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アフガニスタンからの邦人退避①:自衛隊法との関係

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 混乱が続くアフガニスタンでは、一部の日本人と日本政府関係の仕事に従事していたアフガニスタン人が、自衛隊の輸送機でパキスタンのイスラマバードに退避した旨が報じられていますが、詳細は分かりません。

 現地には、まだ出国を希望する日本大使館のスタッフらが残されていることも、報じられています。

 

 自衛隊員や外務省職員も、活動拠点のあるイスラマバードで退避任務を続けるということですが、米軍撤退後の任務は更に困難を極めるのではないかと、非常に心配しています。

 

 菅内閣は、去る8月23日、アフガニスタンに残る日本人や一緒に働くアフガニスタン人を輸送する為、『自衛隊法』第84条の4に基づき、「在外邦人等の輸送」を行うことを決めました。

 その後、岸防衛大臣の命令により、航空自衛隊C-2輸送機1機、C-130輸送機2機が派遣されました。

 

 派遣された部隊には、緊迫する現地情勢を受けて、「武器を持った陸上自衛隊中央即応連隊」の隊員約100人も含まれており、空港まで来た日本人達を輸送機に安全に誘導するのが任務です。

 

 ただし、自衛隊が武器使用をできるのは、「自分自身や自己の管理下に入った人を守る為」または「機体の防護やハイジャックなど機内で起きた緊急事態」に限定されています。

 

 今回の『自衛隊法』第84条の4(在外邦人等の輸送)に基づく派遣の場合、仮に空港へ向かう日本人が襲撃されたとしても、空港外に出て武器を使うことができません(自己保存型武器使用)。

 

 安倍内閣が『安全保障関連法』の一部として追加した『自衛隊法』第84条の3(平成28年施行)に基づく派遣ならば、「在外邦人等の保護措置」を認めていますので、「大使館等に集合した日本人等を陸上輸送し、保護任務の実施を妨害する行為を排除する為の武器使用(任務遂行型武器使用)」を行うことができます。

 

 ただし、この保護措置の実施には、

①当該地域の安全を現地の当局が確保し、戦闘行為が行われることが無いこと

②武器使用を含む自衛隊の活動について、領域国が同意していること

③当局との連携が見込まれること

という3つの要件を満たすことが求められています。

 

 現状ではアフガニスタン政府が事実上崩壊し、カブール空港の安全は現地の治安当局ではなく、米軍が確保しています。それも、明後日の8月31日までですが…。

 更に、自衛隊の展開には、現地政府の同意が必要になりますが、その政府が存在しているとは言い難い状況です。

 

 そのような事情から、「保護措置(『自衛隊法』第84条の3)」ではなく「輸送(同条4)」を任務として派遣したのだと思います。

 

 岸防衛大臣も、茂木外務大臣も、両省の職員とともに不眠不休で対応して下さっている最中だと存じます。

 

 しかし、『自衛隊法』第7条は、「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する」と規定しています。

 このような事態だからこそ、菅総理が直接、記者会見で国民の皆様に語りかけて欲しいと願います。勿論、退避者の安全確保が最優先ですから、「詳細な作戦や情報」を述べる必要はありません。

 

 海外勤務中の方、留学中の方、旅行者、海外居住者など、日本人が海外で危険な事態に巻き込まれるリスクは存在します。

 そのような時に、日本政府が必ず救出に行くという意思、自衛隊に可能な任務と不可能な任務については、国民が情報を共有しておかなければならない事柄です。

 

 古くは1996年に、在ペルー日本大使館公邸占拠事件も発生し、その後、徐々に法整備は進んできましたが、『自衛隊法』に関しては、常に反対意見が大きく、私に言わせれば、まだまだ国民の皆様の生命を守り抜く上では、不十分なものです。

 

 ただし、法整備だけの問題ではないことについて、明日も書かせていただきます。

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