誤解を与えないよう、自宅名義の5分の1を譲り受けることにして、それは今年の資産報告に掲載されます。

 ところが、怪文書やら週刊誌やらに、とても大きな金額で、それも汚職のお金で私自身が建てた家といったイメージで宣伝され、両親の苦労や夢は粉々になってしまいました。父は心労で寝込んでしまいました。私も独りになると声を上げて泣いてしまう日々でした。
 私が選挙を始めてからというもの、事務所や我が家は脅迫電話や車庫の破壊、自動車ブレーキへの細工、放火未遂、爆発物と思われる宅配便の配達、とさんざんな嫌がらせに苦しんできました。週末に選挙区に入る度に、不審な尾行車につけられ、命の危険を感じることも度々(現在も続いています)。警察は巡回強化などで対応してくれましたが、それでも選挙が近付くにつれて私の身の危険が増すと考えた両親は、昨年の転居を機に、特に親しい人以外には転居通知をせず、私も自宅住所を公開しないなど工夫をしてきました。週刊誌の報道で自宅が特定された途端、家にペンキを投げ込まれるなどの嫌がらせがスタート。塀やら壁やらがペンキで汚れ、ゴシゴシとブラシでこする母も哀れでしたが、警察の方々も現場検証に駆け付けるなど大迷惑をかけてしましました。今後、家族の命に関わる事件が起きた時に週刊誌は責任を取ってくれるのでしょうか。

 私自身は政治家ですから、どんなに理不尽な叩かれ方をしても耐えますが、平凡なサラリーマンだった父を始め家族を不幸のどん底に落とす行為は許せないのです。これ以上の親不孝をしてまで政治家を続けていいのか・・とすら思いました。
 こんな弱音を吐いていては、私の政策に賛同し、必死で支えて下さっている後援会の皆様には申し訳ないのですが、土色の顔をして痩せこけた父を見ていると「ごめんなさい。私が娘であったばかりに」と心の中で手を合わせるしかなく・・。

 マスコミの方には、卑劣な犯罪に結果的に加担する報道はしないでいただきたいし、どうしても記事にされたい場合は、せめて本人にしっかり取材をして正確に報道していただきたいと希望します。
 また、有権者は差出し人不明の怪文書の信憑性については冷静に判断してくださるとは思いますが、それでも一部の方からの問い合わせや嫌がらせ電話への対応で、国会議員として本来なすべき仕事の時間は削られます。1日も早く犯人が逮捕され、政治家が、堂々と政策のみで選挙戦を戦える環境を作れることを望んでいます。

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