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外国人参政権阻止シリーズ⑰:地方政界の空気の変化

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 過去には、まるで「流行」のように、多くの地方議会から「定住外国人に対する地方参政権付与を求める意見書」が続々と総務省に送付されました。
 その数は1243件に上ります。 
 

 外国人への地方参政権付与によって選挙の当落に直接的影響を受ける地方議員が、何故これほど積極的に賛成しているのか、私には理解できませんでした。

 ところが、鳩山内閣発足後に外国人参政権が「実現可能なもの」としてマスコミでも盛んに報道されるようになってから、流れが変わりました。
 

 過去に「賛成」の立場で意見書を出していた地方議会が、ここに来て一転、「定住外国人に対する地方参政権付与に反対する意見書」を提出し始めています。

 1月21日には、全国都道府県議会議長会が「永住外国人への地方参政権の付与は、民主主義の根幹に係る問題であるとともに、取り分け地方自治のあり方に重大な影響を及ぼす問題である。このため、永住外国人への地方参政権の付与については、国会において拙速に法案提出や審議されるべき案件ではなく、当然のこととして、地方の意見が重視されるべきものである」とする特別決議を行いました。
 

 また、東京都の石原慎太郎知事は、1月15日の記者会見で「地方の政治そのものが国家の政治に繋がるこういう時代に、地方だからいいだの、国政はいかんと言うのはおかしな話」、「国籍を持たない人たちの意向で左右されて、国そのものが左右されかねない」、「そういう人たちが、束ねて民族移動のような形で案件によって投票を起こしたら(中略)、そういうものを想定すると、私はとても危ない試みだと思います」として、外国人地方参政権に反対の意向を示されました。
 
 埼玉県の上田清司知事は、「私は一貫して反対の立場」、「安全保障に係る話が市長選挙なんかのテーマになったりする時もございますので…」と発言されました(1月19日記者会見)。

 千葉県の森田健作知事は、「基本的に国籍を持って投票すべきだというのが私の考えです」とおっしゃいました(1月14日記者会見)。
 

 年明けに活発化したこのような動きに対して、平野博文官房長官は、1月27日の記者会見で「自治体の皆さんの決議・意見は承知していないが、そのことと、この問題とは根本的に違う問題だ」と発言され、「地方の声」に配慮する気配はありません。
 
 それでも私は、先ずは直接的な当時者となる地方議会の方々が「反対」の声を総務省や国会に届けて下さることこそが外国人参政権阻止には最も効果的であると考え、昨年12月上旬から多くの自民党系地方議員に資料をお送りしたり直接お会いしたりして、反対決議のお願いを続けてきました。
 

 多くの自民党系地方議員は外国人への地方参政権付与に係る問題点を十分に理解しておられ、私の考え方に賛意を示して下さるのですが、彼らの話からは、「地方議会で反対決議を行うことへのハードルの高さ」も学ぶことができました。
 

 国政では政権交代が起こりましたが、地方議会では、今も自民党議員が多数派である所が圧倒的に多いのです。しかし、自民党系議員の議席数が決議の可決に必要な「過半数」に届いていない場合には、手の打ちようがありません。
 地方議会でも、民主党、公明党、社民党、共産党の党籍を持つ地方議員は外国人参政権に賛成の立場ですから、その合計数を上回る議席を自民党系議員で確保していない議会では、反対決議は実現しません。
 

 ある政令指定都市の自民党市議会議員からは、「うっかり自民党会派から『反対決議』の提案などしようものなら、それを契機に他会派合同で『賛成決議』を提出されてしまう。その方が怖い」というお声を伺いました。
 

 また、郡部の1人区から出馬しておられる自民党県議会議員からは、「1人区の選挙では公明党のご支援が不可欠となるので、正面きって外国人参政権に反対することは出来ない」というお話も伺いました。
 

 私の地元の奈良県議会では、過去に外国人参政権賛成決議をしてしまっています。
 先月、県議会議長(自民党)が反対決議を行うことを検討してみては下さったのですが、結果は「不可能」ということでした。
 
 奈良県議会では自民党議員が過半数を占めているのですが、議会運営ルールで「決議はできるだけ全会一致」ということになっており、「全会一致でなくても決議をする場合はあるが、2会派が反対した場合には、絶対に決議はできない」ということなのだそうです。
 

 よりによって自分の地元の県議会で反対決議ができなかったことに落胆しつつも、「それならば、市町村議会での反対決議を1つでも多く実現するぞ!」と考え、まだまだ働きかけに励んでいます。 
 

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