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サイバーセキュリティ対策①:日本政府による国際的議論の主導

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 昨日に書かせていただいた通り、海外送信元から日本に向けたサイバー攻撃の急増は見過ごせない状況です。

 

 サイバーセキュリティ対策強化に向けては、「日本政府による国際的議論の主導」が必要だと考えています。

 

 近年、G7においては、サイバー空間を安全なものにする為の国家の役割について、一定の合意が出来上がりつつあります。

 

 2016年の伊勢志摩サミットにおける『サイバーに関するG7の原則と行動』には、次のように記されています。

 

 「我々は、国際連合憲章を含む国際法がサイバー空間において適用可能であることを確認する」

 

 「我々は、一定の場合には、サイバー活動が国際連合憲章及び国際慣習法に言う武力の行使または武力攻撃となり得ることを確認する。また、我々は、サイバー空間を通じた武力攻撃に対し、国家が、国際人道法を含む国際法に従い、国際連合憲章第51条において認められている個別的または集団的自衛権の固有の権利を行使し得ることを認識する」

 

 2017年のG7ルッカ外相会合における『サイバー空間における責任ある国家の行動に関するG7(ルッカ)宣言』でも、次のような合意がありました。

 

 「紛争の予防及び紛争の平和的解決のため、国際法が武力攻撃に至らない違法行為(悪意のあるサイバー活動を含み得る。)に対する国家の対応のための枠組みを提供していることに留意する。国際違法行為の被害者である国家は、一定の場合には、その違法行為について責任を有する国家に国際的な義務を遵守させる為に、当該責任を有する国家に対して均衡性のある対抗措置(ICTを介して実施する措置を含む。)及びその他の合法的な対応をとることができる」

 

 ところが、G20になると事情が変わってきます。

 

 今年6月に開催されたG20大阪サミットに先立って開催された情報通信関係大臣の会合においては、ロシアが猛反発する中で、石田真敏・総務大臣と総務省の情報通信部局の職員たちが頑張って下さって、何とか「サイバーセキュリティ」に係る一文を盛り込めたものの、合意できた内容はG7とはかけ離れたレベルです。

 

 サイバー空間においても、『国際連合憲章』『国際電気通信連合憲章』『武力紛争法』『国際刑事法』『国際人道法』『国連海洋法条約』『民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約』『宇宙条約』『ジュネーブ道路交通条約』『外交関係に関するウィーン条約』『サイバー犯罪条約』など既存の国際法が適用されると考えられますが、「個別具体的な適用の在り方」「規範の形成や普遍化」の議論が必要です。

 

 「サイバー攻撃に関しては、国家の関与を立証することが困難であること」「サイバー犯罪への関与を疑われている国が反発していること」など、より幅広いメンバー国による合意形成への道筋を付けることは、大変な作業だと思います。

 

 それでも、日本政府は、G7諸国と連携しながら、G20や国連サイバーGGE(Group of Government Experts)の場においても、関係する国際ルール(サイバー攻撃に関する禁止行為・罰則、紛争解決制度、対抗措置に係る必要な証拠の確度や均衡性原則など)や各種国際法についての課題の抽出、サイバー攻撃を受けた場合の戦略的広報に係る連携方策を含めて、日本政府としての立場を明確化し、積極的に国際的な議論を主導していくべきだと考えます。

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