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2020・1・15・ベトナム出張で実感したインフラシステム輸出の大きな可能性

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 昨日(1月14日)の閣議後の閣僚懇談会で、出張報告を配布しましたので、去る1月8日~1月10日までのベトナム社会主義共和国への出張について、所感を書きます。

 

 総務大臣は、国会会期中は衆参両院で幾つもの委員会で答弁に追われる日が多く、各種有識者会議などへの出席も多数ですので、情報通信大臣会合などの国際会議は殆ど副大臣に代理で行っていただくこととなり、滅多に海外出張には出かけません。

 

 私にとりましては、昨年9月11日に総務大臣に再任されてから初めての海外出張でした。

 稀な出張の機会にベトナムを選んだ理由は、ベトナムが本年、国連の安全保障理事会の非常任理事国やASEANの議長国になることから、国際社会において、しっかりと連携していきたいという思いがありました。

 

 また、前回の総務大臣在任中に走り廻って、当時の「情報通信国際戦略局」を「国際戦略局」に改称・改組し、情報通信のみならず、消防、統計、郵便、行政システム、電波など幅広い総務省の政策資源や技術を一括して諸外国に売り込める体制作りを実現しましたので、その体制を活かして、様々な分野のセールスをしたいと考えました。

 

 

 フック首相との会談では、多様な分野について話ができました。

 

 第1に、「電子政府」です。

 フック首相が行政改革の一環として特に積極的に進めてこられたのが、「電子政府」です。

 フック首相とともに、梅田駐越大使とズン官房長官との間で行われたODA支援の署名に立ち合いましたが、総務省としては、人材育成に関する協力を続行していきます。

 私からフック首相には、「電子政府の推進においても、5Gと同様に十分なサイバーセキュリティを確保することが必要なので、信頼性の高い日本の機器や技術を活用していただきたい」旨を、お伝えしました。

 

 第2に、「消防」です。

 既に日本とベトナムの間では、消防機器の規格に関する情報交換や日本の検査機関の視察などの取組が進んでいましたが、一歩踏み込み、「日本では、消防機器について、法令に基づく厳格な規格・認証制度を採用し、高品質で耐久性に優れた機器を製造している。是非、日本の規格・認証制度や消防機器の導入を、積極的に御検討いただきたい」旨を伝えますと、とても前向きなお返事を頂けました。

 

 第3に、「統計」です。

 ベトナムが来年に実施する「経済センサス」では、総務省が開発した「オンライン調査システム」が採用されました。

 このシステムの運用に向けては、専門家の派遣を行うなどの協力をすることと致しました。

 

 第4に、「行政相談」です。

 今後、両国において、ベトナムに滞在する日本人や日本に滞在するベトナム人からの行政相談が増加することが予想できます。

 前回の総務大臣在任中の2016年4月にベトナムの国家監察総監と私の間で覚書に署名を行いましたが、引き続き人材育成や情報交換などの協力を続けていきます。

 

 この他、「サイバーセキュリティ対策の重要性」や個人的な雑談も含め、長時間、ご一緒させて頂き、楽しく優しいお人柄に魅かれました。

 

 フック首相は、昨年6月のG20大阪サミットで来日され、昨年10月の天皇陛下即位の礼にも参列して下さいました。

 安倍総理主催の晩餐会の席次を見ても、安倍総理がフック首相を大切なパートナーであり友人として信頼しておられることが分かります。

 

 

 また、情報通信分野における私のカウンターパートであるフン情報通信大臣との会談も、1時間余にわたる充実したものでした。

 

 情報通信省と総務省は、2010年9月に「情報通信分野における協力覚書」に署名し、その後、2016年9月に私の署名で更新を行っていました。

 今回は、この覚書に「サイバーセキュリティ」「5G」「スマートシティ」など最新のテーマを盛り込み、フン大臣と私の間で改訂署名を行いました。

 

 また、2015年に副大臣間で署名された「郵便分野における協力覚書」を、今回は大臣間の署名に格上げしました。

 

 過去には、ベトナムでは郵便物が届かないなどの問題が多発していたそうですが、日本郵便とベトナム郵便の協力が始まり、日本の郵便ノウハウを導入してから、郵便の質が飛躍的に向上したそうです。

 

 現在は、日本企業とベトナム郵便が協業して、郵便局での電子マネーによる年金支給や社会保障国家データベースの構築に取り組んでいます。

 

 フン大臣との間で最も時間を割いて話し合ったのは、「サイバーセキュリティの確保」についてでした。

 

 日本では、今春から5Gの商用サービスが開始されますが、ベトナムでも、本年からの5Gサービス開始を予定しています。

 「5Gを安心して利用できるよう、サプライチェーンリスク対応を含む十分なサイバーセキュリティ対策が必要。自動運転や遠隔医療などにも活用される5Gだからこそ、信頼のおけるベンダーの製品でネットワークを構築しなければ、社会的に大きなリスクになると考える」旨をお伝えし、問題意識を共有しました。

 

 2018年に日本がリーダーシップをとってタイに設立したAJCCBC(日・ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター)を活用して、日本は、ベトナムをはじめASEAN地域のサイバーセキュリティ能力向上に貢献しています。

 また、昨年6月からJICAがベトナムで実施しているサイバーセキュリティの技術協力プロジェクトにも、総務省は講師を派遣するなど、協力を続けていきます。

 

 日本には、約37万人のベトナム人が生活しています。ベトナムに進出している日本企業や滞在中の邦人も居られる中で、サプライチェーンリスクの低減を考えると、人材育成も含めたサイバーセキュリティ対策の強化や5G分野での協力は、両国にとって大きなメリットがあります。

 

 

 更に、チン共産党中央組織委員長との会談も、有益なものでした。

 チン委員長は、日越友好議員連盟の会長でもあり、ベトナムでは閣僚よりも高い序列のキーパーソンです。

 

 チン委員長は「行政改革」を熱心に推進しておられる方で、首相府と中央省庁と地方行政機関の情報連携を行う「国家情報報告システム」や「指示運営センター」の構築に必要な機材が日本から供与されることを、歓迎しておられました。

 

 チン委員長とも「5Gのサイバーセキュリティ対策」「行政改革の為の人材育成」などについて意見交換を行いました。

 現在、ベトナムの地方若手幹部の来日研修を企画されているようです。日本の地方自治体の先進的取組を見ていただくことになると思います。

 

 

 ベトナムでは、今年4月には「ASEAN 5Gセミナー」が開催され、9月には情報通信分野の世界的イベントである「ITUデジタルワールド」を開催する予定だということです。

 現在のベトナムには、勢いがあります。

 ICT分野では、富士通、KDDI、NTT東日本、朝日放送などが、ベトナムで活躍中です。

 

 国際社会においては、日本と戦略的利益を共有しており、世界有数の親日国でもあります。

 生産拠点としての魅力とともに、日本のインフラシステム輸出に関する市場としても、大いに可能性を感じました。

 

 少々気になったのが、フン情報通信大臣の言葉でした。

 「日本とベトナムの違いを考えてみたのだが、日本は意思決定には時間がかかるが、一度決めたら必ず実行する。ベトナムは意思決定は早いのだが、すぐに変更することだ」

 

 ベトナムに投資を予定する日本企業に対する外務省やJETROによる丁寧な情報提供(税制を含む法制度の変更等)が大切なことだと感じました。

 

 今回の出張でお世話になりました梅田邦夫・ベトナム駐箚特命全権大使はじめ日本大使館の皆様、外務省や総務省の職員の皆様、温かく歓迎して下さったベトナム政府の皆様に、深く感謝申し上げます。

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