早苗コラム

7期目の永田町から 平成27年1月~平成29年9月

2016年12月31日

平成28年の業務を振り返って③

 今年になってから、徐々に仕事の比重が大きくなってきたのが、マイナンバー制度です。

 今夏8月3日の内閣改造時に、安倍総理から「総務大臣」の続投に加えて「内閣府特命担当大臣」も併任する辞令をいただき、それまでは甘利大臣や石原大臣が担当してこられたマイナンバー制度全体の設計や進捗管理に係る役割も担うこととなりました。

 8月3日以前にも、総務大臣として所管する郵政行政や地方行政に関係する範囲内ではありましたが、昨年10月に施行されたマイナンバー制度には一定の関わりを持ってまいりました。

 今年1月から始まったマイナンバーカード交付については、想定よりも多くの申請をいただいたこともあり、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)ではシステム障害が発生し、自治体窓口の対応が追いつかないといった事態になりました。
 特に3月末には、転出入などで窓口が忙しくなり、4月に入った頃には、申請から交付まで半年かかるという自治体も出てきました。

 もどかしく思いつつも、総務大臣として法律上の権限を越えた行動は出来ず、苦悩した時期でした。

 法律上、マイナンバーカードの交付は、市区町村長の責務とされています。
 また、マイナンバーカード交付のためのシステムを構築・運用しているJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)は、地方公共団体が共同で運営する組織で、「地方共同法人」という分類になります。
 J-LISのガバナンスや役員人事については、知事会や市長会や町村会代表などで構成される「代表者会議」が権限を持つことも法律で規定されており、J-LISに法令違反があった場合の立ち入り調査などを除くと、総務大臣である私には関与する権限が無いのです。

 しかし、せっかく申請していただいたマイナンバーカードが半年先まで交付されないようでは、マイナンバー制度そのものへの信頼を損ねることになります。
 これは緊急事態であると判断し、思い切って、5月に総務省に対策チームを立ち上げました。

 2ヶ月で対策を練り、交付迅速化の為のマニュアルを作り、自治体には交付計画の策定を要請し、7月から実施しました。
 現在では、交付の遅延は解消され、申請から概ね3~4週間でマイナンバーカードを取得していただけるようになりました。

 マイナンバーカード交付が正常化する目処がついた頃、前記した通り、8月3日から内閣府特命担当大臣を併任することとなり、多くの府省庁にまたがるマイナンバー制度関連業務全体を俯瞰しながら調整していける立場になりました。

 私自身が生活の中でマイナンバーカードの利便性をあまり感じていなかったこともあり、9月に「ワンストップ・プロジェクト」を立ち上げました。
 これは、カード1枚で、住民票や戸籍書類や印鑑証明のコンビニでの交付、スマホを使った児童手当や保育園の申込み、図書館やスポーツ施設などの公共施設の利用などを可能にする為のプロジェクトです。

 これらのサービスの一部は「住基カード」の時にも存在しましたが、大きな違いは、クラウドという技術によって、各自治体でシステム構築の必要がなくなり、コストが大きく削減され、導入の為の期間が短縮されたことです。
 各自治体で順次導入されていきますので、来年夏以降には、マイナンバーカードを生活の中で便利に使っていただける地域が増えていくと思います。

 マイナンバー制度は、他の府省庁の多様な政策と連携しており、今後5年程かけて生活や仕事の中に定着していく見込みですが、多数の関係者がいる巨大な事業です。
 よりスムーズに進めていけるよう、今年の経験を踏まえて、今後の工程表を見直しています。

 J-LISのガバナンス強化については、法的権限を有する「代表者会議」の飯泉知事と話し合う中で深いご理解を頂き、来年は実効的な対応がなされるように力を合わせて取り組んでいきます。

 ところで、今後のマイナンバーカードの利活用や災害時の情報取得など、スマートフォンは国民生活に欠かせないものになってきました。
 昨秋に立ち上げたタスクフォースの検討結果に基づき、今年4月には「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」を施行しました。
 「規制緩和の流れに逆行しない形で、どのように実効性を確保するか」ということについては大変悩みましたが、想定以上の成果があがりました。

 MVNOは誰もが知るサービスになり、前年比30%以上で伸びています。9月末には、760万契約に達しました。
 移動通信事業者3社からは、各社の特徴を活かした、ライトユーザや長期契約者に合った料金プランやサービスが提供されるようになりました。ヘビーユーザ向けのプランも登場しました。
 「スマホを生活インフラに」というビジョンに、着実に近づいています。
 今年の秋には、追加の施策として、ガイドラインや接続料の見直しを行いました。

 この他にも新たに着手した今年の施策は多いのですが、3日間に渡って、特に注力した事柄についてお伝えしてまいりました。
 総務省の多様な取組みによって、皆様の故郷が、安心して住み、学び、働ける場所になることを願っています。
 そして、IoTが、地方でも、富や雇用を創出することを信じています。

 今年も、全国各地の皆様から、時には海外在住の方々からも、総務省の施策に対する率直なお声をお寄せいただき、貴重なご指導を賜り、有難うございました。  

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