早苗コラム

7期目の永田町から 平成27年1月~連載中

2015年02月08日

いわゆる「大阪都構想」の行方

 一昨日(2月6日)の14時、いわゆる「大阪都構想」に関して、去る1月14日に大阪府大阪市特別区設置協議会から報告があった「特別区設置協定書案」に対する「総務大臣意見」の書面が、総務省自治行政局から大阪側に手交されました。
 

 総務省では、「大都市地域特別区設置法」第5条第5項に基づき、協定書案の内容について検討しましたが、昨年7月に新藤義孝前大臣に報告された協定書案と殆ど同じ内容のものでした。
 よって、行政の継続性・一貫性を重んじる立場から、「総務大臣意見」は、前大臣が昨年9月2日に発したものと同様に、今回も「特段の意見はありません」と致しました。


 前回は、この「総務大臣意見」と併せて、「地方自治法」に基づく「技術的助言」として、大阪府知事及び大阪市長に対し、「法令を遵守し、関係者の間での真摯な議論に努めていただくこと」を要請しました。

 当時は、大阪府知事や大阪市長が、法定の期限内に臨時議会を招集しなかったことや、特別区設置協議会が特定の政党の委員のみで構成され、大半の大阪市議会選出委員が欠員のままで協定書案を決定したことなど、特殊な背景があったからです。
 

 今回は、特別区設置協議会委員の構成も変わり、協定書案決定に向けた手続きに瑕疵が認められなかったことから、「技術的助言」を文書にはせず、私が当日朝の記者会見で述べた内容を口頭でお伝えした上で「総務大臣意見」を手交することとしました。
 

 記者会見で述べた内容は、次の通りです。
「言うまでもなく、特別区を設置することについては、行政サービスを提供する主体である地方公共団体の法人格に関するものであり、自らの地域の在り方を決める極めて重要な問題であります。この協定書案に基づき特別区を設置することの成否については、法令の手続に従って、地域の判断に委ねられているものでございます。従って、それぞれの議会において、真摯な議論が行われるよう期待するところでございます」


 つまり、今回の「総務大臣意見」は、協定書案の内容について「特段の意見はない」ことを述べるものであって、いわゆる「大阪都構想」の是非について述べるものではないからです。
 

 「総務大臣意見」が附された後の「特別区設置協定書案」は、大阪府知事と大阪市長が、それぞれの議会に、承認を求めて付議することになります(「大都市地域特別区設置法」第6条第1項)。
 

 今後、大阪府議会と大阪市議会において、いわゆる「大阪都構想」のメリットやデメリットについて十分な議論が尽くされた上で、「特別区設置協定書案」を承認するか否かが決められることだと思います。

 仮に両議会が承認をした場合には、その後、大阪市民の皆様による住民投票が行われることになります。


 「特別区設置協定書案」によると、平成29年4月1日から、現在24区ある大阪市の行政区は、5区の特別区(北区・東区・南区・湾岸区・中央区)に再編されます。例えば、都島区、北区、淀川区、東淀川区、福島区は、「北区」という名称になります。
 5区の議員定数合計は、現在の大阪市議会議員の定数(86人)と同数になります。

 ただし、「大阪都構想」と言っても、大阪府の名称は「大阪府」のままで、「大阪都」に変更されるわけではありません。
 「大都市地域特別区設置法」には名称について特段の規定は盛り込まれていませんので、「地方自治法」第3条の規定により、従来の名称を用いることになります。


 どうしても特別区を設置した道府県の名称を変更したい場合には、名称を変更する法律を別途定めることが必要です。
 更に、仮に「大阪府の名称を大阪都に変更する」法律を定める場合は、憲法第95条に基づき住民投票を行うことが必要となります。


≪日本国憲法第95条≫
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。


 既に、当事者である大阪府民や大阪市民の皆様は御承知のことばかりかと思いますが、いわゆる「大阪都構想」は、「大阪府」から「大阪都」に「名称」を変更することではなく、「法令の適用」等について、大阪府を東京都と同じように都と見なすことです。


 特別区を設置することになった道府県が都と見なされることに伴い、例えば、通常は市町村が処理する事務(下水道、用途地域等に関する都市計画、消防など)を道府県が処理することになります。


 また、都と見なされることにより、当該道府県は、特別区間の財源の均衡を図るために特別区財政調整交付金を交付し、事務処理の連絡調整を図るために都区協議会を設置するなど、都に関する法令の規定が適用されます。


 先ずは、大阪府議会と大阪市議会において、多角的な視点から議論が展開されることだと思いますので、御地元の判断の行方を見守ってまいりたいと思います。
 


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