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不妊の女性にも温かい社会であって欲しい

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 今朝は、フジテレビの「報道2001」に出演しました。番組のテーマは「少子化対策」で、諸外国の事例なども紹介されており、興味深い編成でした。
 「少子化対策の特効薬は無い」と言われますが、同じ様な政策を実行しても、その国の国民性や文化、環境の違いによって効果はまちまちであるようです。
 帰宅して、仕事をしようとパソコンを開きますと、番組の感想をメールで送って下さっていた方が随分おられました。昨秋来、私の公式サイト等を通じて、少子化対策に関しては実に多様なご提案を数多く寄せていただいており、感謝申し上げております。

 ところで、毎度のことですが、「自分が子供を産んでから、少子化対策について発言しろ」「子供も産めない女が少子化担当大臣をするのはおかしい」といったご指摘も数通。
 あまりにも私的な事で恐縮ですが、残念ながら私の身体は、婦人科の病気で手術をしてから妊娠や出産が困難な状態にあるようで、子供を授かることを切望しつつも諦めた次第です(血は繋がらないものの素直でかわいい息子や娘が居りますので、十分に幸せですが)。

 ご指摘のように「出産経験がある人しか少子化対策を担当してはならない」ということになりますと、科学者ではない私が科学技術担当大臣であることにも、沖縄県民ではない私が沖縄担当大臣であることにも、正当性が無くなってしまいます。
 経済産業大臣は商社マンか企業経営者から選ぶしかなくなりますし、農林水産大臣も農業者かJA職員か森林組合職員の中から選んでいただいた方が良いということになってしまいます。これは、任命権者である総理がお考えになるべきことですが・・。
 ちなみに、韓国とシンガポールの家族政策(少子化対策等)の担当大臣は男性ですから、彼らも出産経験をお持ちではないでしょう。
 政治家が全政策分野の実体験をすることは不可能です。大切なことは、当事者を含めて幅広く多くの方々のご意見を伺い、十分な資料を読み込み、しっかり国益やコストや効果を分析した上で、最善の政策判断をする努力をすることだと考えます。この点はご理解を。

 ・・・と、ここまでは本題ではなく、私が今日申し上げたかったことを書きます。
 内閣府や私のHPにお寄せいただいたメールの中に、「子供を産めるかどうかも分からない人の不妊治療に対して、国がお金をかけるのは無駄だ」というご意見が多くあり、拝読していて淋しい気持ちになったのです(勿論、ご投稿には感謝しています)。
 子供を授かりたいという切実な思いを抱いて、つらい不妊治療に耐えて頑張っておられる方々に対して、もっと温かい社会であってほしいと願っています(行政による不妊治療支援もまだまだ不十分ではありますが、お互いの夢を応援し合える日本にしたいのです)。

 政府が少子化対策の重要性を声高に叫ぶことによって、「不妊に悩んでおられる方や自らの意思で子供を産まない方を批判し、傷つけてしまうような社会の空気」を作ってはならないと考えています。子育て世帯を応援する政策施行や世論啓発には十分な配慮が必要と留意していることです。
 それぞれの生き方や事情を温かく認め合い、皆が夢を諦めないで済む環境、夢を実現しやすい環境が整うことが、一番幸せなことだと思います。

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